田原洋樹/持続可能な地域社会の実現を目指す専門家(地域活性化・地方創生デザイナー)

大学の特任教員をしています。 SDGsや観光まちづくりに関する研究及び活動をしています…

田原洋樹/持続可能な地域社会の実現を目指す専門家(地域活性化・地方創生デザイナー)

大学の特任教員をしています。 SDGsや観光まちづくりに関する研究及び活動をしています。 出身は奈良県生駒市。プロフィール画像の写真は、実家からみる生駒山と眼下に広がる棚田です。 https://officetahara.com/

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

新しい観光スタイルの模索:リトリート×ワーケーションのポテンシャル

観光スタイルに変化の兆し観光スタイルに変化の兆しが見られます。例えば、先日幕を閉じた、カタールのワールドカップでは、日本人サポーターが試合終了後に、スタジアムを清掃する振る舞いを、多くの海外メディアが取り上げ、驚きと賞賛の反響が広がったことは記憶に新しいことと思います。またコロナ禍では、観光客はPCR検査をして、観光地へ向かい、現地ではマスクなどの感染対策を施して観光を楽しむスタイルが定着しました。また、ハワイ州では、ポストコロナの観光戦略を一つとして、レスポンシブル・ツーリ

    • 小田急が狙う沿線外ビジネス

      地域中核人材の育成と関係人口の創出 関東私鉄大手の小田急電鉄が沿線外ビジネスに乗り出しました。社員が縁をもつ鳥取県・倉吉市と23年1月に包括連携協定を締結し、地域の中核人材の育成や関係人口の拡大を狙うといいます。小田急は、沿線に新宿や下北沢、箱根など特色のある街づくりを展開してきました。都心のみならず、郊外の地域活性化に寄与してきた強みを活かして、今回は一気に沿線外へ飛び出しました。まさにイノベーティブな発想ですね。3月8日付の朝日新聞デジタルで、社長の星野晃司社長のイン

      • #東浩紀 の #観光客の哲学【増補版】 を読むと観光の概念が大きく変わる。特に「観光客とは現実の2次創作者」という主張は斬新。観光は経営学や社会学の視点で分析されることが多いが哲学からのアプローチもとても興味深い。

        • 地方創生政策は人口の東京一極集中を解消するべく多額の税金を投入してきたが交通インフラの東京一極集中を考える時期に来たのではないか 航空運賃を傾斜させ地方へ航空機離発着拡散を! #羽田空港過密 #地方創生 https://www.sankei.com/article/20240109-VMNZIVE63FNFLOLNETVZRJARYU/ @Sankei_newsより

        • 固定された記事

        新しい観光スタイルの模索:リトリート×ワーケーションのポテンシャル

        マガジン

        • ニュースタイル観光~地域との新たな関わり~
          8本

        記事

          観光庁が「未来の観光人材育成事業」を開始しています。高校教育での観光教育のあり方を模索する事業であり、観光産業全体の活性化に寄与する重要な施策だと思います。今年度は、加賀市観光交流機構と熊本市教育委員会が採択されました。https://www.travelvision.jp/news/detail/news-101076

          観光庁が「未来の観光人材育成事業」を開始しています。高校教育での観光教育のあり方を模索する事業であり、観光産業全体の活性化に寄与する重要な施策だと思います。今年度は、加賀市観光交流機構と熊本市教育委員会が採択されました。https://www.travelvision.jp/news/detail/news-101076

          関係人口は、地方の救世主になりえるのか?

          1.関係人口ってなんだ? 関係人口というキーワードが世に出て、6~7年がたった。もともとは、「東北食べる通信」の活動で有名な高橋博之氏や「月刊ソトコト」編集長の指出一正氏が2016年ごろに使いだしたのが最初とされている。その後、国が政策に取り入れたことで、地域再生の方策としてこの言葉が一気に注目されるようになった。  ところで、関係人口とはどういった概念なのであろうか?高橋氏や指出氏は、移住や観光ではなく、都市部から地方へ訪問する人であるとの見解を示している。ちなみに、総務省

          いまこそ、センスメイキング思考を持とう!

