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沖縄の幸せおすそわけフード 「ムーチー」

先日つぶやきでアップしましたが、沖縄には一月頃に健康・長寿を祈って、葉っぱに包まれたお餅をみんなで食べる習慣があります。

そのお餅を「ムーチー」といいます。
ムーチーを用意して食べること自体を表現したりします。ムーチーとは、名詞であり、動詞でもある。
(使用例   「今年はムーチーする?」 「そろそろムーチーだね~」)

特に、小さい子供がいる家庭では大切にされている習慣で、子供の健やかな成長を願って「ムーチー」をします。

0歳の子供がいる家では「初ムーチー(はちむーちー)」という普通よりも大きいムーチーを作って、家族や親戚、ご近所さんにお配りします。
まさに幸せのお裾分け。いい風習だな。

なぜ、健康を願ってお餅を食べるのか。
こんな昔話に由来するそうです。

沖縄にとある兄妹が住んでいました。
あるとき、兄は妹と離れたところに移り住み、なぜか夜な夜な家畜や人間を襲う「鬼」になってしまいました。
何とかしないと行けないと考えた妹は、兄を崖に呼び出し、鉄の入ったお餅を差し入れし、食べさせました。
鬼(兄)が固くてかみ切れないと戸惑っている間に、妹が崖に落とし鬼退治。村に再び平和が訪れました。
この出来事が旧暦の12月8日(今の暦では1月頃)で、その日を厄払いとして、餅を作り食べるようになりました。
https://okinawan.jp/minwa/minwa011.htm

主な材料は、もち粉。
もち米を乾燥させて粉にしたものです。

ムーチーは白(プレーン)、黒糖、紫いも味が基本です。
今回は黒糖味をつくるので、粉の沖縄黒糖ときび砂糖を用意。

お買い物シールがついたままで失礼


ムーチーを包むのは「月桃(げっとう)」という葉っぱです。
道ばたに自生していたり、家庭で栽培されていて沖縄では身近な植物。
鼻の奥につーんと届くスパイシーな香り。
葉に含まれる精油成分に、抗菌・防腐作用があるので、中に包んだお餅を長持ちさせる効果があります。

父が孫のためにと、たくさん用意してくれました
(ただいま実家に帰省中)


今回、母に教わりながらムーチー作りに挑戦です♪
母の頭の中のレシピを書き起こしました。

材料
・もち粉 …600g
・沖縄黒糖…150g
・きび砂糖…30g 
・水…500ml (もち粉の商品、湿度によって前後する)

作り方
①黒糖はだまになっていれば手でつぶしておく。きび砂糖と混ぜておく。
②もち粉をボウルに出して、水を加える。水は最初に半量くらい入れて、少しずつ加えて耳たぶくらいの固さに調整してもち生地をつくる。
③もち生地に①の砂糖を混ぜる。
④月桃の葉の裏に整形したもちを入れて、包む。
⑤蒸し器に並べて、20~25分間蒸す。


S・M・Lの3サイズ
黒糖はダマを無くしておくと、なめらかなもち生地になるそうです
やわらかい甘さを出すためにきび砂糖を足す
市販のムーチーでは白砂糖を使うことが多いそう
水量は製品やその日の天候によって違ってくるので
少しずつ加えて調整する。
目指すは耳たぶの固さ(これが意外と難しい)
ちょっとゆるめ
この時点で味見をしても、結構おいしい
葉の裏に成形したもち生地をのせる
折って、くるんで、紐でむすぶ
(新聞紙がたくさん。実家あるある)
蒸し器にならべる。2段重ねはOK。それ以上だと火のとおりにむらが出てしまうそう。

蒸しまーす
並べて冷ます
できたてはあちこーこーでとってもおいしい

月桃の葉の香りたちこめる中、いただきます。
黒糖の優しい甘さ、舌にのる柔らかい餅。

ムーチーの味だなぁ。この味は唯一無二。

「ちょうどいい甘さ」
「葉っぱからの餅の離れ方が絶妙」と家族に好評でした。

水の量が多かったのか、生地はゆるいような気がしました。それで形はいびつになってしまったので、次回の課題です。

昔々、わたしが幼かった頃。
ムーチーは家族総出の一大イベントでした。
おばあちゃんが指揮をとり、大きなボウルをいくつもつかいムーチーを作ったものです。
母に聞くと、当時は300個ほど作るという気合の入れよう。ご近所さんにもたくさんお裾分けしていたみたい。

そういうのいいなぁ。神戸でもできたらいいなぁ。

歳の数をつるすのが昔ながらの風習。
今回は17歳ということで❤︎
月桃の抗菌効果で、沖縄の気温で3日は持つ。

翌日のうちに姉家族、叔母夫婦にお裾分け。
喜んでくれました。
すぐに食べられない時は冷凍すると、1ヶ月ほど持つようです。電子レンジでチンすると、トロトロムーチーが蘇ります。

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