見出し画像

本物クリスマスツリーで溢れるアメリカの街

 私は2013年から7年間、アメリカ東部3都市で過ごした。文化の違いに日々目が覚めるような驚きと刺激を受けたが、今回はクリスマスまでの日常の刺激について語らせて頂けたらと思う。

マンハッタンに現れる本物クリスマスツリーの出店

 11月第4木曜日のThanksgiving (感謝祭)、翌日のBlack Friday (ブラックフライデー)が終わるとアメリカでは一気にクリスマスカラーに色付いていく。それは日本でも同じだが、私が驚いた点はマンハッタンの街中に本物のクリスマスツリーが売りに出されること。私は渡米直後はニューヨークマンハッタンで過ごしたのだが、日頃街中に並んでいる野菜や食事の屋台のように道端にクリスマスツリーの屋台が並び始める。中には2階の天井に届きそうな高さのツリーも売られている。マンハッタンなのでそんなに天井の高い一軒家はあまりなさそうなのだが、ビルの所有者なのかどんな家の人が購入するのか興味深い。


マンハッタンに現れる本物ツリーの屋台


歩道に所狭しと並べられている


 値段は店によって違うと思うが、人の背ほどの高さのツリーで$80以上はしていたと思う。ところがThanksgiving (感謝祭)の翌日から2日間だけ、Union square(ユニオンスクエア)のWhole Foods Market(ホールフーズマーケット)ではたったの$25で、しかももう$5払えば配達して貰えた(2014〜16年当時)。6 feetもあり、天井に届きそうなほどの高さで迫力がある。枝の張り方も豪華で迫力だ。そしていい香り!芳香剤で見かける「森の香り」はもみの木の香りを指すらしい。


ユニオンスクエアにあるホールフーズ。
ツリーを買うならサンクスギビング明けの週末がお勧めだ。


6 feetの高さがあるツリー。
本物は枝ぶりも香りも良い!


 ツリーを支える下のトレーには水を入れる。まだ水を吸うらしい。そのため購入時にもっと水を吸えるよう切り口をもう一度カットしてくれる。早く買いすぎると肝心のクリスマスの時には萎びて枝が垂れてしまい、ややお化けのようになってしまうのだ。

   そして世界一大きな本物クリスマスツリーで有名なロックフェラーセンター。ツリーの反対側にはプロジェクションマッピングもある。


天使が出迎えてくれるロックフェラーセンターのツリー


世界一のツリーを眺めながらアイススケーティング


本物ツリーと共にアイススケーティング

 さて、もし本物クリスマスツリーを眺めながらアイススケーティングを楽しみたいのであれば、ロックフェラーセンターも良いのだが狭くて料金が高いのでBryant Park(ブライアントパーク)がお薦めだ。


ブライアントパークのツリーも本物



ホリデーシーズンのみ屋台が沢山出ていて賑やか


 ブライアントパークはタイムズスクエアから徒歩5分ほどの好立地。無料でスケーティングができる。ただし貸し履代は当時で$20と高い。住んでいるのであれば購入した方がかなりお得だ。年が明けると混むので年内に行くと比較的並ばずに滑れる。

ブライアントパークでは子どもはこんなかわいい補助器具を
有料で貸りて練習出来る


ミシガンでは


 さて、所代わりミシガン。
ミシガンでは徒歩移動する人は殆どいないので道端に屋台はない。だが車内から1箇所だけ、教会の駐車場にツリーの出店が出ていた。ニュージャージー州では出店自体を見かけることが出来なかったので、街中がツリーの出店で溢れる光景はマンハッタンならではだったかもしれない。


教会の駐車に現れたツリーの出店。
まるでそこに生えているかのようなディスプレイ。


 配達はしてもらえない。そこでアメリカらしく、自家用車の屋根に乗せてもらう。くくりつけてもらった紐は細くて緩く、家がもう少し遠かったら落ちてしまっていたかもしれない。危なかった。
 ちなみにニューヨークでも出店で買うと配達はしてもらえないため、2人がかりで担いでツリーを運ぶ光景をよく見た。

 そしてクリスマスツリーにも種類がある。ニューヨークの時に買っていたツリーと比べると、ミシガンの出店で買ったツリーは少し触れただけで葉が一気に落ちる。葉色は少し薄めで好きな色だったが、散らかり過ぎるので翌年はHome depo(ホームデポ)というホームセンターで買うことにした。ここで、色々な種類のツリーがあることを知った。ニューヨークで買っていたツリーが葉が落ちづらく枝もよく広がって美しく好きだったので、同じ種類を買った。ニュージャージーでも購入先はホームデポだ。

クリスマスツリー狩り(!)

 そしてこの季節の風物詩がある。クリスマスツリー狩りだ。山に行き、自分で木を選んで切るのだ(これは場所によっては自分で切らずに選ぶだけかもしれないので事前に調べた方が良さそう)。興味深かったが、ニューヨーク時代は車も所有しておらずなくても安く買えて配達してもらえていたし、ミシガンは寒すぎる上雪道の運転をしたくなかったのでやめた。日本では聞いたことのない「クリスマスツリー狩り」という言葉の響き!ここまでしたらクリスマスが心底楽しめそうだ。


クリスマス当日から年越しまで

 12月25日のクリスマス当日。ニューヨークのある場所では屋台は消えてその場所にツリーが打ち捨てられていた。誰でも持っていける状態。全部の店がそうとは思わないが、そういう屋台もあった。ただ、チェーンソーで小さく切って持ち帰っている屋台も見かけたので、ただチェーンソーを取りに行っているだけだったかもしれない。

 アメリカでは大晦日のカウントダウンはあっても正月というものがないように思う。ツリーは1月初めまで飾られ、捨てる頃にはカラカラに乾いている。持ち上げるととても軽いし、身体に挿さる。捨てに行く道中は落ちた葉だらけ。もちろん掃除はしたのだが、コンシェルジュがいるマンション(それでも相場より安かった)に住んでいた時はスタッフから進んで掃除をしてくれた。ゴミ捨て場には山積みの乾き切ったツリー。
 そして1月2日から学校も仕事も始まり、日常に戻っていくのだ。


12月30日ロックフェラーセンターの写真。
クリスマスを過ぎても飾られている。


最後に

 日本ではなかなか経験できない本物クリスマスツリーのある光景。その枝ぶりの良さと香りはやはり本物ならでは。またあのツリーのある日常を全身で感じたい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?