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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#タイル

算数タイルの活用

「これからの算数・数学指導にタイルを!」 幼児の算数、小学算数、そして中学の数学の指導に、私はかれこれ40年ほどタイルという教具を使っています。これは、水道方式(分析総合法)という考えが基になっています。子ども達に対する学習指導法には、算数だけでなく、国語や理科、社会にも様々な指導法が存在します。水道方式(算数)、一読総合法(国語)、仮説実験授業(ほぼ全教科に可能)等々。ここにあげた指導法は、自分自身の授業の基本となっているものばかりで、その考え方は制作している教材にも生か

思考が停止する子ども達

「学習中の独り言は…」 酷暑の中の夏期講習もいよいよ大詰めです。私は算数・数学の担当です、教室は冷房が効いている良いのですが、扇風機だけだっらと思うとぞっとします。この暑さでは脳も思考停止をしてしまうでしょう。新指導要領が展開されてから、学力遅滞、昔言われた「落ちこぼれ」について問題提起をしてきました。やはり、20年前の小学生と比較し、文章問題などの理解力、発想力は間違いなく低下しています。今、私の手元にある文章問題の資料は、1970年代後半のものです。中学入試に向けて文章

一枚のプリントから

「集中力・巧緻性・思考力そして…」 年長の夏期講習で使用している教材の中に、弊社オリジナルの「タイルさんすう」がある。その名の通り、タイル学習を基礎から学ぶことができる教材だ。全ての教材に言えることだが、特に、こうした一見単純そうに見える教材の扱い方で先生の指導力を見ることが出来る。また、幼児教育では大きな差となって表れてしまう。プリントをただこなす先生は、問題の分析だけでなく、学習を支える総合的な能力にまで目が行かないのだろう。そして、「簡単すぎる、これで何の力を養ってい

イメージと理解

今日2回目の更新です。 これからの学習で、子ども達に必要とされる「問題解決能力」を養うためには、刺激や繰り返しだけでなく、学ぶ内容のイメージが重要となります。算数では、何かと数字中心に指導が進みますが、数字に至る手前の具体的思考と、具体的思考に至るまでの学習の導入が重要になります。 算数指導(?)でよく見られる数え主義と呼ばれる、指を折って数を数える指導では、小数・分数、掛け算・割り算などで躓く原因ともなっています。当初は速いのですが、問題の内容が次第に複雑になるにつけ、

障がい者教育

「教育の捉え方」 今日から、心を切り替え心新たにブログを更新していきます。 ホームページでタイル指導の動画を配信してから、タイル教材の注文が急増した。その殆どが、脳障がいを持たれたお子さん用に購入されている。幼児教育と障がい者教育は、互いに基礎教育であることが共通している。また、言語発達の未熟な幼児と、同じく言語理解が難しい障がい(脳障がいと言っても様々だが)者では、両者において言語理解に未発達な部分では、やはり共通した基礎指導が必要であることも見逃せない。このことは何を

見直される算数指導

「タイル学習」 最近、連日全国からタイルのご注文や問い合わせを頂きます。殆どの方が、私どもの動画映像をご覧になってのご注文です。やはり、指導の仕方や、タイルの応用がご理解頂けると指導もし易いと思われます。タイル指導は、指導対象が幼児から中学生までと幅が広く、昨日も解説させて頂いたように、小学生低学年で指導される、タイルを使った2桁の掛け算ですが、そのタイルとタイル図がそのまま式の展開と因数分解に応用できるのです。中学の教科書もタイルを模した図が使われています。しかし、タイル

「分析総合」算数指導

「算数指導を考える」 昨日は、文章問題の分析で、加法までお伝えしました。さて今日は減法、引き算です。減法の文章問題には足し算以上に様々な要素が加わっており、子ども達が文章問題に苦手意識を持つ一番大きな要因となっています。保護者の方から引き算の文章問題に関する質問が多いことからでも、子ども達がかなり苦戦していることがわかります。引き算の文章問題の基本は残りを求める問題で「求残」と呼ばれる問題です。「残る」この言葉の持つイメージや、実際の体験が文章問題を解くための大きなヒントに

