第9回和装で出掛けよう會
先日23日の土曜日の事です。
私は神奈川縣某所へ或るイベントを伺うべく出掛けたのであります。
そのイベントとは下記のものでございまして、私のいつもお世話になっているフォロワー様で、いろは様と云う方がこのイベントにご出店なさっている旨を豫てより伺っておりましたので遂に私はnoteでオカカワリさせて戴いていた方に會ってしまうのでありました。
いろは様はこの通り、ご自身で作られた手作りの手藝のお品を販賣されておられます。
色々な物を手作りするのは私も大好きなのでありますが、ただ一つ、私は手藝が絶望的に苦手であり、この類の物を作れる方がとても素晴らしく思えてなりません。
また、取り扱っていらしゃる品物の中に以前より興味津々の物がございました。
それがこの記事にございます「カッチョいいポケットティッシュケース」と呼ばれる品物でございます。
シックなデザインで和柄の布地がとても素敵な逸品、實に私好みであります。
仕事柄スーツで出掛ける事も、また趣味で着物で出掛ける事も、或いは弓道の稽古着で居る時も、これは非常に有用なのであります。
昔から花粉症を始め鼻炎に悩まされている私は外出先でもチリ紙は欠かせません。
しかし時と場合に依っては、どこからか頂戴してくるキャバクラや風俗店やサラ金等のチリ紙はとても都合が惡いのです。
前に熟女専門のガールズバー(勿論そんな場所へは行きません!)のポケットティッシュを客前で出してしまった「事故」を起こしましたが、最近のは中の廣告になっている紙を取り除けば無地のポケットティッシュになるにしろ逐一そうやってチリ紙を精査している訳でもないのでこうした「重大事故」に繋がる恐れもあります。
そうした時にこのケースに入れておけば、こうした「事故」も防げるのであり、尚且つ貧相なポケットティッシュがとてもお洒落になるのです。
これは前々から欲しいと思っておりましたので今回のイベントで早速に購入させて戴きました。
東海道本線に乗って一路、横濱へ。
近郊電車はボックス席に座るのが私のコダワリ。一寸した移動も旅情を愉しみたいのです。
窓臺には山形縣を旅行した際に入手した「ペットボトルにカポっとハマるコップ」を装着せる驛の自販機で購入したジュースを置いておきます。
これだけでも上質な移動時間を演出々來るのです。
今日のモノクラス制が導入されてより久しいのですが敢えて言うなれば、ロングシートが3等車、ボックス席が2等車、グリーン車が1等車と申しましょうか。同じ列車でも、より實りあるご乗車を心掛けたいものです。
我々小市民の移動手段は殊に冷遇されており、何かと別料金を求められる今日ではございますが、このボックス席が数少ない良心の様にも思えます。
さてこうして首都圏より電車で約40分程、横浜驛で乗り換えの後、関内驛で下車致します。
折しも春としては少々時期外れの氷雨の降る一日だったのですが、久々に番傘の出番が廻って來ました。これを持ち乍らの撮影。
どうしてものぼりが反對を向いてしまい、且つ傍には煙草をのんでいるオッサンが居たのでこれで精一杯です。
玄關の硝子に寫ってしまったものを氣にしてはいけない。
會場は私の豫想を超えた大賑わいでございました。
人が寫ってしまうので撮影は致しませんでしたが色々な出店があり、見ているだけでも樂しいものでした。
そして遂に目當てのいろは様のお店を訪ねます。
様々な布地で作られた品物は大人氣。澤山の人が集まっています。
遠巻きに順番を待っておりましたが漸くの事でご本人にお會いする事が出來ました。
久々の横濱界隈でございまして、この日は和装で出掛けておりました。
誰が見ても私だと一目で解る服装です。
洋服が絶望的に似合わない私にとって、これが最大限のお洒落なのです。
例のポケットティッシュケースの件をお傳えしてから憚り乍ら「いつもnoteでお世話になっております。私が「くつろぎぶた」でございます」と名乗らせて戴きました。
