数学ガール

どうして数学を勉強するの?

数学者は何を考えているの?

実数って何?

そう思いながら高校数学を勉強していました。学校の数学は定期テストは大丈夫、入試問題は怖い、という気持ちを抱いていました。数ってどこまであるんだろうと小さいときに考えてみたり、図形の角度を求めて何が嬉しいの?と思ってみたり、計算は時間がかかるし、間違えることもあるし、何この時間と思いながら計算し、

結局、

私にはたっぷり時間があって、暇だから数学しているのだ、

と思うようになりました。

しかし一方で、難しい複雑な方程式を扱う数学者や物理学者にとっての数学はどのようなものなのか、数学を好む人の気持ちはどのようなものなのか、どうして数学という学問が生まれ、数や考え方が拡張されていったのか、どのようにして解法を思いついたのか、数学が扱う分野や問題の広さ、数学史や哲学的な側面が気になってしまう自分がいました。

数学ガールを見つけたのは、数学って何よ、と思い図書館の数学の専門書が並ぶ場所に立ったときです。見た目が崇高な本がたくさん並び、数学ガールも崇高な本に感じました。最初のページには手紙のように、

あなたへ

とあり、目次を開くと、知っている数学用語(高校で習う)や知らない用語、気になる言葉、例えば

第2章 数式という名のラブレター

2.10 数式の向こうにいるのは、誰?

5.5 数学を勉強すること

などがありました。

さらーっと本をめくってみると、携帯小説のように横文字で、会話文も数式もある文章。1章をひっそり読み始めました。

初めて数学ガールを見つけた時に、すぐにそれを借りることはせず、代わりに数学ガールの秘密ノート 数列の広場 を借りました。ちょうど学校で習っていた単元だったからです。私はそのとき高校2年生でした。

数学ガールはいつか時間があるときに読もうと後回しにしました。

高校時代は受験期と重なりながらも、数学ガールの秘密ノートシリーズを読んで、数学へのモチベーションに繋げていました。当時は、何も考えず、ただ気分転換に読んでいただけです。数学ガールは、受験数学とは趣が異なる一般向けの数学書です。受験数学と重なるところもあったり、なかったり。。。私が数学ガールを読んでいたのは点数のためというよりも、娯楽、休憩のためでした。

そして、今年の春休み、ようやく数学ガールを買い、読み終わりました。読んでいてすぐに、高校の時、我慢せず読んだらよかったな、と感じました。私が高校生、受験生の時にもやもやと数学に対して思っていたことが、数学ガールの中にも挙がっていたのです。

テトラちゃんの素朴で素直な疑問、質問、

僕の数学への喜びや葛藤、

ミルカさん特有の世界

登場人物たちから学んだことも共感したことも多くありました。

誰かと話したいから数学する、勉強する、もありなのかな、と考えました。

一冊の本でうまく出てくる話がつながっている本は感動するものです。

数学ガールもその一冊です。

近所の図書館にも、本屋さんにも、大学の図書館にも生協にも、いたるところで数学ガール(シリーズ)が置いてあるので、また読みに行きます。

学校の数学は答えが必ずある問題を扱うけれど、正解がない問題の方が実生活や身の回りにあふれていて、それを解決するために人々は考えてきた。その中に数学もあった。

ある人にとっては、数学はクイズやパズルなどの娯楽、精神的支えなのかもしれないし、ある人にとっては世界を変えてしまうような強力な武器なのかもしれない。あるいは、数学は一つの表現方法、言葉なのかもしれない。はたまた、人々を突き動かしてきたもの、人類の頭脳、歴史であるのかもしれない。


私にとって、あなたにとっての数学は何ですか?


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