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Bhinneka Tunggal Ika

突然ですが、インドネシア国民が信じているお化け、その名もTuyul(トゥユール)。
お金やモノを盗む、盗人赤ちゃん。

インドネシアではお金やモノがなくなると、「Tuyulが出たんだね」と言われること多々。Tuyulがお金をとったと、大人もみーんな本気で信じる。

【Tuyul確保!と大ニュースになった時】

いやいや…と思うけど、「Tuyul確保!」とか、インドネシアでは真面目にTVで放送されたりしてる。

【ジャカルタ新聞】

----Tuyulは自分の意思で盗みはせず、人間との契約によって盗みをするから、「金持ちになりたい時にはTuyulに依頼を持ちかければいい」なんて真顔で言われる。

逆にTuyulにお金を盗まれたくなかったら、家のドアの後ろに、カニ2匹&水を入れた壺を置いとけば大丈夫。壷の中のカニと遊ぶのが大好きなTuyulは、楽しくなって、お金を盗むことを忘れちゃうんだって。

かわいいじゃないか。

【盗人お化けTuyul様、笑】

Tuyulとレンのシルエットが何だかちょっと似てて笑えるなぁと思ってたら、この間子ども達に「ノゾミってWewe Gombelに少し似てる!」と言われた。

Wewe Gombelって何だろう?と、ネット検索したら…、え。これ!?私に似てるの?笑。

【Wewe Gombelさん】

Wewe Gombel(ウェウェゴンベル)は子どもを誘拐するお化け。おっぱいが異様に長いのが特徴。

不妊理由で旦那さんに見捨てられ、悲しみに包まれ自殺。成仏できず、子どもが諦めきれず、お化けになって子どもを誘拐するようになったとか。

でも、Wewe Gombelが誘拐する子ども達はみーんな、両親から虐待されたりネグレクトされてる子たち。誘拐後、子ども達を愛情を込めて育て、その子達の両親が悔い改めた頃に、両親のもとに子どもを返すんだって。

お化けによる慈善活動!!

(ねぇ、私に似てるの?)

そしてお化けと言えば、私の中で大ヒットしたのが、Pocong(ポチョン)の存在。

ジャワ島に古くから伝わる、死者の魂のお化け。墓場から飛び出すように出没し、頭と足を縛られてるからキョンシーみたいにピョンピョン飛び跳ねながら移動するのが特徴。

2年くらい前、コロナpandemic中にみんなが外出しないよう、Pocongに変装した警察&ボランティアの若者が道端に待機するようになった(下記写真)。

これにみんなが本気でビビって家を出なくなった(効果てきめん)というニュース見て、ゲラゲラ笑った。

(どう考えても怖くないよねw)

なんだけど、「いやいや、ポチョンはまじでヤバイから。下手したらコロナより恐いから」と、ローカルみんな(大人達)に真顔で怒られたのが懐かしい。

そんなこんなで、多くのインドネシア人は「お化け」を心底信じてる。

というか、お化けだけでなく、「諸霊、精霊、神様」といった「目に見えないもの」の存在を誰もが信じてる。

さらには信じてるだけじゃなく、そういった目に見えないものとの「共生や共存」を大事にし、すべてと「調和」しながら生きてるんだよね。

例えば、バリ島は人口の約80%がバリヒンズー教徒なんだけど、バリヒンズー教の哲学は「トリ・ヒタ・カラナ」。神様・人間・自然の3つが調和して平和に共存する、という意味。
この哲学をみんなが心に持ってるのがすごく素敵だなぁと日々思う。

バリ人は島のあちこちに諸霊・諸神が宿っていると考えてるから、朝「今日も1日安全を保障してね」とお供え物と共にお願いをし、夕方は「ありがとう」とお供え物と共にお礼をする。

バリ島に旅行したことある人なら、このお供え物(チャナン)がホテルの敷地内やお寺や道端など、至る所に置かれてあるのを目にしたことあるんじゃないかな。

バリ人家庭では、1日にこのチャナンを50個くらい作るんだって!

【バリヒンズー教のお供え物、チャナン】

1万3千以上の島々が存在し、人口は約2億6千万人(世界第4位)なインドネシア。
何と300以上の民族が暮らし、インドネシア語以外に民族語は国内に700以上存在する。らしい。

だからバリヒンズー教だけでなく、多宗教&多民族なインドネシア人の間で、寛容で調和のとれた社会生活は、日常で当たり前のこと。

国には「Bhinneka Tunggal Ika」=「多様性の共存」という国家スローガンがあるくらい。

自分と常識や価値観が大きく異なる人に出会っても頭ごなしに否定はせず、各々のあるがままをを受け入れ認め、大切にする土壌がすごくいいなぁと思う。

(レンは3ヶ月になりました)

さて。
昨日お誕生日を迎え、新たに歳を1つ重ねました。

お誕生日が嬉しくて浮かれてたら、道端でガソリン切れちゃって、仕方なくバイク押しながら歩くハメに。けど通りすがりのおじちゃんが「俺のバイクにつかまれ」って、ガソリンスタンドまで引きずってくれた。
こういうとこ、本当に愛すべきインドネシア。

84歳のおばあちゃんには「若いっていいわねぇ。私も若いつもりでいたけど、そろそろ人生の折り返し地点だわね」と言われる。折返し…。
80代でこれから復路が始まるなら、私なんてまだ人生始まったばかりみたいなもんだよね、笑。

今年はより自然の流れに身を委ね、あるがままを味わい楽しみながら、自分の人生を彩っていけたらいいな。

神様やお化け、自然や人間…、色んなものと調和しながら、寛容に平和に、人生謳歌していこうと思います。

Cheers to another birthday and to savouring all the moments. Let's celebrate life.


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