XP祭り2022で出会った LifeHack Press

10月1日に開催されたXP祭り2022に参加しました。その基調講演で、KKDさんがお話しされました。今ではソフトウェア開発において、Scrumがメジャーになっているというか、「スクラム開発」という言葉が生まれるくらい、当たり前にやるものとして認識されているように感じますが、その前にはXPのブームがありました。2011年ごろは、XPの幻滅期みたいなムードがあって、Scrumやアジャイルの話をすると、ちょっと表情が曇るみたいなエンジニアもいたのを思い出します。

KKDさんはその最初のXPのブーム以前の話から、アジャイルコミュニティの歴史をKKDさん主観で語っていただきました。詳細はKKDさんのブログや動画を見ていただければと思います。

原点に立ち返ることで、何気なく見ていたものの価値が見えてきたりするので、こういう話はとても好きです。そして、その価値が未来に伝達されることで新しいものが生まれるのだと思います。

その中で、LifeHack Pressが紹介されていました。2006年に出版されたこの本はすでに絶版になっていると聞きます。

当時、ライフハックという用語はすでに"うさんくさい"雰囲気を纏っていましたが、この本に参加された田口さんの記事で、GTD(Getting Things Done)を知りました。(田口さんはその後GTDを提唱したDavid Allenの本を翻訳出版されています)

新しい情報が来たら一旦決まった場所に入れる、一定の間隔でその場所をレビューする、やるべきことは一箇所にまとめる、といった習慣は、GTDで知りいまだに続けています。その中で出会った「毎日習慣にしたいことは今日やらなくても、また明日から始めればいい」というスタンスは、自分の中でとても大事にしています。

LifeHack Pressという本では、Rhodiaの存在も知りましたし、ペンと一緒に持ち歩き、何かを思いついたらメモをするなんてこともやっていた時期もあります。そういう意味では自分の今の習慣を作り上げたマイルストーンみたいな本で、その本とXPの文脈で出会うとは思ってなかったので、とても驚きました。

最近出版された「エンジニアリングマネージャーのしごと」に紹介されているinbox zero(受信箱ゼロ)は、この頃ライフハックの世界で提唱された習慣のひとつです。

別の文脈として捉えていたものがひとつに交わる瞬間は、面白い体験でした。

XP祭りは、他のイベントと被ってしまって、参加できなかったものも多いのですが、参加者向けにオンデマンド動画が公開されているので、ゆっくり楽しもうと思います。

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