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Software Design Engineer、Scrum Master を経て、ア…

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Software Design Engineer、Scrum Master を経て、アジャイルへの移行・開発プロセスの質の向上を軸に、ソフトウェアの開発現場を楽しくすることに挑戦。現在はDeveloper Relationsとしてソフトウェア開発現場の交流の場を作ることを挑戦中。

記事一覧

「アジャイル」投稿の雑感

さまざまなところで「アジャイル」のワードを目にするようになって久しい。ただその場合の「アジャイル」にはネガティブな思いが込められていることもある。 コミュニティ…

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1か月前

チームに"情報"はどこまで必要か

最近、自分の周りで情報についての議論を多く見るようになった。一般に、仕事のほとんどは情報を生み出し、また流通させることで達成される。それらの集団である「会社組織…

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2か月前

Outcomeと開発生産性

「完了」か、「完成」か もうずいぶん昔の話になる。Certified ScrumMasterのコースを受けたときに、Whyは大事だよという話を聞いた。その時はレンガ積みの話で、ただレン…

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3か月前
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リモートでも同期的に作業する

いわゆる、パンデミック期が終わって、もうすぐ1年になろうとしています。正確には昨年のGW明けがパンデミック期の終わりだったので、もう少しだけ時間がありますが。 パ…

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4か月前

Regional Scrum Gathering Tokyo 2024 #RSGT2024 に参加してきた

はい。参加してきました。今年も例年通りスタッフとして。赤いTシャツを着ていた一味のひとりとして。(赤被りしてたスポンサーさんもいらっしゃいましたね) 今年は全体…

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6か月前
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摩擦係数

僕たちは資本主義を肯定する社会で活動している。資本主義では、金を稼いだほうが"勝ち"の世界で、そのためにどれだけ労力をかけずに多くの利益を得るかが大事とされる。働…

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7か月前

オフラインで得られるもの、オフラインでしか得られないもの

「あの夜に会えたら」という作品がある。 仮想のラジオ番組「綾川千歳のオールナイトニッポンN(ニュー)」という番組の、初めてのラジオイベントでかつ、ラジオ最終回を、…

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8か月前
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フルリモートか全員出社か

こんにちは。あまり意識していなかったのですが、このブログ、ここ最近は1ヶ月に1回は記事を投稿できていたんですね。驚きました。 最近Xを見ていると、フルリモートか、…

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11か月前
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開発生産性と飛び交うキーワード

とてもいいスライドを見つけたので、社内のSlackに共有しました。 スライド自体は事例もあり、丁寧な解説もあり、参考資料として素晴らしいなと思いました。もっとも、最…

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1年前
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チームの条件

二人はペアで、三人はチーム、ということをよく言ったりしますが、チームには人数だけではない条件があるんだろうなということを考えることが多いです。それは、「成し遂げ…

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1年前

自分と自分の周りを少しずつ変えていく

とても古い話になりますが、僕が社会人になって、上京して、最初に感じたのは、"社会の疲労"でした。理由はわからないけど、みんな疲れている。もっと生活を楽しんでもいい…

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1年前

今年もRSGTに参加しました

今年の幕開けもRegional Scrum Gathering Tokyo (RSGT)でした。一年の始まりに、たくさんの人の試みを聴いて、自分が知らなかったことを発見したり、自分ができそうなこと…

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1年前
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ワンデイカンファレンスが貴重な交流場所になるかもしれない

明けましておめでとうございます。 本年もたくさん”遊んで”いきたいです。 仕事柄、なんとなく日本の技術イベントにアンテナを張っているので、365日の区切りということ…

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1年前
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2022年に読んだ本たち

どうやら年末だということなので、今年読んだ本でもまとめてみようと思います。本当に本を読まなくなりました。今年読んだ本一覧をまとめていたわけではなく抜け漏れとかあ…

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1年前
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XP祭り2022で出会った LifeHack Press

10月1日に開催されたXP祭り2022に参加しました。その基調講演で、KKDさんがお話しされました。今ではソフトウェア開発において、Scrumがメジャーになっているというか、「…

