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【目印を見つけるノート】310. ディオールの2021コレクションは

⚫ディオールの2021コレクション

ディオールが2021年のコレクションとして『タロットカード』をモチーフにしたものを出しています。これはなかなか興味深いなと思いました。

詳しくはこちらの『VOGUE』誌のサイトでどうぞ。タロットカードの起源についての動画付き。至れり尽くせりです。
https://www.vogue.co.jp/fashion/article/dior-tarot-card

こちらは春夏用の動画。
素晴らしい仕立てです。

ディオールがモチーフにしたのは現存する最古のタロット(当時はトリオンフィと言われていたそうですが)、15世紀の『ヴィスコンティ=スフォルツァ』家のものです。同時期に描かれた、『エステンシ』タロットなども最古の部類に入ります。
この時期のタロットは当時の装束が簡易に描かれていて、ルネッサンス絵画とともに時代考証の参考にもしています。実は😅
本当は、あらゆるところに散逸している時祷書を見て回りたいと思っていたりします。タロットの起源はエジプトに遡ると言われていますが、エジプトからルネッサンスの間はどこに行った?というのはよく思います。前にも書きましたが、時祷書と、加えて十字軍遠征時のイスラム教諸国の文化的影響をカードに切り離したような形にしたのがヴィスコンティ~タロットなのではないかなと思っています。
あくまでも私の考えですのでご留意ください。

この装束をモチーフにしたコレクションがあってもいいよねって思っていました。中世からルネッサンスの衣装というのはすでに高い技術を誇っていたように思います。

さて、ディオールのコレクション。何点か見ましたが、重厚さと羽衣のような流麗さが混ざっています。色は抑えてフォルムが印象に残る。全体を通して幻想的ですね。ドレスが多いです。装飾と露出は控えめ(刺繍はため息が出るほど見事)。
ルネッサンスの時期を過ぎると装束はやや行きすぎになる場合がありますが、そこも押さえているなと思いました。

男性も女性も等しく描かれているのがモチーフに採用された理由のひとつのようですが、タロットカードの持つ象意はイマジネーションを刺激し、迷う気持ちに光を示してくれるときもあるでしょう。

それが今にふさわしいテーマなのかもしれません。

美しいコレクションです❤️
ほしいなあ😃

ちなみに16世紀のエリザベス女王の肖像画を見ると、レースの付け襟をよくお召しになっていますが、レースというのは16世紀の半ば頃から普及してきたものなのです。当初は布に刺繍をして、地の布の糸を引き抜いていたようです。今もその技法はありますね。

あれは飛ぶ鳥を落とす勢いの最新流行だったのです。

⚫きんきょう

さて、ボブ・ディランにやや長くとどまったきのうでしたが、書きましたよ、少し。着手していなかったお話を。
そうしたら、原典を握りしめて、「これだけではダメだあ」となりました。よって、これから現地にちょっと行ってこようかと思います。比較的近隣のひとけがない所なので、ご安心ください。

歴史小説を書くときに歴史小説は見ません。原典か現地をあてにしています。

このようなのは「現場主義」というのでしょうか。報道記者か経営の神さまのようですね😉
記者のまま亡くなった先輩の口癖は、「裏は取ったのか」でした。先輩、できるだけ取れるようにがんばります。

今日の1曲は、ポール・ウェラーの『Peacock Suit』です。
これぐらい、ファッション・アイテムが出てくる歌もなかなか。
孔雀のスーツやフリースやラクダ(色)のコート、ヘビ柄の靴、羽と。
まあ、正攻法の意味ではおそらく歌っていませんが、曲調カッコいいです。

それではまた、ごひいきに。

尾方佐羽


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