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  • OEKfan演奏会・舞台レビュー

    オーケストラ・アンサンブル金沢や石川県金沢市で行われた演奏会などを中心に私が鑑賞した公演のレビュー集です。

  • OEKfan 展覧会レビュー

    金沢市在住のOEKfanが鑑賞した展覧会(美術館,博物館,文学館等)の記録です。

  • OEKfan Program Notes 曲目解説集

    バッハからさだまさしまで―オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)を中心とした演奏会で取り上げられた音楽の解説集です。音楽の解説書やCDの解説を見ながら,時には主観的な感想やエピソードを交えながら,書き溜めたものです。 ※「OEKfan」に掲載しているものを順次,編集しなおしているところです。

最近の記事

ガルガンチュア音楽祭2024 C02市民オーケストラの祭典(2024年4月21日)

いよいよガルガンチュア音楽祭2024 の本公演の開幕も近づいてきました。この日はプレ公演恒例の一つ「市民オーケストラの祭典」を石川県立音楽堂で聞いてきました。毎年楽しみな公演ですが今回は英国・米国がテーマということで,例年以上に華やかな曲が多く,鈴木織衛さんの指揮の下,充実した演奏を楽しむことができました。 最初に能登半島地震の被災者のための献奏としてコープランドの市民のためのファンファーレが金管楽器と打楽器奏者のみで演奏されました。 メンバーの内訳までは分かりませんが,

    • オーケストラ・アンサンブル金沢第475回定期公演フィルハーモニー・シリーズ(2024年4月17日)

      1月1日に発生した能登半島地震の影響で延期になっていたエンリコ・オノフリさん指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK) 定期公演フィルハーモニー・シリーズを聴いてきました。 実は,1月に予定されていた公演自体もオノフリさん登場するだった2022年1月の定期公演がコロナ禍のため延期になったものでしたので,2回目の延期ということになります。というわけで、この日の公演は疫病と地震を乗り越えてようやく実現した,待望の公演でした。プログラムの方は1月のものから変更は無く,ヘン

      • 【番外編】「ブギウギ」の名曲をもう一度!(SP盤鑑賞会)(2024年4月13日(土)金沢蓄音器館)

        2023年秋から半年間放送していたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」では笠置シズ子の歌手としての人生を存分に描いていました。過去の朝ドラの中でも特に歌唱シーンが多く,1回15分の放送のほとんど全部がステージの場面だった回などもありましたね。3月末で終わったばかりの時期ということで,「ブギウギ」に登場した音楽をSP盤で聴いてみようというイベントが金沢蓄音器館で行われたので参加してきました。参加者数は30名程度。どこかアットホームな雰囲気の中で蓄音器の音を楽しんできました。 この

        • 木米真理恵ピアノリサイタル:令和6年能登半島地震復興支援チャリティコンサート(2024年4月6日)

          絶好の花見日和だった4月の土曜日の午後,石川県立音楽堂邦楽ホールで行われた,金沢市出身の木米真理恵さんのピアノリサイタルを聞いてきました。この公演は,元々は金沢市アートホールで行う予定だったのですが,1月の能登半島地震の影響で会場が変更となり,協賛企業や地元の政治家の支援を受け,復興支援チャリティコンサートとして行われることになったものです。この日のチケット売り上げは全額義援金として石川県を通じて被災地に送られるとのことでした。プログラムは,前半は木米さんの独奏によるショパン

        ガルガンチュア音楽祭2024 C02市民オーケストラの祭典(2024年4月21日)

        • オーケストラ・アンサンブル金沢第475回定期公演フィルハーモニー・シリーズ(2024年4月17日)

        • 【番外編】「ブギウギ」の名曲をもう一度!(SP盤鑑賞会)(2024年4月13日(土)金沢蓄音器館)

        • 木米真理恵ピアノリサイタル:令和6年能登半島地震復興支援チャリティコンサート(2024年4月6日)

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          オーケストラ・アンサンブル金沢 オーケストラの日2024(2024年3月31日)

          3月31日は「オーケストラの日」 ということで石川県立音楽堂で行われたオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)といしかわ子ども邦楽アンサンブル,OEKエンジェルコーラス,石川県ジュニアオーケストラが共演する「オーケストラの日2024」に参加してきました。この演奏会は毎年OEK定期会員は「ご招待」のファン感謝デーなのですが、当然のことながら3月31日が平日になることも多いので、参加するのは久し振りのことでした。指揮は松井慶太さんでした。 最初はいしかわ邦楽アンサンブルのステー

