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Go Toキャンペーンは、本当に お得なプランなのか?

 1.慎重な見極めを

 コロナ禍で、深刻な観光産業の救済の措置として展開されることが決まったGo To Travelキャンペーンですが、旅行会社経由で旅行に申し込んだ代金の半額(最大一人2万円)を補助する仕組みです。総額1兆円を超える大きな事業規模で、インパクトは強く、最近は各マスコミも取り上げられる機会が急増しています。一見、お得なプランなように見受けられますが、消費者(旅行者側)からすれば、慎重に見極める必要もあります。

 2.旅行商品の価格設定の複雑性

 もともと、旅行商品というのは、目に見えない無形財と呼ばれる商品形態です。いわゆるサービス業が提供する無形の商品に位置付けられます。無形の商品の特徴として、商品価格の変動が大きいという点があります。早割や、団体割、平日割などがその代表例のように、宿泊代金や交通代金は、購入するパターンによって大きく変動するものなのです。

 そこで、我々消費者(旅行者側)からとしては、旅行会社から提示されているそもそもの料金が、妥当な金額で設定されてるものなのかを詳しくチェックする必要があります。例えば、前年度同時期で、3万円で販売されていたプランが、今年はどれくらいの価格幅で設定されているのかを調査する必要があります。極端な例を挙げると、仮に5万円で設定していれば、2万円の補助が出たとしても、実際は昨年同期と変わらない旅行代金を支払うわけになるのです。

 もちろん多くの旅行会社、あるいいは旅行会社に部屋を提供する宿泊業者が、そのような、いわゆる便乗値上げともいうべき、悪質な価格設定をするとは考えられません。したがって、昨年の価格を調べるまでもなく、同業旅行会社の商品価格を比較することである程度の目安はつくでしょう。しかし、一方で、先ほども触れたように、そもそも旅行代金や宿泊代金が大きく変動する商品特徴を持っているために、一律に比較検討がしづらい、またそもそも、旅行商品自体が複雑で、多岐に展開されているために、非常に実態を把握しずらい傾向があるという点があるのです。皆さんも旅行パンフレットを開いて、非常に細かく価格設定がされているのをご存じではないでしょうか?

   3.我々消費者側が考えたいことは?

 では、我々はこの問題にどう立ち向かえばよいのか?解決策としてはシンプルに以下の2つがあります。

(1)一つは、そもそもこのプラン自体は、「深刻な観光産業への救済措置である」という腹決めをし、その救済プロセスに関わっていくというスタンスをもつこことです。いわば、ボランティアの感覚といっても過言ではないかもしれません。2万円に意識がどうしても行きがちですが、安く旅行に行けるお得なプランということだけに意識を向けないことが必要だと考えます。

(2)二つめは、逆に、徹底的にお得なプランを調べあげることです。具体的には適正な価格設定がされているかどうかを、過去の価格表や、他社の価格を丁寧に調べるしかありません。幸い、旅行の比較サイトなどは充実しているので、ネットなどを活用すれば、ある程度の情報は収集できると思います。

   4.まとめ

 いずれにせよ、安心して旅行に行けるような日常が、戻ってくることは大変喜ばしいことです。また、打撃を受けている観光業やその他の周辺産業が、徐々にでも回復することは、我が国の経済を回す意味でも大変重要な意味をもつことは今更言うまでもありません。しかし、これだけ大きな税金を投入するせっかくのプランですから、有用に、また気持ちよく活用したいものですね。

 
















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