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1年前
6

"なんとなく""当たり前に"すすめられるアジャイルについて感じること

2016年にDeveloper Relationsという帽子を被るようになってから、6年近くが経ったらしい。その前は、同じ会社内で、アジャイルコーチという名前で、アジャイルを推進するこ…

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1年前

「アジャイル」投稿の雑感

さまざまなところで「アジャイル」のワードを目にするようになって久しい。ただその場合の「アジャイル」にはネガティブな思いが込められていることもある。
コミュニティではあまり感じないのだが、それ以外の場所、特にネットでの言及を見ていると、もっとfundamentalな部分を強く言及した方がよさそうだなと感じることがある。

プロダクトを作るという話題において、一般的には、
1. 商品企画
2. 量産

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チームに"情報"はどこまで必要か

最近、自分の周りで情報についての議論を多く見るようになった。一般に、仕事のほとんどは情報を生み出し、また流通させることで達成される。それらの集団である「会社組織」は、継続的に多くの情報が生み出され、流通している。おそらく、1日に会社組織が生み出す情報の量は、一人の従業員が消化するにはあまりにも大きな量だ。そのために、領域を区切ってそこに人やチームを配置する。これが、会社組織だ。

リモート化が流行

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Outcomeと開発生産性

Outcomeと開発生産性

「完了」か、「完成」か

もうずいぶん昔の話になる。Certified ScrumMasterのコースを受けたときに、Whyは大事だよという話を聞いた。その時はレンガ積みの話で、ただレンガを積む作業をするだけではなくて、「何を作るか」を知ることで、工夫がうまれやすくなるよねという話だったと記憶している。

ここでいうレンガを積む作業で大事なことは生産性で、それは時間あたりの積んだレンガの数で表現さ

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リモートでも同期的に作業する

いわゆる、パンデミック期が終わって、もうすぐ1年になろうとしています。正確には昨年のGW明けがパンデミック期の終わりだったので、もう少しだけ時間がありますが。

パンデミック期に流行った「リモートでの働き方」をやめたところもずいぶんあると聞いていますが、自分の環境は、基本リモート、時折オンサイトというハイブリッドな働き方をしています。もっとも、通勤ラッシュやら、オフィス街のランチタイムやらを極力避

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Regional Scrum Gathering Tokyo 2024 #RSGT2024 に参加してきた

はい。参加してきました。今年も例年通りスタッフとして。赤いTシャツを着ていた一味のひとりとして。(赤被りしてたスポンサーさんもいらっしゃいましたね)

今年は全体的に混雑が少なく、参加者自身が自律的に動いてくれていた、そういうイベントだったなと思います。パンデミックの後、オンラインが主体のイベントになっていましたが(これも参加者が自律的に動いた結果)、オンサイトの勢いみたいなものを強く感じました。

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摩擦係数

僕たちは資本主義を肯定する社会で活動している。資本主義では、金を稼いだほうが"勝ち"の世界で、そのためにどれだけ労力をかけずに多くの利益を得るかが大事とされる。働くことなく稼ぐことができればその方がいいのだ。
一方で、最近は利他的な考え方も大事とされる。自分の利益ではなく、周囲の人にどれだけの価値を提供できるか。この考え方は、最近のプロダクトマネジメントにもつながる。

その一方で、コミュニティや

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オフラインで得られるもの、オフラインでしか得られないもの

「あの夜に会えたら」という作品がある。
仮想のラジオ番組「綾川千歳のオールナイトニッポンN(ニュー)」という番組の、初めてのラジオイベントでかつ、ラジオ最終回を、国際フォーラムでやるという設定で、そのイベントの当日リハーサル(ゲネプロ)からをステージ、観客、控え室を使った裏動線でドラマや演劇をやりつつ、配信もするという、説明ができない作品だ。
観客席から見ていると、ステージで何かが行われている最中

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フルリモートか全員出社か

こんにちは。あまり意識していなかったのですが、このブログ、ここ最近は1ヶ月に1回は記事を投稿できていたんですね。驚きました。

最近Xを見ていると、フルリモートか、フルオフィスか、みたいな議論を見かけることがあります。感染症を要因とする制限がとれてきて、新しい当たり前を作り始める時期に差し掛かってきたってことでしょうか。

