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リストラとの違いは?新たなキャリアを後押しする"アウトスキリング"

リスキリングの流行とともに、近年、アウトスキリングも注目を浴びています。

「スキリング」とあるように能力開発の要素もありますが、トレーニングを受ける人にとって必ずしも前向きな話とは限りません。

アウトスキリングとはどういうものなのでしょうか?


アウトスキリングは、従業員に対して社外での新しいキャリアを後押しする取り組み


アウトスキリングとは、企業が従業員に対して、自社ではなく他社や他業界で必要とされるスキルを教育することを指します。

「え?他社で使うためのスキルを教えるの?」

そう疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

この疑問を解きほぐすには、背景にはある「従来の人員整理(以降、リストラ)」が抱える問題を知っておく必要があります。

そもそもアウトスキリングは、従業員の雇用の流動性を高めることを目的に行われます。つまり、従業員が自身の意思で他社や他業界に転職しやすくなるように支援することを目指しているのです。

したがって、リストラの側面もありますが、通常のリストラと異なるのは、企業は一定の投資を行い、従業員のスキル開発も含めて進めようとしていることです。

自社を離れる従業員にスキル開発を行うのは、なぜでしょうか?

ジャパン・リスキリング・イニシアチブの代表である後藤さんは、以下に転載した記事で、次のように説明しています。いくつかポイントを見てみます。

① 従来のリストラは、既存社員の士気を下げ、ブランドも傷つけるリスクがある

② 企業がリストラ対象者に対して再就職支援を行うケースもあるが、これも同業界・職種での移動で終わることが多い。その業界自体が縮小する中では限界がある

③ さらに退職した従業員との関係が健全ではない場合、口コミなどで好ましくない評価がなされ、企業イメージを悪くさせる

これらの要素から、一方的な解雇ではなく、スキル教育の機会を通じて成長産業への転職をサポートする方向へと世の中が進んでいるのです。


ただし、アウトスキリングの対象者本人は複雑な感情


アウトスキリングの対象となった従業員は、将来に不安を感じたり、仕事に対するモチベーションが低下する可能性があります。

もちろん、アウトスキリングを通じて市場価値が上がり、キャリアチェンジの機会が増える可能性もあります。しかし、そう受け止めることができるのは一部の人に限られるでしょう。

アウトスキリングを有効に機能させるためには、こうしたネガティブな側面を配慮しながら、対象者と丁寧にコミュニケーションを取ったり、今後の方向性などの合意形成をはかることが何よりも重要です。

こうしたことが配慮できれば、従来のリストラや再就職支援と比べ、アウトスキリングは退職する従業員にとって多くのメリットを提供できるでしょう。退職後も良好な関係を保つことができるはずです。

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