          オーケストラ・アンサンブル金沢 オーケストラの日2024(2024年3月31日)

          石川県ジュニアオーケストラ第30回記念定期演奏会(2024年3月24日)

          3月末恒例の石川県ジュニアオーケストラの定期演奏会を聞いてきました。今年は30回記念演奏会ということで,ベートーヴェンの交響曲第5番を中心とした堂々プログラム。松井慶太さんの指揮の下,一年間の成果がしっかりと発揮された充実した演奏を聴かせてくれました。 前半のプログラムは芥川也寸志,池辺晋一郎,ハチャトゥリアンの作品など,楽しく,美しく,新鮮な響きのする曲が選ばれていました。 最初に演奏されたのは芥川也寸志作曲の「Do Re Mi Fa Sol La Si Do!」。その

          石川県ジュニアオーケストラ第30回記念定期演奏会(2024年3月24日)

          オーケストラ・アンサンブル金沢第479回定期公演フィルハーモニー・シリーズ(2024年3月15日)

          マルク・ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)による,待望のベートーヴェンの第九を石川県立音楽堂で聴いてきました。ミンコフスキさんとOEKはベートーヴェン生誕250年の年だった2020年から2021年にかけ,定期公演シリーズの中でベートーヴェンの全交響曲を演奏するはずでしたが,コロナ禍による渡航制限の影響を受け,すっかり予定が狂ってしまいました。それでも4公演(8曲)は実現しており,第九だけが未演奏で残されていました。それが今回の公演でついに完結しました。そ

          オーケストラ・アンサンブル金沢第479回定期公演フィルハーモニー・シリーズ(2024年3月15日)

          牛田智大ピアノ・リサイタル2024金沢公演(2024年3月10日)

          北國新聞赤羽ホールで行われた牛田智大ピアノリサイタル2024を聴いてきました。 金沢では毎年この時期に牛田さんのリサイタルが行われるのが恒例になってきています。毎回聞き応えがある曲が並んでいますので,私も行くのが楽しみになってきて,2020年,2023年に続き,3回目です。今年はシューマンのクライスレリアーナとショパンのピアノ・ソナタ第3番という2つの大曲を中心とした堂々たるプログラム。じっくり練られた表現を堪能してきました。 プログラムはモーツァルトのピアノ・ソナタ第4

          牛田智大ピアノ・リサイタル2024金沢公演(2024年3月10日)

          金沢蓄音器館でSPレコードの音を聞いた後,泉鏡花記念館で企画展「新聞原紙で読む「山海評判記」へ(2024年3月16日)

          本日の金沢は春のような暖かさ。NHK朝ドラ「ブギウギ」も終盤なので,笠置シズ子の声をSPレコードで聴けるかなと思い,金沢蓄音器館に行ってみました。その後はお隣の泉鏡花記念館で企画展「新聞原紙で読む「山海評判記」を観てきました。浅野川付近は,穏やかな春色に包まれた感じでのんびりと過ごしてきました。 金沢蓄音器館では毎日,蓄音器の実演を行っています。本日は11:00の回に参加してきました。過去数回参加したことがありますが,館長さんの名調子は相変わらずで,何回聞いても楽しいですね

          金沢蓄音器館でSPレコードの音を聞いた後,泉鏡花記念館で企画展「新聞原紙で読む「山海評判記」へ(2024年3月16日)

          オーケストラ・アンサンブル金沢第478回定期公演マイスター・シリーズ(2024年3月9日)

          土曜日の午後,川瀬賢太郎シェフによる英国音楽フルコースといった趣きのオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK) 定期公演マイスターシリーズをたっぷり楽しんできました。プログラム全体が英国の曲というのは,OEKとしてはかなり珍しいことです。しかも,演奏されたのが一般的な知名度が低いヴォーン・ウィリアムズとフィンジの曲。川瀬さんがOEKの定期公演に登場する際は常に新しいレパートリーを取り上げ,新鮮な印象を残してくれていますが,今回もそういった公演でした。 最初に演奏されたのは,近

          オーケストラ・アンサンブル金沢第478回定期公演マイスター・シリーズ(2024年3月9日)

          【曲目解説】ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲第5番 Vaughan Williams/Symphony No.5 