「分析総合」算数指導

「算数指導を考える」 今年に入り、弊社が開発した「算数タイル」の問い合わせとご注文が増えています。たぶん、YouTubeにタイル指導の動画を多数アップしたことで、タイル指導の様々な活用をお知りになったからだと思います。 特徴的なのは、近くにタイル指導をしてくれる幼児教室がなく、家庭で指導するという目的で購入されるケースが目立ち、更に、指導の対象が3歳前後と低年齢であることです。学力重視の時代に対応するするため、低年齢からの指導が重要視されてきています。特に信頼と実績のある

算数の得意な子に!

「これからの時代に」 時代の変化と共に、教育への要求も変化してきます。算数教育は、認知心理学の多重知性論の中で「論理数学的知性」として位置づけられ、思考力を必要とする論理性を求められています。考える力は、抽象思考の前に具体的思考が大切で、それは、昨日も申し上げたように、具体的な経験や体験が必要になります。 具体的な経験や体験では、まず料理を上げましたが、買い物も大切な体験的学習になります。以前にも申し上げたように、「選択」をさせることで必然的に思考させる場が作られます。金

思考の整理

「教材開発は知識の整理」 昨年制作した「タイルさんすう」の引き算編を望まれる声が多く寄せられ、現在作成中です。昨年から、教材の整備と新たな制作に没頭していますが、教材製作は悩むことが多く、その為に、授業の一部をさせて貰っています。教材製作には、子ども達から学べる授業が一番です。子どもの見方、考え方、とらえ方、何に興味を持つのか、そして現代っ子の特徴を探ります。彼らの授業中の姿に教材開発のヒントが沢山隠されています。 タイル指導は、私がある幼児教育の教務の責任者をしていた時

水道方式の復活

「数指導→算数指導→数学指導」 「算数の探検」という本がクローズアップされている。水道方式は、それまでの数え主義という算数指導に一石を投じた。この本は、その水道方式を内容毎に幾つかに分けまとめた本だ。それまでの指導法では、幼児から小学生、そして中学生とステップアップしていく指導に一貫性がなかった。また、水道方式は、算数:数学という論理的学習の特徴を活かし、「分析総合法」という考え方で臨んだ画期的な指導法だった。この指導の産みの親である遠山啓先生は既にお亡くなりになったが、私

誤った認識が…「独り言」

年末も押し迫り、今日のクリスマスが過ぎると、日本国中新年への準備に入る。しかし、年々、日本の正月の風情がなくなって来ていることが寂しい。今年は、後半から教育界に学習の低年齢化の波が押し寄せてきた。中高生から指導に力を入れ初めても遅い、というのが大方の見方であり、実感である。算数という学習で、子ども達の状況分析をすると、やはり小数・分数での躓きが目に付く。特に、計算では、数の概念に問題を抱える子が多くいる。 今月初めに行われたプリンスジュニア新越谷校のセミナーで、タイルを使用

思考力を鍛える「数・算数」

「計算:図形:量と測定」 数・算数学習の中で、計算指導に暗記学習=記憶学習があるとお伝えしました。これは、タイルという具体的に計算指導ができる教具が無い時代が長く続いたことが原因としてあげられます。また、我が国では「そろばん」という計算に便利な道具がありました。また効率的な学習をと考える人は「電卓があるじゃないか」と言い切ります。そろばんはともかく、電卓を持ち出されると、計算指導は電卓の機能説明となってしまいます。考えなければならないのは、計算だけが算数や数学指導ではないと

タイル指導の強化

文部科学省は、20年度から、中学校の英語を原則として英語で行う方針を決めました。英語の必要性については今更確認する必要はありません。日本人の英語力の無さは、この間行われてきた受験に問題があります。筆記で合否を決定してきたので、話すこと、聞くことは英語授業の基本ではありませんでした。つまり、高校や大学に入るためのテストであり、そのテスト自体も、会話力など特に求めてはいませんでした。文科省の教育改革は、今後来年に掛けて更に加速していくと思われます。 英語同様、算数・数学の授業も