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時々、ワクワクを送る。

地方移住して遠くに住んでいる両親に、時々、小包を送っている。

今回は、セールで手に入れたスニーカー。
自分用に買ったらとても歩きやすかったので、両親のぶんも追加で購入した。
軽くてクッション性があり、デザインもシンプル。
これなら、七十代の父と母が履いてもおかしくないだろう。

荷物には毎回、田舎では売っていないようなものを一緒に入れることにしている。
無印良品のレトルトカレー、とらやの羊羹、銀座あけぼののお煎餅。
ちょっといい値段のあたりめと鮭とば。
父にはこれまたセール品だったスポーツブランドのTシャツ、
母には肌ざわりが良さそうな秋物ブラウスを買った。
新聞に載っていたシニア向け筋トレの記事もついでに入れる。

箱を開けていろいろなものが出てきたら、楽しんでくれるんじゃないか。
そう思い、いつもあれこれ入れたくなるのだが、
モノを増やさずに暮らしている二人なので、選び方がなかなか難しい。

でも、毎日が日曜日のようなおだやかな両親の生活に、
時々ちょっとした刺激やワクワクを届けることも、
離れて暮らす娘の役割かなと思う。
それに、荷造りをしながら私自身も少し楽しい気分にさせてもらっている。

海と山と空だけのあの小さな町で、父と母はどんな顔で荷物を開けるだろう。
おそろいのスニーカーをすぐ履くだろうか、もったいないと言うだろうか。
二人であれこれ言いながら喜んでくれるなら、それが一番うれしい。
本当は、直接会いに行くのが一番なのはわかっている。
けれど、こんな形でつながっているのもまた、うちの家族らしいとも思うのだ。

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