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人事ポリシー、どう作る?

皆さんの会社には人事ポリシーがありますか?

経営理念やMVVはあっても人事ポリシーがない会社は、意外にも多いものです。

日々の人事業務は人事ポリシーがなくても遂行できますが、新たな施策の導入や浸透を図る際は必要不可欠です。

では、どう作れば良いのでしょうか?


人事ポリシーは、人事に関係する様々な決定を行うときの拠り所


人事ポリシーとは、人や組織に対する会社の考え方を明文化したものです。

具体例として、日本を代表する企業であるソフトバンクさんとリクルートさんの人事ポリシーを見てみましょう。

まずはソフトバンクさんです。ポイントを見てみましょう。

継続的な事業の成長・成功を実現するためには、進化し続けられる組織であることが不可欠であり、従業員が常に元気で活力にあふれた集団であることが重要と考えています。

ソフトバンクならではの活力を生み出すため、チャレンジする人の可能性を支援し、実力と成果に正しく応えます。

・ 「進化し続ける組織」の実現
・ 「挑戦と成長」を後押し
・ 「実力と成果」に正しく応える
・ 「多様な人材がイキイキ働く」環境作り

同社ホームページより一部抜粋
URL:https://www.softbank.jp/corp/philosophy/human-resource/policy/


次いで、リクルートさんです。こちらもポイントを見ていきます。

「価値の源泉は人」であるという考えを中心に、価値の創造を継続的に最大化するため、個人と会社の関係性として双方がどのような約束を果たし合うべきかを想定しているものです。

個人に対しては、リクルートに在籍する限り個人/チームの進化を続けることを求めます。会社としては、個人の能力をいかんなく発揮するための機会・環境を提供することを約束しています。

・ 能力開発・チャレンジできる機会拡充
・ 安心安全を前提により柔軟に、よりクリエイティビティ高く個々人の働き方を選択しやすい環境へ
・ Pay For Performance

同社ホームページより一部抜粋
URL:https://www.recruit.co.jp/employment/mid-career/human-resources/

両社とも何を目指してどういう組織をつくりたいか?そのために社員に何を期待し、代わりに何を提供するか?がしっかり言語化されているのが見て取れるでしょう。


3ステップで人事ポリシーを策定する


人事ポリシーを策定するアプローチはさまざまありますが、一例として次の3ステップをご紹介します。

① ありたい組織像を定める
② 求める人材像を明確にする
③ 社員を評価する際の基準を決める

こう見ると、非常にシンプルですね。ただ、いざ自社で作ろうとすると、なかなか言語化できずに悩むものです。その難しさを、具体例を使って少し考えてみましょう。

たとえば、皆さんがIT企業にお勤めの人事担当者だとしましょう。今現在はDXブームで引き合いが多く、事業的には順調に行っています。しかし、技術の進歩が激しく、この状態が長く続くとは限りません。

こうした状況に置かれたとき、まず自社にはどんな組織像が求められると思いますか?

ちょっと考えてみてください。




いかがでしょうか?

例えば、環境変化が激しく、競争環境も厳しい状況に置かれているため、長期間「勝ち続けられる」組織でありたいと願うのではないでしょうか?

具体的に言葉を紡ぐと「現状維持ではなく常に組織として進化し続け、目標に対して変化を厭わず、勝ちに拘り、絶えず前進するための活力が溢れている組織でありたい」などです。

では、「勝ち続けられる」組織には、どんな人材が必要でしょうか?

こちらもちょっと考えてみてください。




いかがでしょうか?

例えば、「失敗を恐れずに挑戦できる人材」が必要でしょう。

具体的には「成長意欲に溢れ、自らチャンスを掴み、リスクを取ってでもチャレンジする人材」です。

ここまで来れば、残るはこうした人材を評価するときの基準を決めるだけです。

勝ち続ける組織を目指し、果敢にチャレンジする人材を実現するには、フラットに成果を中心に評価することが大切です。例えば、性別、年齢、国籍などを問わず、まずは成果を出したかどうかで決める、などです。

そうすると、人事ポリシーのひとつが「実力と成果に正しく応える」になるわけです。お察しの通り、ソフトバンクさんの人事ポリシーのひとつですね。


人事ポリシーの策定は、このような順序で検討し、言葉に表現していくものです。

さて、ここまで人事ポリシーの内容や策定ステップについて見てきました。社員への期待を明確に示す人事ポリシーは、良きカルチャーの醸成や優秀な人材の獲得にも寄与します。

ただ、この言語化が難しく、たびたび見かけるのは、他社の表現を借用するケースです。これでは効果が半減してしまいます。

ありたい組織像や求める人材像を明確にして、自社らしい人事ポリシーを構築することが大切です。

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