現役大学生がたった20日でヒッチハイク日本一周したお話 【第8話】
【前回記事】
南国の地は出会いの宝庫でした(九州地方編)
ヒッチハイクを始めて11日が経過した。
今日はいよいよ九州地方へと足を踏み入れる。
九州地方の話をする前に山口県の魅力を少しだけ語りたい。
結論から言うと、山口県は一人旅するなら非常におすすめである。
山口県は意外にも観光地がたくさんあって、実際私はこの区間ヒッチハイクで乗せていただいたカップルに錦帯橋という面白い形をした古き良き橋に連れて行ってもらったり、唐戸市場という中国地方と九州地方の間の海峡にある市場で寿司を大量にご馳走してもらったりした。また、今回の旅では行っていないが、角島大橋や秋吉台などもまた違った系統の観光地であり、今度山口に行ったときはぜひとも行きたいと思っている。
山口から博多までカップルの車に乗せていただいて、かなり距離を稼ぐことができた。九州地方に踏み入った時はまだ午後2時くらいで外は明るかった。初めての福岡県だったので高速を下りて観光したかったのだが、その気持ちをグッとこらえてヒッチハイクを続行することにした。
その後3台の車に乗り、一瞬にして鹿児島県まで移動することができた。
気づけばこの日は広島県から鹿児島県までの大移動を成し遂げていた。
鹿児島県は非常に温暖で、生えている木が東京と全然違く、南国のヤシの木のようなものがたくさんお辞儀をしていた。夜中散歩して近くの桜島を見に行ったのだが、暗すぎて全然見えずその帰り道にゲジゲジを踏んでさらにショックを受けたのを今でも覚えている。
九州地方2日目がやってきた。
この日の目標は大分まで行くことだった。
鹿児島県から大分県へは高速道路は通っているものの利用する人が圧倒的に少ない。だから過酷な一日になることは覚悟したうえでヒッチハイクをスタートした。しかし意外にも順調に車を乗り継ぐことができ、宮崎県までいっきに来ることができた。ヒッチハイク日本一周している大学生をバカにするわけでもなく、面白いことしてるねと興味津々に話を聞いてくれて毎度いい気持にさせられる。
宮崎県の川南SAという所まで来ることができた。
ここのサービスエリアにきて、交通量の少なさに絶望した。
ただでさえヒッチハイカーを乗せることが怖いと思っている人が多い中で、そもそもの車の母数が少ないのでは、捕まえる確率はゼロに等しい。
夜までこのSAにいることを覚悟してしまっていた。
そんな絶望の淵に立っていた私の目の前に、大分と書かれたナンバープレートの車が一台停まった。中から大学生3人組が出てきた。直感でこの人たちに頼るしかないと思ったのか、持っていたスケッチブックを全力で掲げてアピールした。一度はスルーされたのだが、SAから立ち去る際に話かけに来てくれて、交渉の末乗せていただくことになった。
彼らは部活の遠征帰りで宮崎の下の方から上にある延岡という所に帰る途中であった。少しでも大分に近づきたかったので、その延岡という所まで乗せていただいた。彼らは男子大学生ということもあり、趣味や恋愛事情、
男のみでしか話せないような話まで多ジャンルの話をして盛り上がった。
彼らは東京への憧れもあり、都会がどういう所なのか興味津々で聞いてきたのを覚えている。私も宮崎県事情を聞いて地方と都会はいろいろな意味で全然違うんだなと思った。
彼らのおかげで宮崎県延岡市のみちの駅北川はまゆに到着した。
この時もう夕方で太陽が沈みかけていた。
この道の駅は山の奥深くで、近くに泊まれる場所も何もないため、ここですぐに次の車を見つけないと野宿して一夜を明かさなくてはならなかった。
そんな心配をしていたら、一人のお母様に声をかけられた。
大分まで行くから乗っていくかと言われて、0.1秒でお願いしますと返事をした。よくみると大量のキッズを引き連れていた。彼らはハンドボールの試合帰りの小学生とその親たちで、宮崎から大分に帰宅する途中であった。3台くらいで移動しており、そのうちの1台に乗らせていただくことになった。後ろの席に座ったのだが周りは小学生で自分より12歳も年下の人たちで、話がかみ合うか不安だったが、とてもしっかりしていて、いまの小学生のレベルの高さに驚いた。ヒッチハイクで日本一周している自分を非常に珍しく思ったのか、キラキラした目で自分の話を聞いてくれたので、
大学生になったらヒッチハイクをやってみなとおすすめしといた。
この大所帯の車に乗り大分県の別府まで来ることができた。
この小学生たちが今後の人生で私を思い出して、この出会いが何かに挑戦するきっかけとなったら非常にうれしいと思う。
この日は大分の別府で一日を終わらせた。
九州地方3日目がやってきた。
時間に余裕があったので、この日は別府を満喫しようと思い、前日に男子大学生3人組がおすすめしてくれたかっぱの湯という銭湯に行った。
ずっとシャワー生活であったので久々の湯舟には感動した。
ここの銭湯は学生なら入浴料が300円と破格の値段であり金欠にとっては最高な金額だった。
その後2つの銭湯をはしごして、今までの疲れを全て吹き飛ばすことができた。あとは四国を通って東京に帰るのみ。ゴールが見え始めた。
【次回】 第9話 ヒッチハイク最難関はまさかの〇県(大分→名古屋編)
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