          正し地図は必要ない アルプス山脈の雪山で遭難寸前の山岳隊が起死回生の下山を果たした。猛吹雪の中、だれもが希望を失いかけていた時に、隊員の一人のポケット中から下山ルートが示されていた地図が見つかった。隊員は「これで帰れる!」 と喜んだ。奇跡的に下山ができた後で、その地図は全く別の山のものだった。このエピソードは、センスメイキングを説明するときによく用いられるエピソードである。危機的な状況にあるときには、正しい、正しくないを論じるこよりも、まずはチームが団結して一歩を踏み出すこと

          この国のリーダーに捧ぐ 見えざる危機を予防する 迫り来る危機に備える 危機の存在を認識する 危機が広がるのを食い止める:リーダーが現場に立ち素早く決断し伝える 危機を回避する:とにかく機敏に動き対応する 引用:ノーマン・オーガスティン「クライシス・マネジメントはリーダーの仕事」

          この国のリーダーに捧ぐ 見えざる危機を予防する 迫り来る危機に備える 危機の存在を認識する 危機が広がるのを食い止める:リーダーが現場に立ち素早く決断し伝える 危機を回避する:とにかく機敏に動き対応する 引用:ノーマン・オーガスティン「クライシス・マネジメントはリーダーの仕事」

          Go Toキャンペーンは、本当に お得なプランなのか?

           1.慎重な見極めを コロナ禍で、深刻な観光産業の救済の措置として展開されることが決まったGo To Travelキャンペーンですが、旅行会社経由で旅行に申し込んだ代金の半額(最大一人2万円)を補助する仕組みです。総額1兆円を超える大きな事業規模で、インパクトは強く、最近は各マスコミも取り上げられる機会が急増しています。一見、お得なプランなように見受けられますが、消費者(旅行者側)からすれば、慎重に見極める必要もあります。  2.旅行商品の価格設定の複雑性 もともと、旅行商

          働く意識は変化するのか~脱(飲み)ノミニケーションへ

          1.テレ―ワークの普及がもたらす意識変化 今朝の朝日新聞の記事によると、コロナ禍で生活意識や行動がどう変わったかを、内閣府が約1万を対象に調査をしたそうです。その中で、テレワーク経験者の64.2%が、今後は仕事よりも生活を重視したいと考えていることがわかりました。また、同じくテレワーク経験者の約25%が、地方移住への関心を高めているということです。また、テレワーク経験の有無を問わない調査でも、若者中心に地方移住への関心は高く、特に東京23区の20代では、35.4%と高い結果が

          ポストコロナの働き方~都会のオフィスからリゾートへ流れが促進~

          1.コロナがもたらす働き方改革 コロナがもたらした唯一とも言える恩恵をあげるとするならば、私は日本における働き方改革が一気に進展したこと、と言うでしょう。具体的に申しますと、テレワークが一気に進展したことが言えます。(株)ドリームアーツの調査(以下図参照)によると、コロナの感染拡大を境にして、実に45%の企業がテレワークを導入したことが明らかになりました(左グラフ)。また、個人のテレワークの状況を見ても53%の人が、コロナ感染拡大をきっかけとして、テレワークを経験しました(真

          ポストコロナの働き方~都会のオフィスからリゾートへ流れが促進~

          サービスのあり方が変わるとき~おもて無し?時代の到来~

          1.ポストコロナの観光業 COVIDー19が我が国の観光業に大きなダメージを及ぼしています。東京出入国在留管理局羽田空港支局の調べによると、2020年のゴールデンウィーク中のインバウンドの入国者数は、対前年で実に99.7%マイナスという衝撃的な数字になりました。この数字は、ここ10年近く、インバウンド重視に展開してきた日本の観光業の戦略を、余儀なく変更せざるを得ない事実として突きつけられました。 2.キーワードは地元 北海道ホテル社長の林克彦氏は、「アフターコロナの観光復活

          ポストコロナ時代におけるコミュニティーの新しいカタチ

           1.はじめに コロナ禍にいる私たちにとって、この先の未来は、あまりにも不確定要素が多く、見通せないのが本音ではないでしょうか。とはいえ、この間さまざまな状況の変化があり、今まで気づかなかったことが見え始めているのも確かでしょう。  2.都市型コミュニティーへの変化 2020年5月に安倍晋三首相が全ての国民に一律10万円の給付を決めました。京都大学教授の広井良典氏は、5月28日付けの朝日新聞の記事の中で、この政策決定の背景には日本社会特有の「横並び」文化があると述べて