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【目印を見つけるノート】25. いるもの でも いらないもの でもない

きのうは救急車の音が3回聞こえました。
きのう尽くしですが、
朝、頼んでいた本が届いていました。最近は置いていってくださるパターンが多く、メールで届いていることに気づきました。
岩波文庫のゲーテが3冊。
これはいいなあ。いいぞおと喜んでいます。

配達のかたに、「ありがとうございます。ごくろうさま」と言えないのが少し残念ですが、仕方ないですね。

午後から雨がざあっと降ってきて、洗濯物を慌てて取り込みました。

⚫いるもの? いらないもの?

4月はクラフトをちまちまとし倒したと思っているところですが、書いている小説をもう少し改良したいなとぼうっと考えていました。新しい小説もまだ10000字ぐらいなので、発条をキコキコ巻かなければ。

この機会に、これまで使っていなかった石やビーズを結構使えました。よかったなと満足しています。

使いようがなかったもの、半端なものは捨ててしまうこともできました。でも捨てなかったのですよね。

今は断捨離という言葉が一般的に使われていて、いらないものを捨てたり、売ったり、譲ったりするかたもいらっしゃるでしょう。確かにスッキリ、身軽に過ごしたいですね。
ビーズもそうですが、他にも「いるか、いらないか」といえばいらないものはいくつもあります。消耗品ならば捨ててしまうのですが、そうでないものは結局残しておくことが多い。

見本をひとつ。

これはヴェネチアン・グラスのペンダントトップです。とてもキレイで、「おお、みどりの風よ!」とフェデリーコ・ガルシア・ロルカの詩でも詠みたくなる素敵なお品です。
ただ、ペンダントにするには重いのです。寸法も高さ4cmほどあって、大きい。
これは使うことが難しい。二者択一でいえば「いらない」になってしまうでしょう。

でも、私はこれをずっと持っています。
これからも持っていると思います。
それは私にとって、このヴェネツィアン・グラスが「ペンダントトップとして使う」以外の役割を持っているからです。
たまに取り出してみて、「キレイだな」と眺めてロルカの詩を思い出すため。それで十分ではないかと思うのです。

そんな風に考えると、ものの役割を固定しなくてもいいのではないだろうか。すぐに「いる、いらない」と決めなくてもいいかなって。
それで断捨離から遠くなってしまう時もあるのですけれど。

そこから、またぼうっと思います。
体温計の電池交換のために、家庭用としては極小のネジ回しをしながら(酷な小ささ)。

それはものに限らず、人間関係にもいえるかもしれませんし、自分の中の整理のつかないものーー気持ち、感情とかーーにもいえるように思います。
捨てなければいけない、整理しなければいけない、割りきらなければいけない、こうでなければいけないと思うのが返って足枷になってしまうことはままあります。ものは捨ててしまえばいいかもしれないですが、気持ちの中には捨てられないものがあったりもする。そのようなことは長くありました。
今は、それでがんじがらめになるのなら、「こう思ってもいいし、ああ考えてもいい」と自分をゆるゆると、ネジのようにゆるめてあげてもいいのかなと思います。

パカッ。開いた。
でも、電池を取り替えてもウントモスントモ……。捨てた方がいいのかな(苦笑)。

ここ2週間強はバラがいい相棒になってくれました。
今は乾かしていますが、それでもまだ見守っています。外で乾かしていたら、風は強いし雨が来るし災難が連日で、お世話のしがいがありますね。
雨が降って室内に移そうと手に取ったときのことです。
素敵な香りが私の鼻腔に広がりました。離れていても再現できるような強い香り。

ずっとお付き合いしましょう。

すべてにそう思うことができれば、とても幸せだと思います。


⚫クリッシーはファンのお手本

The Pretendersがロックダウン終了まで、Bob Dylanのカヴァーを毎週配信するそうです。さっそく、『In the summertime』のMVを拝見いたしました。あの低めの声は健在です。山荘の景色が素敵でした。
Patti Smithの通称は『ニューヨークパンクの女王』ですが、クリッシー・ハインドは『姉御』だそうです。The Pretendersも紆余曲折を経て続いていますし、UB40に始まりいろいろなアーティストと共演しています。
ミュージシャンからも愛されるアーティストだと思います。

でも、クリッシーはピカイチの「ファン」だと私は思います。
彼女がThe Pretendersをスタートした頃、The Kinksの『Stop your sobbin'』をカヴァーしました。彼女はThe Kinksのファンでしたので、フロントマンのRay Davisにそれを送ったそうです。やるなあ。
今は『歌ってみた』ではないですが誰もがカヴァーを歌って公開できますので、あまり珍しくはないのでしょう。ただ、新進気鋭のアーティストがファン心をストレートに出すことがスカッとしているというか、カッコいいと思いました。

今回、Bob Dylanのカヴァーに特化しているのも、Bob Dylanの新曲に感動したからということのようです。これもそもそもはファン心だろうと思ってニコニコしました。
こういうファンになれたらいいなあと思います。
私なら何をカヴァーするかな……Pretenderかな。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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