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「平成ガメラ」三部作展のプチ見所を語る


はじめに



 現在、東京タワー地下1階にて「特撮のDNA/平成ガメラ3部作展 東京タワーにギャオス飛来!」なる展示会が開催されている。
 約一年前に「平成ガメラ」シリーズ三部作を初鑑賞し虜になった俺にとって、これはまたとない機会…!酷暑の中、俺は日傘を片手に東京タワーへと繰り出した。

東京タワーの脚元には「とうふ屋うかい」のお店。ここのお豆腐、まろやかで美味しいです。



 本展示会では、平成ガメラ三部作──即ち「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)・「ガメラ2  レギオン襲来」(1996)・「ガメラ3  邪神 イリス覚醒」(1999)の撮影で使用された“本物”のクリーチャー達、三部作を通じて“特技監督”を務めた樋口真嗣氏による多数のアートワーク、そして作中の世界観を再現した大規模なミニチュアセット…といった貴重な資料が展示されている(いずれも写真撮影OK)。



 生物標本のような小道具が展示された会場は、さながら科学博物館の生物展示の様な雰囲気だった。場内の雰囲気を味わっていただくため、見応えのあった展示物の写真を少しだけ載せておく。

東京タワーに棲まうギャオスと対峙するガメラの影。隣のガメラ像に上手いこと照明を当ててくれている絶好のフォトスポット。一眼レフを持参しなかったことを後悔。


ガメラvsイリスの再現セット。生物感溢れるガメラに対して、ヒーローにも怪獣にもロボットにも見えるイリスの異質さが際立つ。


イリスの頭部。一見鋭い眼光を放っている様に見えるが、よく見ると眼球が存在しない…!オレンジ色の球体を囲む外骨格が眼を模していたことに、この展示を見て初めて気が付いた。


 さて、これらの展示物は見応えがあって当然のもの…。本来であれば俺がわざわざ解説するまでもない。
 本稿で紹介したいのは、個人的に気になりつつもサラッと流されてしまいそうな展示物──いわば“プチ見所”である。備忘録も兼ねて、以下にほんの少しだけ紹介しておきたい。


プチ見所1:台本表紙の落書き



 「ガメラ1」台本上部に描かれた、古代インド風な世界観?をイメージしたと思われる落書き(本編とは無関係である)。ガメラ…というかカメさん、そしてゾウさんが可愛らしい。うっかり誰の台本か失念してしまった(写真も取り忘れてしまった)が、確か樋口真嗣氏のものであったと記憶している。


プチ見所2:“ガメラ造型部”のちりとり



場内の床に非常にそっけなく展示されていた、「ガメラ造型部」のちりとり。側面にはおどろおどろしい落書きが…。
 スーツやミニチュアを造り出す際、そして撮影後の跡片付けの際にはさぞかし大量のゴミが出たことだろう。しからば、掃除用具は現場に欠かせない存在だったはずだ。
 それにしても、日本中ありとあらゆる場所で見かける“緑のちりとり”が展示物となっているこの状況、妙に面白い。


プチ見所3:すっかり気の抜けたようなガメラ


「ガメラ2」にて使用されたスーツ。“プチ見所”と呼ぶには大物すぎるかもしれないが、凝視すると妙にシュールなスタイルだと感じたので紹介しておきたい。
 このスタイルもよく考えたら納得。人が入っていない上に吊られて展示されているので、妙にフニャッとした体勢をとっていたのであった。
 当然触れることは叶わなかったものの、触らずとも厚みと重みを感じるスーツ…。この装甲を身に纏って演技をしたスーツアクターの方の苦労が偲ばれる。


最後に



 今日のように“怪獣映画”に大掛かりなCGを多様できぬ1990年代…。そんな時代に、異形の存在をホンモノに見せようとした試行錯誤と努力、そして遊び心の結晶を存分に楽しむことができる、非常に楽しい展示会であった。
 会場内写真はまだまだ何十枚もあるのだが、全てを紹介してしまうのは野暮かつ説明過多になってしまうので、是非とも公式サイト或いは現物をご覧になって頂きたい。



 展示会は8月28日まで開催される予定である。「平成ガメラ」を見ておらずとも、「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」で特撮文化、或いは樋口真嗣監督に興味を持った方は、この機会にぜひ足を運ばれてはいかがだろうか。


※以下、「平成ガメラ」について述べた過去記事です。


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