          1943年,第二次世界大戦中、ヴォーン・ウィリアムズ(RVW)が「永遠の平和」を願って作曲した交響曲です。この作品はヴォーン・ウィリアムズの交響曲の中では最も簡素な編成で,近年日本での演奏機会も増えている作品です。1938年頃から着想され,同時期に作曲が進められていたオペラ「天路歴程(The Pilgrim's Progress;17世紀英国のジョン・バニヤンの寓話文学のオペラ化)」と共通の材料が用いられています。 1934年に作曲された交響曲第4番で聞かれた暴力的な不協和

          【曲目解説】ヴォーン・ウィリアムズ/交響曲第5番 Vaughan Williams/Symphony No.5 

          田島睦子ピアノ・リサイタル: 変装曲(2024年3月4日)

          金沢出身の田島睦子さんのピアノリサイタルを聴いてきました。この公演は当初,金沢市アートホールで行われるはずでしたが,能登半島地震の影響で当面使えなくなってしまったため,会場は石川県立音楽堂交流ホールに変更になりました。開催日も3月2日(土)からの変更ということで,困難を乗り越えての開催となりました。 田島さんのリサイタルでは、毎回サブタイトルのような感じで「テーマ」が付けられていますが、今回のテーマは「変装曲」でした。この「造語」は田島さんの発想だと思います。変奏曲的な作品

          田島睦子ピアノ・リサイタル: 変装曲(2024年3月4日)

          【曲目解説】フランク/前奏曲,フーガと変奏曲 ロ短調, op.18 Franck:Prelude, choral et variations, op.18

          1860~62年に書かれた「大オルガンのための6つの作品」の中の第3曲。表題どおり3つの部分から成る作品ですが「変奏曲」の部分は,前奏曲を変奏した形ですので,フーガを中間に挟んだ,A-B-A'の三部形式といえます。各部分は次のとおりです。ビゼーがこの曲を聞いて,フランクを絶賛したというエピソードが残されています。 前奏曲:アンダンティーノ・カンタービレ,8/9拍子。オーボエ管による牧歌的なメロディは,フランクが書いた最も美しいものの一つです。一度聞くと忘れられなくない魅力を

          【曲目解説】フランク/前奏曲,フーガと変奏曲 ロ短調, op.18 Franck:Prelude, choral et variations, op.18

          MANSAI CREATION BOX 萬斎のおもちゃ箱 Vol.2「ファリャ 恋は魔術師」金沢公演(2024年2月22日)

          「萬斎のおもちゃ箱」シリーズ第2回「ファリャ 恋は魔術師」を石川県立音楽堂コンサートホールで観てきました。野村萬斎さん企画のシリーズ、今回回は歌舞伎役者の中村壱太郎さんと萬斎さんを中心としたラテン系の歌舞伎+狂言+舞踊といった趣きのある公演となりました。松井慶太さん指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の鮮やかな響きの中,品の良い華やかさに包まれました。 公演に先立って「萬斎のおもちゃ箱への誘い」と題して、中村壱太郎さん、そして前半に登場した箏奏者のLEOさんとのトー

          MANSAI CREATION BOX 萬斎のおもちゃ箱 Vol.2「ファリャ 恋は魔術師」金沢公演(2024年2月22日)

          オーケストラ・アンサンブル金沢第477回定期公演フィルハーモニー・シリーズ(2024年2月18日)

          井上道義さん指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢定期公演フィルハーモニーシリーズを石川県立音楽堂で聴いてきました。 井上さんは,2024年末(もう少し先かと思っていたのですが...今年の年末!)で指揮活動からの引退を表明していますので,石川県で井上さんの指揮姿を見られるのもあとわずかということになります。今回取り上げた曲は,個人的にも思い出深い曲ばかりで,過去の井上さんとOEKのつながりを振りかえるような構成でした。その中でもルドヴィート・カンタさんとの共演によるグルダ

          オーケストラ・アンサンブル金沢第477回定期公演フィルハーモニー・シリーズ(2024年2月18日)

          和洋の響Ⅳ 能舞とオーケストラ(2024年2月12日)

          2月中旬恒例の「和洋の響Ⅳ」公演を石川県立音楽堂で聞いてきました。このシリーズは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の伝統の一つである,和洋が共演する演奏会で今回で4回目。毎回公募で選ばれた「能舞とオーケストラ」のための作品が演奏されることになっています。 今回は、観世流能楽師の鵜澤久さんの能舞,藤間寿さんの日本舞踊,日原暢子さんの箏と垣内悠希さん指揮OEKとの共演で、前半まず山本菜摘さん作曲の「加賀・金沢:記憶の彼方へ」という新作が初演されました。 前半まず,この

          和洋の響Ⅳ 能舞とオーケストラ(2024年2月12日)