お忙しい中にも關わらず満面の笑顔でお喜びになってくださり、とても嬉しかったです。私もお會い出來てよかったです。
ご丁寧に品物についてご説明戴きましたが、どれもミリキ的な色合いのものばかり。
暫し品定めを致しまして一つ「カッチョいいポケットティッシュケース」を購入致しました。
表地は光澤のある黒、裏地が千鳥模様と氣に入った一品が見附かりました。
言われる迄全然氣附かなかったのですが、白い糸が見えてしまっているとの事で、いさゝか價引してくださいましたが、こう云う品物の方が寧ろ個性的で愛着が持てます。
いろは様もお元氣そうなご様子。何よりでした。
お店を廻し、切り盛りされているご様子はとても素敵だったのであります。
その後は色々と他のお店を見物させて戴きましたが、この日は手作りのハンドクリームと黒豆ほうじ茶を購入、そして頸の周りに油を塗ってのマッサージを軆驗させて戴きました。
日頃より肩や首の凝りに悩まされている私はこの指圧の様なマッサージがかなり効いたらしく劇的に痛みが和らぎました。
こうしていろは様にご挨拶の後に會場を後に致しました私は折角なので周辺をブラブラしておりました。
番傘の油紙に滴る雨音に護謨の附いていない下駄の音が何とも小氣味好いものです。やはり和装はこうでなくてはなりますまい。
少々御腹が減ってきたのでレトロな喫茶店へ入ります。座るのは窓際の席。
こう云う場所にも着物はうってつけです。
愛用の電子煙管も今や和装に無くてはならない装備品です。
席に座って煙管の煙をのんでおりますと道行く人が時折こちらを見て行きますが氣にしてはいけません。
こう云う時程、泰然自若としていなければならないのです。
どんなピンチの時も絶對狼狽えない。そうよ、それが可憐なオトコのポリシィなのです。
外は雨降り。そんな様子を窓硝子から眺め乍らの少し遅めのランチは日常の中の非日常。
軒先のシェードを時折雨粒が落ちていき、店内はお洒落な音樂の流れる中、ゆっくりとポテトグラタンを戴きます。
食後に珈琲を戴きます。甘めのブレンド、角の取れた香りはまさに職人さんが淹れてくださる1杯です。
鳥渡御口を拭くのに早速、これが役に立ちました。
チリ紙を入れる背面に一寸した物が挿せるポケットが附いているのも便利な逸品です。
こう云う場面にこの品物は實によく合います。
さて、そうして電車に乗って地元に戻って參りましたが今日は實に樂しい一日でございました。
こう云う日は帰る前に一杯ひっかけていくものです。
近所に在る立ち呑み屋で千秋樂1日前の前樂の相撲を観乍ら奴と熱燗と細々した物で一杯。
先程の喫茶店とは打って変わった雰囲氣ですが、ここでも御手々を拭くのに袖口からサっと取り出して使います。
傍に居たおばあさんから「あら、粋ね。作ったの?」と言われました。
「いや、こう云うのを専門に扱っているトコロを知っておりましてね…」と少々得意氣に自慢します。
「カッチョいいポケットティッシュケース」は伊達じゃなかったのです。
折角だから梯子します。2軒目はナウい曲の流れるバーです。
ここでウヰスキーを傾け乍らひと時過ごします。
こう云う料理にチリ紙は欠かせません。
カウンターには勿論、この愛用の「カッチョいいポケットティッシュケース」を。
斯くはほろ酔い氣分で帰宅した頃には日が沈んでおりましたが、着物で出掛けると云うのはとても樂しい。
いや、樂しい以上にそれは、とっても大事な事だと思います。
そして何より、この日は初めてnoteのフォロワー様にお會い出來てとても良い一日だったのでありました。
これは出掛ける前に撮った一枚。
こう云うのを撮るのは意外に難しいものです。
後ろに何やらゴチャゴチャと寫り込んでおりますが氣にしてはいけません。
尚、末筆乍らこの度はいろは様に於かれましては色々とご厄介になり、ありがとうございました。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
創作活動を頑張ってください。應援しております。