フルリモートであれば働く場所を、フルオフィスだったら職場にふさわしい身だし

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開発生産性と飛び交うキーワード

とてもいいスライドを見つけたので、社内のSlackに共有しました。

スライド自体は事例もあり、丁寧な解説もあり、参考資料として素晴らしいなと思いました。もっとも、最後に採用ページが載っているスライドを社内に展開するのはどうかと思うのですが。

そして、その時にスライドの紹介として書いたテキストがこちらでした。

この時に使った「開発生産性」という言葉、とても微妙だなと思ったのです。我ながら。

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チームの条件

二人はペアで、三人はチーム、ということをよく言ったりしますが、チームには人数だけではない条件があるんだろうなということを考えることが多いです。それは、「成し遂げたいものへの強い情熱」。

成し遂げたい強い情熱がある人が、実現したい夢を描き、そこに向かって強く進んでいく。そして、その夢に"共鳴"した人が、自分たちのスキル(労働力ではなく)でもってサポートする。その形がチームなのかもしれないなと考える

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自分と自分の周りを少しずつ変えていく

とても古い話になりますが、僕が社会人になって、上京して、最初に感じたのは、"社会の疲労"でした。理由はわからないけど、みんな疲れている。もっと生活を楽しんでもいいんじゃないかなと思ったんですよね。なので、働く環境をもっと良くしたい。無駄なことを省いて、そしてたくさんの価値を生み出せるようにしたい。

僕は幼い頃ファミコンをやって最後に出るクレジットを見るのが好きで、そこに出てくる「プログラマー」と

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今年もRSGTに参加しました

今年もRSGTに参加しました

今年の幕開けもRegional Scrum Gathering Tokyo (RSGT)でした。一年の始まりに、たくさんの人の試みを聴いて、自分が知らなかったことを発見したり、自分ができそうなことを探したりしながら2.5日間を過ごすことができて、たくさんのエネルギーを補充できたし、それと同時にたくさんの「宿題」を積み上げることができました。
一緒に参加していただいたみなさん、ありがとうございました

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ワンデイカンファレンスが貴重な交流場所になるかもしれない

明けましておめでとうございます。
本年もたくさん”遊んで”いきたいです。

仕事柄、なんとなく日本の技術イベントにアンテナを張っているので、365日の区切りということもあって、雑感をまとめることにします。

2022年の始まりはまだ感染症への警戒が強かったように記憶しています。波を乗り越えるたびに徐々にその警戒心も薄れていき、まずはコミュニティが主催するイベントから、オンサイト(In-person

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2022年に読んだ本たち

2022年に読んだ本たち

どうやら年末だということなので、今年読んだ本でもまとめてみようと思います。本当に本を読まなくなりました。今年読んだ本一覧をまとめていたわけではなく抜け漏れとかあると思うので、先に謝っておきます。

EMPORWERED
プロダクトオーナーというよりも、プロダクト開発を成し遂げたい人がどのように組織を作っていくか、そしてプロダクトを作っていくかがまとまっている。組織の話もしているので、組織のサイズを

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XP祭り2022で出会った LifeHack Press

10月1日に開催されたXP祭り2022に参加しました。その基調講演で、KKDさんがお話しされました。今ではソフトウェア開発において、Scrumがメジャーになっているというか、「スクラム開発」という言葉が生まれるくらい、当たり前にやるものとして認識されているように感じますが、その前にはXPのブームがありました。2011年ごろは、XPの幻滅期みたいなムードがあって、Scrumやアジャイルの話をすると、

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"なんとなく""当たり前に"すすめられるアジャイルについて感じること

2016年にDeveloper Relationsという帽子を被るようになってから、6年近くが経ったらしい。その前は、同じ会社内で、アジャイルコーチという名前で、アジャイルを推進することをしていた。"アジャイルコーチ"を名乗ったのは、他に周りに伝わる適切な用語がなかったから。

アジャイル開発(当時はスクラムをベースにしていた)を社内に紹介し、やってみたいというチームがいたら、そこに出向き、進め方

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