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なゆた
2023年6月22日 07:31
数日後。燈郎は仕事を終え、自宅に戻ると、真巳から燈郎に電話があった。「今、市営体育館にいる。兄貴ごめん。バッシュ忘れたから、持って来てくれないかな。」「えっ。」「雨も降ってきたし迎えに来て欲しい。」「帰ってきたばっかなんだけど。」「二つも理由がるんだから、お願いします。」「ん。わかった。」バッシュを持って車で迎えに行った。体育館に着いた。コートを覗く。弟の栄成大学の男子バスケ
2023年6月19日 08:02
「びしょ濡れじゃないですか。」髪がガタガタに切られてる事に気づいた。「ポニーテールなんですね。」「バスケの時はポニーテールなんです。」「そうなんですか。弟もバスケやってますよ。今日は練習ですか。」「練習というか引退式。でも、しんみりしたりしない、楽しい引退式でした。」「その話をしながら店に、傘を取りに行きませんか。」「そう、傘ですよ。」目を、まあるくした。足を美容院の方に向けて、
2023年6月18日 06:56
翌日から、家でも学校でも、髪を一つにまとめた。もちろん綺麗に切れてないからだ。下の方で結んでいた。大学は試験期間。友達の美琴は言う。「試験でも気合い入れる時は一つ縛り?」試験が終わると、部活の引退式があった。とはいえ、4年でも練習に来たい先輩は、練習に参加してもいい、という伝統があった。なので、涙のお別れ会と云う風ではなかった。最後にレクリエーションとして4年生全員対1.2.3
2023年6月16日 08:10
おじさんから、もらった傘を使う事なく梅雨は明けた。試合が近づいてきて練習を毎日していた。キャプテンとして考えなけえばいけない事も山ほどあった。髪を切る時間もなく試合当日を迎えた。しっかりポニーテールを高い位置に結び、気をひきしめた。いよいよ相橋総区決勝戦を迎えた。優勝したい。いのりは髪を試合毎に結び直してきた。試合での、いのりは、いつものように強気だった。「絶対ここは抜い
2023年6月2日 08:00
いのりは、普段学校では髪をおろしていて、艶々とした黒髪は変わらなかった。バスケになるとポニーテールにして、気合いをいれた。親友の美琴の言うようにバスケの時は人が変わった。自信に満ち溢れ攻撃的であった。ドリブルシュートのフォームは美しく伸びやかでしなやか、ディフェンスは、まるでステップを踏んでるようだった。それはバレエをしているかのよう。大学3年になるとキャプテンになり皆の憧れの的とな