【前編】電解プラントの法人営業ってどんな仕事?
こんにちは!ティッセンクルップ・ニューセラです。
今回はグローバルに活躍している、営業部 部長の金さんに営業部の仕事について話を聞きました!
Q: 入社前の経歴をお願いします。
私は2018年8月に当社に入社して6年目になります。
化学品の営業としてのキャリアは、日本の総合商社の韓国支店で化学本部に配属されたことから始まりました。
その後、家族の事情もあり海外での仕事を探していたところ、2008年に韓国の大手化学品会社の日本駐在の職を得ました。その会社の主力製品であったポリシリコン(半導体や太陽光電池の材料)は、製造されるとすぐに売り切れになってしまう位の売り手市場でしたが、中国企業の参入による製品価格の下落など、世界の市場環境が激変する時期でした。
一方2011年東日本大震災の際には、半導体用の過酸化水素メーカーの工場が被害を受けて、日本国内の過酸化水素の供給不足でパニックになったときに、当時自社の過酸化水素を日本にもって来て緊急供給するなどとても緊迫した日々を過ごしたこともあり、今思えばかなりダイナミックな時期だったと言えますね。
その後韓国に帰任する話が出たのですが、子供が既に日本で育っていることもあり、韓国に戻らず日本で仕事を探すことになりました。その後半導体用のポリシリコンの販売代理店をしていた米系企業の日本法人を経て、ティッセンクルップ・ニューセラに入社しました。
偶然にも前職の同僚がティッセンクルップ系列の企業で働いていたことからこのグループに興味を持っていた時に、ティッセンクルップ・ニューセラで営業職を募集していたのです。
Q: 当社に入社して最初はアフターセールスに配属だったのですね。
入社後3年間はアフターセールス所属でした。アフターセールスは主に当社が納入済みのプラント向けにメンテナンスサービスやスペアパーツを提供する仕事です。アフターセールス部門はとても忙しい部門でしたが、お客様へのメンテナンスサービスの提供やトラブルの解決など、お客様に満足いただけるやりがいのある仕事でした。2020年からはCOVID19の影響で全面在宅勤務や出張禁止の時期が2年くらい続いて、お客様もサービス部門の部員もとてもつらい時期がありましたが、営業部門の組織変更に伴い、2021年に新規設備の営業部に転部することになりました。
アフターセールスでは、当社の主力製品である電解槽の仕組みなどを学ぶことができ、それが今の営業活動に役立っています。
Q : 営業の仕事はどんな仕事?
営業は主に2つあります。1.塩素や苛性ソーダを製造するクロールアルカリ電解プラント新設の提案をする営業 2.既設の旧式電解プラントの最新電解プラントへの転換や増設を提案する営業です。
Q: こちらから積極的にお客様に営業をしているんですか?
もちろん投資の可能性のあるお客様には積極的に営業をかけていきます。ただ、お客様からの依頼もあります。例えば当社の電解槽を納入して数十年経過した際に、新しい技術への転換を提案します。既設プラントの技術転換を希望して当社の技術と機器を使いたい場合は、当社に直接依頼が来ます。
新設プラント案件は入札扱いになることが多いです。ほとんどのケースで競合がいるので、お客様が要求する前提条件に合わせて、当社の技術にするとどのようなメリットがあるのかを積極的に説明します。
Q: 出張の頻度、出張先について
現状は月一回程度です。出張の理由としては主に3つあり、1.提案営業や価格交渉など案件に関する出張 2.お客様への定期訪問 3.外部・内部のカンファレンスなどの参加です。
Q: 出張先はどこの国?
出張先は基本韓国、台湾、東南アジアが多いです。あとはカンファレンスの参加で他のアジア諸国に出張したり、ドイツ技術の案件対応でドイツに行くこともあります。逆にお客様の来日時は、当社の製造拠点がある岡山にお連れしたりすることもあります。
案件にもよりますが、技術的な提案や商務的な話が必要な場合は、エンジニアや商務関係の方も同行して出張します。
Q: 1日の仕事の流れは?
営業部の仕事は、社内調整と社外の営業活動がメインになります。
営業は、グローバル営業会議や、日本法人内の営業会議などといった定例会議が頻繁に開催されるので、都度案件やお客様の動向をチェックして、会議資料を更新しています。拠点とは、各国の事業計画などの情報交換を定期的にしています。
外部的には、お客様や案件状況を把握して対応していく必要があります。プロポーザルがあれば、見積もりの準備やコストの更新などをします。プロポーザルが走っていると関係部署との会議が多く、部門間の協力が必要な場面が多いので、毎日忙しいです。各部門と会議をして必要な対応を取っていかなければならないので。
Q: プロポーザル対応の他に営業としての仕事はありますか?
化学情報誌をこまめにチェックして化学品業界の状況を把握したり、拠点との情報共有も仕事のひとつです。市場の変化だったり、新しい国策であったりと、何か新規案件に繋がる情報があるときには各拠点の営業担当者に依頼して、詳細を調べてもらうこともあります。
Q: 営業はデスクワークが多いですか?
時差の関係もあるのでリアルタイムで会議ができる時間帯は会議、それができない時はメールでやりとりをします。割合的にはメールが多いです。今はどちらかというとプロポーザルのための社内コミュニケーションの方が活発かもしれません。
最後まで読んで頂きありがとうございました!次回は後編をお届けします。