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ビジネスホテルで自分と向き合う




珍しく出張があり、昨日ビジネスホテルに泊まっていた。

入室してすぐシャワーを浴び、雨と汗に蝕まれた身体を清める。
白衣のようなガウンを羽織り、セミダブルのベッドに大の字になって飛び込む。
余った枕をひとつ抱き、握ったり引っ掻いたりして遊んでみる。
至福の時間だ。これ以上何もしたくない。




ビジネスホテルに泊まった際の、不思議な開放感と高揚感が好きだ。
身の回りにあるのは最低限の設備──冷蔵庫・テレビ・ベッド・シャワー・トイレだけ。お気に入りの小説やDVD等に囲まれた自室と違って、ここには俺を構成する私物が何もない。
まるで自分が自分でなくなった気分だ。もしこの場所で私物とともに記憶を無くしたら、俺は元の俺に戻れないかもしれない。




好きなモノ達から離れるのは寂しい。
寂しいが、その感情を解放感と高揚感──すなわち素の自分に出会えた喜びが塗り替えていく。
この感覚(錯覚?)がたまらなく好きなのだ。




改めて湯船に浸かってみたり、「NHK WORLD-JAPAN」にチャンネルを合わせて海外旅行気分を味わってみたり。
本当は他にも色々楽しみたかったけれど、結局すぐに眠ってしまった。
勿体無いことをしたな。




ああ、実に名残惜しい。
本当は一週間くらい、そのまま泊まってダラリと過ごしたかった。




※サムネイル画像はイメージです。実際の場所とは異なります。

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