摩擦係数

僕たちは資本主義を肯定する社会で活動している。資本主義では、金を稼いだほうが"勝ち"の世界で、そのためにどれだけ労力をかけずに多くの利益を得るかが大事とされる。働くことなく稼ぐことができればその方がいいのだ。
一方で、最近は利他的な考え方も大事とされる。自分の利益ではなく、周囲の人にどれだけの価値を提供できるか。この考え方は、最近のプロダクトマネジメントにもつながる。

その一方で、コミュニティやギャザリング、人と人のつながりの中には、資本主義とは正反対とも言っていいマインドがある。エンジニアコミュニティでは、それぞれの経験と知見を持ち寄って共有し、「明日」の資本主義の現場をよりよく過ごすための知見を蓄積している。
サッカーの世界では、サッカークラブは地域コミュニティが運営するものとされている。

サッカークラブが強くなるためには多くの金額が必要になるし、エンジニアコミュニティが大きなイベントを開こうとすると同じようにお金がいる。そのために賛同してくれる企業にスポンサーになってもらうことになる。そして、このコミュニティと資本主義の接点は時折摩擦を発生させる。

Developer Relationsをやったり、サッカーのサポーターをやってたりすると、ちょうど境目にいるせいか、こういう摩擦に時折遭遇する。特に日本の場合、欧州的価値観と米国的価値観が混ざりやすい「第三国」であるからこそ、摩擦が起きやすいのではないかと思う。

答えはない。その場で起こる議論によって「いいアンバイ」が生まれ、そこに落ち着くしかないのだろうと思う。

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