名曲「糸」にみるキャリアと起業
中島みゆきさんの名曲「糸」は人と人との出逢い、恋愛だけではなく、キャリアや起業、人生のテーマにも通ずるのではないか。人は布の織り手であり、自身の物語の作者でもある。縦の糸と出逢い、布を織りなすことで「仕合わせ」と出逢えると思う。
「なぜめぐり逢うのか いつめぐり逢うのかを 私たちは知らない」
「どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語」が出逢う。
人は誰もが生きていくうえでテーマを持っていると思う。
ただ、そのこと自体が自覚されることは少ない。
生きていく中で、人は自分のキャリアや人生、進む方向に迷うことがある。
キャリアに悩んだり、起業のテーマに悩んだり、起業後の事業に悩んだり、ひとりで考え過ぎてわからなくなってしまった状態は、まるでこんがらがっった糸のようだ。
対話しながら、複雑に絡んだ糸をほぐしていくと、一本の糸になる。
この糸はその人が生きてきた歴史であり、そこに物語もテーマもある。
自身がもつ物語のテーマがわかると、自ずと人は自分の進む方向とやるべきことに気づく。
「縦の糸はあなた 横の糸は私」
この一本の糸が横の糸になり、世の中(どこかの、誰かの、潜在的に望んでいるもの)という縦の糸と出逢うとき、その人のキャリアや事業は布として織りなされていく。
縦の糸もひとつの歴史、物語である。
「なぜ生きてゆくのかを 迷った日の跡のささくれ」
「夢追いかけ走って ころんだ日の跡のささくれ」
「こんな糸がなんになるの 心許なくて」「風の中」震えることもある。
けれど、横の糸は縦の糸と出逢い、「織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない」し、「いつか誰かの傷をかばうかもしれない」。
縦の糸と横の糸。出逢うふたつの物語。
「逢うべき糸に 出逢えることを 人は仕合わせと呼」ぶのだろう。
混迷の時代に、望む仕事と仕合わせはそうして見つかるのではないだろうか?
歩く好奇心。ビジネス、起業、キャリアのコンサルタントが綴る雑感と臍曲がり視点の異論。