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ワタクシ、月曜日は仕事しませんわーー「ベア・ミニマム・マンデー」とは?

「月曜日の始まりは、ゆったりと働きたい」ーーこう願ったことのある方も多いでしょう。

こうした働き方が、実は今、多くの方々の共感を呼んでいるのをご存じでしょうか?



「月曜日は頑張らない」という働き方


月曜日に必要最低限の仕事しかしない働き方のことを、ベア・ミニマム・マンデー(Bare Minimum Mondays)と言います。

この考え方が広く認知されるきっかけとなったのは、TikTokクリエイターのマリサ・ジョー・メイズ(Marisa Jo Mayes)氏のSNSでの発言だと一部で言われています*1。

彼女は「以前は月曜日に極度のストレスを感じ、こなせそうもないToDoリストを作り、1日の終わりには燃え尽きていた」と述べています。

しかし、彼女が月曜日には最低限の仕事しかしないという新たなアプローチを採用したところ、「すべてが変わったように感じた」と感じたと明かしました。この発言は話題となり、多くの人々の共感を呼びました*2。

皆さんもこの発言に賛同できる側面もあるのではないでしょうか。

実際、月曜日の午前と言えば、メールの返信や請求書の処理など、負荷の少ない仕事から始める方もいらっしゃるでしょう。こうした休日と平日の落差を緩やかにすることで、心身への負担が軽減されるものです。

メイズ氏の発言は、我々にとってストレスフルな日々から脱却し、より健康的な働き方を模索する上で、有益な示唆があるものと言えます。


「それってただのサボリでは?」という声も…


しかし、この「ベア・ミニマム・マンデー」は万人受けしているわけでもありません。

メイズ氏の発言に対して、サステナブルに働くために必要だという声もあれば、ただの怠けものではないかと批判する声も存在しました。

「月曜日はゆったり働くべきか否か?」ーー半ば精神論になりがちなこの問いに対して、我々はどう向き合えば良いのでしょうか。

ここで、この問いに対して関係する2つの研究を紹介しましょう。ひとつは心筋梗塞が最も多く発生する曜日を調査した英研究です。これによれば、危険な心筋梗塞は月曜日に多く発生するとされています*3。

また、心の痛むデータではありますが、国内研究でも、中高年男性による自殺は月曜日の朝に急増しているとの報告もあります*4。

必ずしも断言できるわけではありませんが、これらの事実から月曜日は精神的にも肉体的にもストレスが大きい日であることを示しています。サステナブルな生き方を志向するなら、「たかが月曜日」と侮ることなく、これらの事実に真摯に向き合うことも大切でしょう。

かつてと比べて、今の社会は多様な働き方が受け入れられつつあります。もちろん状況によって異なりますが、いずれこうした働き方も一つの選択肢として理解され、主流になってくる時代がくるかもしれませんね。


(参考情報)
*1 indeed「ブルーマンデー症候群を克服する「がんばらない月曜日」とは?」https://jp.indeed.com/career-advice/career-development/bare-minimum-mondays-cope-sunday-scaries(2024年5月10日アクセス)

*2 BUSINESS INSIDER「自分の健康や幸福を最優先…Z世代の職場のトレンド5つ」https://www.businessinsider.jp/post-277072(2024年5月10日アクセス)

*3 毎日新聞「危険な心筋梗塞は月曜日に多く発生する 英研究」https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230619/med/00m/070/001000d(2024年5月10日アクセス)

*4 早稲田大学「中高年男性による自殺は月曜日の朝に急増」https://www.waseda.jp/inst/research/news/61492(2024年5月10日アクセス)

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