見出し画像

現役大学生がたった20日でヒッチハイク日本一周したお話 【第7話】

【前回記事】

フィリピンの富豪と鳥取砂丘(中国地方編)

9日目の朝がやってきた。
前回記事で述べたように、台風7号が京都に直撃して約3日間の足止めを食らった。ネットカフェにずっといたために久々に外の空気を吸った時は、新鮮な空気が美味しすぎて過呼吸になりかけた。

ヒッチハイクができそうな高速インター手前まで歩いてる途中、台風により折れた木々や散った葉っぱなどが散乱しているのが見受けられた。
この写真をみれば、台風7号がどれほど猛威を振るっていたのかが分かる

台風が過ぎた朝

本日最初に私を乗せてくれたのは大学生の5人組であった。
話を聞くと、どうやら自分と歳が近く、大学のサークルのメンバー同士でドライブをしている最中であった。大学名も聞いたのだが、めちゃくちゃ頭のいいところであり、恐縮してしまった。
本来6人で遊ぶはずだったのだが、1人が寝坊してしまったために1席空いていて、それでちょうど運よく私を乗せてくれたのだ。

世代が同じということで、ポケモンはもちろんダイヤモンドパール世代。他にやっていたゲームもイナズマイレブンやトモダチコレクションなど懐かしい名が挙がった。みんなフレンドリーで楽しい車内であった。

乗せてくれた大学生のイケイケ集団

彼らに連れられて高速道路のサービスエリアまで来た。
ヒッチハイクを再開しようとした時、自分と同じようにスケッチブックを掲げて立っている二人組のヒッチハイカーに遭遇した。今まで出会いそうで出会わなかった存在だったため、発見した時は少し感動した。
彼らは東京から山口まで帰る途中らしい。自分と方面が同じであったが、彼らの方が先にヒッチハイクをしていたために、彼らが無事に車を捕まえることができたのを見届けてから、自分もヒッチハイクを再開した。

同業者の二人組

その後何台か車に乗り姫路まで来ることができた。
そして鳥取と書かれたスケッチブックを持ち、SAで立っていたらここでとんでもない大物と出会うのであった。それがミャンマーの富豪である。
彼はセンチュリーという内閣総理大臣や天皇陛下などが愛用している車で登場した。そして口にはごっつい葉巻をくわえており、腕にはこれまたいかついタトゥーが彫られていた。正直最初は怖い印象があったが、これまでのヒッチハイクの経験上乗せてくれる人に悪い人はいないという絶対的な安心感もあったので、すぐにそんな恐怖は消えた。
鳥取に行くのであれば鳥取砂丘はぜひとも行ってみたいと思っていたため、そこまで連れて行ってくれないかとお願いして運んでもらった。

運転する富豪

センチュリーという車の中は本当にすごかった。
まず天皇陛下が乗るくらいなので防弾ガラスが驚くほど分厚い。そしてフロントガラスは外の景色が見やすいように余計なフレームがない。
自分が座った席にはマッサージやリクライニング、加湿器など快適な環境がそろっていた。

多機能すぎるセンチュリー
サングラスを急に渡されてつけてみた

この車を運転する彼に非常に興味が沸いた。
話を聞くと、まず年齢は自分より一つ下の年下の子であった。今は親父さんの下で働いており、センチュリーもその親父さんからもらったらしい。
ミャンマーにある実家は大豪邸で自家用ジェットを持っていたり、20匹以上のワンちゃんを買っていたりと、がちの金持ちである。
彼から話されるエピソードは面白く興味深いものが多い。
例えば、ミャンマーの治安が悪いところに行ったときは安易に車を停めてはならない。
車が停まった瞬間ミャンマーの子供たちが近寄ってきて金を要求してくるのだ。渡さないと車のメッキをはがされて最悪体に危害を加えてくることもあるという。そうなった場合はお金を渡すしかないらしい。
また、常に銃声が聞こえているらしく、彼も外出するときは、コンビニに行くちょっとした用事でもボディーガードをつけて街に出るという。

そんな富豪の彼は非常に親切で目的地ではない鳥取砂丘に連れて行ってくれただけでなく、その砂丘の中を一緒に1時間くらいまわってくれたのだ。
鳥取砂丘に初めて行ったのだが見渡す限り砂で、いままで見たことのない景色で感動した。そんな砂丘で彼と小学生のように走り回って満喫した。

靴を脱いで、、、
爆走する富豪
とても良い出会いでした!!

夜も近くなってきていたため、彼にネットカフェに泊まりたいと伝えたところそこまで送ってくれることになった。その道中で、お腹すいてないかといわれて、すし屋に連れて行ってもらうことになり1万円分の寿司を奢ってくれた。毎日毎日人に助けられて生きていることに感謝しかない。

この日は鳥取市内のネットカフェで一日を終えた。
次の日も鳥取から島根→広島→山口と順調にヒッチハイクを続けていった。
下道を使い進んでいたために景色はずっと中国山地の森ばかりで、天候も雨が降ったりやんだりを繰り返していた。
そんな道中は、大学生の時飲み会でどんなゲームをしていたのかという話題で一緒に盛り上がった女性や柑橘系の斬新なラーメン屋を営んでいる男性などの個性的な面々に連れられて楽しく中国地方を横断することができた。


【次回】 第8話 南国の地は出会いの宝庫でした(九州地方編)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?