自分と自分の周りを少しずつ変えていく

とても古い話になりますが、僕が社会人になって、上京して、最初に感じたのは、"社会の疲労"でした。理由はわからないけど、みんな疲れている。もっと生活を楽しんでもいいんじゃないかなと思ったんですよね。なので、働く環境をもっと良くしたい。無駄なことを省いて、そしてたくさんの価値を生み出せるようにしたい。

僕は幼い頃ファミコンをやって最後に出るクレジットを見るのが好きで、そこに出てくる「プログラマー」というのに憧れて、ソフトウェアエンジニアになることにしました。タイミングよく、近くに情報工学を専門に教えてくれる大学があり、そこに入ることができて、そして運よくエンジニアになることができました。そこでの経験が「働く環境をもっと良くしたい」という感情につながったんですよね。

「働く環境」っていうと労働組合とかそういうのを思い浮かぶ人もいると思うんですが、周りをHackしていくことのほうが自分には有益のように思いました。ライフハックなんて言葉を目にするようになったのもこの頃です。まず自分の仕事のやり方をHackして、GTDとかを始めた頃に、アジャイルに出会いました。実は大学で開発プロセスというものを勉強していて、最初に入った会社でも、当時は工場系の文化から、開発プロセスの残り香がとても強くて。シックスシグマとか呼ばれているやつを見かけた気もします。ただ、当時は自分の仕事を覚えることに必死だったし、会社が大きすぎて、何から始めればいいかわからなかったし、どこに向かえばいいかもわからなかったんですよね。

その後事業系の会社に移籍したのですが、そこでたまたまScrumに出会うことになります。小さい会社だったのもあって、たまたま機会もあり、初めてコーチからScrumを学ぶこともできましたし、ScrumMasterとして経験を積むことができました。CSMのセミナーを最初に受けたのもこの頃です。

その後大きい会社に移籍したんですが、その頃にはすっかりアジャイルなリズムでないと働けない身体になっていたので、せっかくならアジャイルをみんなにやってもらいたいなと思いました。その時にはアジャイルをソフトウェアエンジニアが働く環境を変える大きなパラダイムと捉えていたのかもしれません。一緒に踊ってくれる仲間もいたので、何から始めればいいかも、どう進めればいいかもわかっていました。
進めているうちに、アジャイルの本もたくさん出るようになりました。周りの変化を感じたのは「アジャイルサムライ」と「Scrum Boot Camp the book」でした。そして、会社自体も変化の時を迎え、マネジメントの方法が大きく変わりました。

その頃かな、開発者体験という言葉を知ることになったのは。自分がやりたいことが開発者体験の向上だと説明できるようになったのもこの頃です。ついさっき、たまたま見つけた資料は素晴らしいものだと思います。

開発者体験のためには、開発者自身が学び続けなければならない。その情報は、常に開発者コミュニティの中にあって、学ぶためには、そことつながる、そこに参加することがとても大事だなというのは、アジャイルの中で体感として学んできたことでもありました。

自分は今、Developer Relationsという帽子をかぶっています。コミュニティとつながるのは開発者自身ですが、そのためのサポートが必要だったら、いつでも手を差し伸べることができるはずと考えています。開発者の2番目に踊る人でありたい、常にそう考えています。


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