見出し画像

インバスケット研修の結果、人事は何に使う?

皆さんはこれまで「インバスケット研修」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

ビジネスシーンでの意思決定力や優先順位付け能力などを評価・育成するための一種のシミュレーションですが、目的の一部分だけが伝わって、「どうも昇格に使われる研修のことじゃないか。恐ろしい…」と戦々恐々とすることも。

改めて人事部門はこれらの結果を何に使うのか見てみましょう。



インバスケット研修の歴史は意外にも浅い?


インバスケット研修の歴史は古く、その起源は1950年代前半に遡ります。この研修は、当初、アメリカ空軍の教育研究所が教育訓練効果の測定手段として開発・実施したものでした。

1960年代には、ビジネス教育やリーダーシップ開発の分野で広く活用されるようになりました。初期の研修では紙のバスケットを使用していましたが、現代ではデジタルツールを活用したり、シミュレーションゲームを導入したりするなど、進化を遂げています。

日本においても、大企業だけでなく中小企業や官公庁など、多くの企業や団体でインバスケット研修が導入されています。これらの組織では、管理職の登用などの客観的な評価が求められる人材マネジメントにおいて、非常に有効的な手法として活用されています。

このように、インバスケット研修はその歴史の中で幅広い分野での活用と進化を遂げてきましたが、今現在、どういった用途でその結果が用いられるのでしょうか。


インバスケット研修の結果は「採用」「育成」「配置」「評価」のすべてに活用できる


結論から言えば、インバスケット研修の結果は「採用」「育成」「配置」「評価」のすべてに活用することができると言えます。

まずは「採用」です。新規採用や昇進の際、インバスケット研修の結果は重要な参考情報となります。参加者の意思決定力や優先順位付け能力、コミュニケーション能力、ストレス耐性などを評価することで、その人物が組織にとって最適な人材かどうかを判断します。これにより、人事部門は公正かつ客観的な採用決定を行うことが可能となります。

「育成」でも、研修の結果をもとに、個々の従業員の強みと弱みを把握します。これにより、個々の能力開発に必要な研修プログラムや教育プログラムを計画することができます。また、従業員自身も自己理解を深め、自己改善に向けた具体的なアクションを起こすことが可能となります。

「配置」という観点では、特に「チーム編成」の活用が期待できるでしょう。インバスケット研修の結果は、チーム編成の際の参考情報としても活用されます。各メンバーの能力や特性を理解することで、バランスの良いチームを編成することが可能となります。これにより、チーム全体のパフォーマンス向上に寄与することができます。

そして「評価」です。研修の結果は、従業員のパフォーマンス評価の一部としても使用されます。これにより、公正かつ客観的な評価を行うことができます。また、評価結果をフィードバックとして従業員に伝えることで、自己改善のための具体的な指針を提供することが可能となります。

以上のように、インバスケット研修の結果は、人事部門にとって多岐にわたる活用方法があります。これらの情報を適切に活用することで、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することができます。

インバスケット研修は、個々の能力を評価・育成するだけでなく、組織全体の成長を促進する重要なツールと言えるでしょう。この研修を通じて、組織全体が一丸となって成長を遂げることを期待しましょう。

この記事が参加している募集

人事の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?