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「分析総合」算数指導

「算数指導を考える」

今年に入り、弊社が開発した「算数タイル」の問い合わせとご注文が増えています。たぶん、YouTubeにタイル指導の動画を多数アップしたことで、タイル指導の様々な活用をお知りになったからだと思います。

特徴的なのは、近くにタイル指導をしてくれる幼児教室がなく、家庭で指導するという目的で購入されるケースが目立ち、更に、指導の対象が3歳前後と低年齢であることです。学力重視の時代に対応するするため、低年齢からの指導が重要視されてきています。特に信頼と実績のあるタイル指導で学んできた保護者が、次は我が子にという例は珍しくありません。

石川メソッドで行われる幼児期の数指導は、スパイラル学習ですすめられていきます。例えば、大小比較であれば、問題数の違い、大小から大中小とレベルアップ、具体→半抽象→抽象と、同じ概念でも繰り返しレベルアップするカリキュラムになっています。この指導法により、年齢が上がるにつれ、知能の向上がはかられ、更に問題理解が深まることになります。数字の導入までは、大小比較→多少比較→同数比較という段階を踏み指導が行われます。数の要素である「具体物」「数字」「数詞」の三者関係を徹底的に指導するのですが、この課程で、タイルの導入も行われます。こうして、数字の持つ意味、量を基礎から学ぶことで、数の応用がgひろがっていきます。幼児期の数指導で大切なのが、「数を量として捉える」ことと、先ほどの「数の三者関係」、そして、計算に必要な「数の合成分解」です。数指導と平行して行われるのが、加法や減法に関する「ことばの置き換え」です。数指導はその後の算数指導へと導かれなければなりません。数の学習は抽象化の学習と言えます。数字や記号を使い、解法の考え方を式で表すからです。その為に、「+」「ー」の記号に変化することばを理解する必要があります。擬態的な生活の中にある、「+」や「ー」を意味する沢山のことば、ここでも語彙数の重要性が見え隠れします。

長い時間を掛けて、数字の持つ意味を理解すると、次に子ども達は計算の概念を学びます。ここで重要な視点が「分析総合法」です。子ども達が行う計算を分析します。加法/減法の計算を見ていくと次のように分析されます。

  1. 計算は、0~9まで、10の数字の組み合わせ

  2. 1桁の加法の組み合わせは100問ある

  3. 加法は、繰り上がりなし、繰り上がり有りの2通りに分けられる

  4. 加法の繰り上がりなしの1桁計算は55問ある

  5. 加法の繰り上がり有りの1桁計算は45問ある

  6. 減法は、繰り下がり有り、繰り下がりなしの2通りに分けられる

  7. 減法の繰り下がりなしの1桁計算は55問ある

  8. 減法の繰り下がり有りの2桁ー1桁計算は45問ある

これらが、0~9の数字の組み合わせによる加減の基礎計算となります。この基礎計算100問ずつを「素課程」と呼んでいます。この素過程を組み合わせていくと、2桁・3桁の計算となります。つまり、どんなに多くの計算であっても、基礎は0~9までの数字の組み合わせと言うことになります。素過程の計算練習は加減100問ずつあります。高学年でも使用できる「チャレンジ500」はこの加減乗除の素過程をまとめた計算練習帳です。基礎計算を振り返り学習する時間があまりない高学年や中学生に対し、これから始まる春期講習などで毎日行うのは、この計算が全ても計算の要の部分だからです。私の教室では、小中学生の人気教材の一つになっています。

分析は更に進みます。子ども達にとって、計算はとても大切なのですが、算数は計算だけではありません。子ども達にとって難しい文章問題があります。このブログでは今まで何度も取り上げてきましたが、計算については様々な分析や指導法が考えられています。しかし、石川メソッドでは、文章題の分析にも力を入れています。文章問題の概念としては、加法は2通り考えられます。一つは、今ある量を合わせる「合併」という考え方です。もう一つは、今ある量に対し新たに加える「添加」もしくは増えるという意味の「増加」です。ある意味、時間差のある問題と言えます。この考え方は、旅人算などのイメージに繋がるものです。減法は加法以上に難しい内容が含まれてきます。続きは、明日。

2014/3/23


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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