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競合の営業担当をしっていますか?ミクロ・マクロでの競合視点 #4

「競合の営業担当のことを知っていますでしょうか?」「競合の営業と打ち合わせをしたことあるでしょうか?」私は共にイエスです。今日はエンタープライズ(超大手)向けの営業で特に大事になる、競合視点についてお話したいと思います。

競合のセールスパーソンは知っていますか?

 私は現職のXenomaでも、前職でのAGCでも競合のセールスパーソンを知っています。
 何故競合のセールスパーソンを知ることが重要かというと、貴方が戦っている(競争している)のは、競合企業という曖昧はものではなく、競合のセールスパーソンだからです。
 AGC時の経験ですが、競合の営業パーソンはお客様の購買GMと関係性が深く、購買GMの依頼があれば必ず私が出した価格(値段)を下回る見積を出してくる人間だということが分かっていました。そこで私達のとった戦術は「自分たちから価格を出さない。競合のセールスパーソンが出した後、かつギリギリのタイミングで出す」「本気の価格を出す時には購買GMだけでなく、お客様の子会社社長なども巻き込み、ひっくり返されないようにする」です。
 このような戦術(対策)をとることができたのは、競合のセールスパーソンの性格と傾向を知っていたからです。
 私の話ではありませんが、競合のセールスパーソンが非常に優秀かつお客様との関係性が強かったため、まずは2番手を狙い(無理に1番手を狙わない)、その営業マンが異動したタイミングで攻勢をかけて、1番手のポジションをとったという話を聞いたことがあります。これも競合のセールスパーソンを知っていたからこそとれた戦術です。

競合と打ち合わせしたことはありますか?

 私はあります。個人的には協業と競合は紙一重だと感じています。
 例えば現職のXenomaでは、フィットネススタジオ向けにトレーニングを超効率化するEMSシステムの販売を行ったことがあるのですが、国内の殆どの競合と打ち合わせをしたことがあります。
 というのも競合は海外製品を輸入販売する会社であり、Xenomaのシステムに切り替えるという可能性もゼロでなかったためです。
 またXenomaのシステムはコロナ禍の中、オンラインでも利用できる開発を行っていたため、その部分だけでも利用・販売(購入)頂ける可能性がありました。そのようなこともあり、殆どの競合と打ち合わせを行った実績があります。
 XenomaだけでなくAGCの車載用カバーガラス時代もあり、本当に競合と協業は紙一重だと感じています。
 競合のセールスパーソンと最も関係が作りやすいのは展示会です。大概キーとなる展示会には競合含めて出展します。業界を盛り上げたいという気持ちは競合も一緒なので、積極的に挨拶して名刺交換しましょう。

競合のミクロな視点とマクロな視点

 これまでが競合のセールスパーソンを見るというミクロな競合視点でした。もう一つかかせないのがマクロな視点です。
 例えばお客様が集客を強化したいと考えており、自社が集客あるフィットネスコンテンツを販売する会社であった場合、競合はどこになるでしょうか?競合のフィットネスコンテンツ会社A社でしょうか?
 答えはA社であり、A社以外に集客強化するサービス、例えば広告会社なども競合になりえます。
 お客様は自社の目的・目標を達成することが大事であり、その手段は多く存在しえます。工場のコストダウンであれば、歩留まりを改善してもいいですし、部材の調達コストを下げてもいいわけです。
 こういった広い視点、マクロな意味での競合視点も忘れないようにしてください。
 ここからは少し細かい技術論ですが、ヒアリング時に「顧客が半年以内に導入しようとしている施策」をヒアリングするというのが重要と考えています。これがヒアリングできると、顧客課題の特定のみならず、顧客の選定基準やその裏にある背景を紐解くヒントになるからです。

まとめ

 ミクロな視点であなたが戦っているのは競合のセールスパーソンで、相手を知れば、対策を立てることができます。相対する相手が強すぎればその顧客の優先順位を下げる、価格で潜ってくるならば価格の先出しをしないなど、戦術が変わってきます。
 一方でマクロの視点では代替ソリューションを競合として意識することが大事です。例えば集客が課題ならば、目玉コンテンツの競合は広告になりえます。
 是非、マクロミクロの競合視点をもって仕事を進めてみてください!

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