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「あらいぐまラスカル」が実話だと知った




前置き ラスカルブームと可愛さの秘訣


 「あらいぐまラスカル」が、東京オリンピック・スケボー競技の影響で脚光を浴びつつある。理由については皆様ご存知だと思われるので本稿では述べない。

 かつて放送されていたアニメは一般常識として知っていた。“マスコット版ラスカル”についてもLINEスタンプなどで目にする機会が多い。「初音ミク」「鬼滅の刃」「ヒプノシスマイク」など様々な人気作品とコラボをする、さながら“ご当地キティちゃん”のような立ち位置のキャラクター…という認識を俺は持っている。



 そんな彼のグッズを見てみると、これが確かにめちゃくちゃ可愛い。スポーツをしたりお喋りをしたり洗濯をしたり(流石あらいぐま)。どの仕草も非常に愛らしい。


 以前「Suicaのペンギン」作者さかざきちはる氏の著書『いきものとイラスト』を紹介した際、さかざき氏が動物の擬人化キャラクターを描く際の定義を引用したことがある。

 その定義はこうだ。
1、二足歩行。 2、生活を楽しむ。 3、しゃべる。

 マスコット版ラスカルは見事にこの三要素を兼ね備えている。こちらはさかざき氏がデザインしたものではないが、キャラクターの魅力と可愛さの本質が非常に似通っていると感じる。Suicaのペンギン同様、多くの人が虜になるのもうなずける。今更ながら、俺もその一人になってしまった。




本題 実話だったラスカル




 さて、本題に入りたい。
 ラスカルフィーバーにつられて「あらいぐまラスカル」公式サイトを見ていた俺は、衝撃的な文言に出くわすこととなった。

 原作『はるかなるわがラスカル』は、著者スターリング・ノースが実際に体験した出来事です。ノースの自然や動物たちへの愛情や、20世紀初頭の等身大のアメリカを、アニメーションのスタッフがていねいに映し出しました。
 <ラスカル>がそっと教えてくれたこと-いまの子どもたち、そしてかつて子どもだったすべての大人たちへ、今だからこそ見て欲しいアニメーションです。

あらいぐまラスカル 公式サイトより引用




 “実際に体験した出来事”
 …実際の体験?マジで?
 Wikipediaにも以下のように書かれていた。


 原作はアメリカの作家・スターリング・ノースが1963年に発表した、自らの少年時代を回想した小説『はるかなるわがラスカル』(Rascal)。同作品はダットン動物文学賞、アメリカ図書館協会オーリアンヌ賞を受賞し、本作品に先駆けて1969年に映画化もされている。
 本作品では主人公である11歳の少年、スターリング・ノースとあらいぐまの「ラスカル」の友情を主軸に据えつつ、そのラスカルとの出会いから別れまでの1年間にわたって、20世紀前半(原作では1918年 - 1919年)のアメリカ農村地域・ウィスコンシン州を背景に、同時代の少年の日常を牧歌的に・または淡々と描写している。また同時に動物と人間との共存の難しさを、成長したラスカルを通して描いている。

Wikipediaより引用


 アニメ化する以前に原作があったのだろう…とは思っていたが、まさか実話だったなんて。ラスカルも実在の動物だったのか。いや、これは“ラスカルリアルタイム世代”の方には常識的な知識で、単に俺が無知だっただけかもしれない。


 今まではさほど原作への興味が無かったが、実話ベースの物語だと思うとたちまち興味が湧いてきた。もちろん先に述べたように物語性を持たない“マスコット版ラスカル”も魅力的だが、原作・アニメでは人間と野生動物の“相入れなさ”が真摯に描かれているらしい。大人の俺が見ても、示唆に富む内容であることは間違いなさそうだ。

 しかし残念なことに、原作本『はるかなるわがラスカル」は現在絶版となっているようだ。Amazonを見ても古本しか確認できない。かつて2004年に再版されたことがあるそうだが、調べた限りではあまり出回っていないらしい。WEB上でも再版を望む声が多くみられる。
 ぜひこのラスカルブーム、そしてスケボーを楽しむラスカルのイラストを描いた方の脅威的なフットワークの軽さに乗っかって、再版・増刷を願いたいものである。



※追記
2021/08/24
2007年に出版された再版本の第二版を購入しました。書評はこちらです。



余談


 ラスカル公式サイトを見て、驚いたことがもう一つある。
 アニメスタッフの脅威的な豪華さだ。

絵コンテ: とみの喜幸、池野文雄、森 光、斉藤 博、御厨恭輔ほか 
作画: 宮崎 駿小田部羊一、篠原征子、富沢信雄、前田英美、坂巻貞彦ほか

あらいぐまラスカル 公式サイトより引用


 “とみの喜幸”とは「ガンダム」「イデオン」などの産みの親:富野由悠季監督。現在最新作「劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ(第三部)」も公開中の、まだまだ現役第一線な強者じーさん。

小田部羊一氏「マリオ」「ゼルダ」「ポケモン(アニメ)」など任天堂作品と関わりが深く、奥様がアニメを題材にしたNHK朝ドラ「なつぞら」主人公のモデルとなってたことでも有名だ(夫役が小田部氏をモデルにしているのかどうかは未見なので不明)。

 宮崎駿監督については言うまでもないだろう。

 …どんだけ豪華なアニメだったんだ、ラスカル。





 また1969年の実写版はディズニーが手掛けていたとのこと。残念ながら現在の日本で本作を観るには、海外版ソフトを入手するしかないようだ。リージョンロック等の問題があるので、ぜひともディズニー+で配信してくれないだろうか。

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サムネイル画像はこちらより引用しました。

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