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【目印を見つけるノート】189. A Day In The Life(人生のある1日)

台風が気になりますね。
皆さまどうかお気をつけて。

⚫今日はジョンのお誕生日

今日はジョン・レノン(1940-1980)のお誕生日です。天秤座ですね。

それにあやかって、今日はThe Beatlesの、ジョンとポール・マッカートニーの歌パートがある、『A Day In The Life』をご紹介しましょう。以前別のところに出したものですが、文章は変えています。

二人がコーラスなどで一緒に歌っているパターンは数多くあるのですが、それぞれのパートがオーケストラをはさんで独立している曲は他にないのでは……あ、あったらすいません。そっと教えてくださると嬉しいです。
MV、すごいメンツですね😲

A Day In The Life
(人生のある1日)

《曲前に会話が入る》

「ピアノのマイク音をもっと下げて録ろう。マラカスぐらいに。それ、それ、その古いピアノだって」
「オッケー、やろうか」
「シュガープラムフェアリー、シュガープラムフェアリー」(マイクテスト用の言葉)

《ジョンの歌うパート》

あのね、今日新聞を読んだんだよ。
上手いこと成功した、幸運な人のことが書かれていたんだけど、
その記事はけっこう悲しいんだよね。
でも、笑ってしまった。
その人の写真を見たんだ。

その人は車で、ぶっ飛んじゃって、
信号が変わったことに気づかなかったんだって。
周りのみんなは驚いて立ちつくしたんだ。
だって、その人の顔を見たことがあったから。
本当に上院議員のあの人なのかって、
信じられなかったんだ。

ねえ、今日、映画を見たんだよ。
イギリスの軍隊が戦争に勝つっていう映画。
見ていた人たち、みんな席を立っていっちゃった。
でも僕は、ちゃんと見ていたよ。
その本を読んでいたからね。

きみをくるりとひねってみたいんだ。

5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20

《ポールの歌うパート》

目が覚めて、ベッドから転げ落ちて、
櫛で頭を引っ張りながらとかして、
階段をたどって降りて、紅茶をすすって、
もう遅刻だって気がつく。
コートを見つけて、帽子をかぶり、
バスには何とか乗り込んだ。
階段を上がるとさっそく一服。
誰かが話しかけてくるけれど、
僕は夢の中だっていうのに。

《オーケストラの間奏のあと、再びジョンの歌うパート》

あのね、今日新聞を読んだんだよ。
ランカシャーのブラックバーンで
4000個の穴が見つかったんだって。
穴(holes)はちょっと小さいみたいだけど、
全部数えなきゃいけなかったんだね。
アルバートホール(hall)を満員にするのに
いくつの穴がいるのか、もう分かるんだろうな。
きみをくるりとひねってみたいんだ。

《オーケストラの後奏、終わり》

《会話が入る》

「こんな風にするのは最悪だね。こんな風にするのは、最初から人にちょっと疑念を抱かせてしまうと思うよ」
「そうだなぁ、まぁいいや。じゃあどうする?」

(紹介のための引用。意訳さわ 歌詞を検索したら録音時の会話?まで入っていたので拾いました。MVには会話やカウントダウンはありません)

ーーーーー

これは、THE BEATLESの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)というアルバムの最後に入っている曲です。私はこの曲がとても好きで、自分のTHE BEATLESベストテンがあるなら入れるかもしれません。

ただ、この歌は一筋縄ではいかないです。
「ある1日」なのですが。

ジョンとポールのパートからして違う雰囲気です。ポールは明らかに朝の風景を歌っています。でも、よくよく聞いていると、ジョンの方は朝か夜か分からなくなります。

「今日は映画を見たんだよ」と言っていますからね。
「新聞を読んだんだよ」というのは朝だろうなと思いますが、この新聞は『デイリーメイル』紙のようです。

この歌で「ある1日」というのをスケッチしているのですね。

意訳でジョンのパートに「ねえ」と入れたのは、子供に話している形だからではないかと思ったからです。この時ジュリアンは3歳ぐらいです。
ポールのパートは誰でもうなずくような通勤風景です。経験のある人は多いのではないでしょうか。

この歌のキーワードはTurn you onです。この言葉はドラッグで意識を変えることだという見解がありますし、ご本人も多少はそう考えたかもしれませんが、ジョンの視点からポールの視点に変わっていることに始まり、歌詞は現実から離れていません。 

上院議員の事故も、戦争の映画がやっていたのも、曲にオーケストラが入るのも、録音の時の会話も、4000個の穴をアルバートホールの客席に換算するのも全部Turn you on。どう言ったらいいんでしょうね。覚醒するというか、栓をひねるというか、スイッチするというか……意訳に合わせるとtwistになってしまうんですけど。

普段あなたが当たり前だと思っていることから、視点を変えて一歩踏み出してごらんーーというのがいちばん近いのではないかと思います。この、視点の切り替えというのは、なかなか他の曲には見られません。

このピアノは古いピアノだったのか、と妙なところにも感心しました。Turn me onですか。
ーーーーーー

今は、「新しい日常」という言葉が出てきていますが、それも「ある1日」の積み重ねということには変わりないのだろうと思います。そして、それはプリズムのような、一定ではない色と光に彩られているのかもしれません。

大切にしたいなと思います。
あなたと同じように。
あなたと同じぐらい。


⚫お籠りクラフトとばら

今日はスワロフスキーのビーズでイヤリングです。
「あえて」野暮ったいキャップを被せました。スワロフスキーのかっちりした雰囲気が和らぎました。

ばらは咲いています。

もうひとつも開きそうです。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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