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韓国の夏、おいしいもの。ミニトマトの梅エキス漬け

 7月中旬から韓国全土のコロナ感染者が急激に増えたため、この夏は全く手伝いに行けなくなってしまった義両親の畑。

 桃(복숭아)、杏(살구)、ネクタリン(천도복숭아)といった果物や、トマト(토마토)、ナス(가지)、トウモロコシ(찰옥수수)などの夏野菜が次々と育ち、「とても2人では食べきれない」ということで、数週にわたり、畑直送の果物や野菜が何箱も送られてきた。 

 大量に届いた桃は、残念ながら固くて甘みが少なくかった。常温で何日か追熟したら甘くなるかもと期待したのだが、あまり変化がない。義母は「固いのがおいしいんだよ。冷蔵庫に入れておきなさい」と言うのだが、日本で軟らかく甘い桃しか食べたことのなかった私には、「固くて甘くない桃を食べる」というのが少々受け入れがたく、悩んだ末、砂糖を加えて桃ジャムを作ることにした。...が、面倒なので冷蔵庫の奥深くでまだ眠らせている。

 これまた大量に届いたミニトマト(방울토마토)は、そのまま食卓に出しても一向に減らないし、わが家の2歳児も全く食べないので、トマトソースを作って冷凍することにした。

 作り方は、今の私―――海外での初育児に疲れ気味+長引くコロナストレス+初老を目前にして体力と気力が急低下中―――でもあっという間にできてしまうくらい簡単だ。

 大きめの鍋にたっぷりのオリーブオイルと、きれいに洗ったミニトマトを入れ、蓋をして中火にかける。煮立ってしばらくしたらトマトを軽く潰し、またしばらく蒸し煮。程よく煮詰まってきたら火を止め、冷ましてから保存袋に入れて冷凍する。以上!

 その日の気分次第で、塩やニンニクを一緒に入れることもあるし、時間に余裕があれば、先に玉ねぎのみじん切りをよく炒め、そこへミニトマトを投入して煮詰めることもある。私は面倒だからしないけれど、気になる人は皮を湯むきしてもいい。

 ミニトマトではなく大きなトマトの場合、トマトを一口大に切って作るとあっという間に煮詰めることができる。とにかく、ここまでやっておけば、トマト煮込みやパスタを作る時、解凍してすぐに使えるのでとっても便利なのだ。

 さて、こうしてトマトソースを作ってもまだ大量に残っているミニトマトたちをどうするか?その時ふと思い浮かんだのが、ミニトマトの梅エキス漬け(방울토마토 매실절임)だった。

 数年前、知人から手作りしたものをいただき、「なんじゃこりゃー!」とそのおいしさに度肝を抜かれ(←大げさ)、すぐさまレシピを教えてもらった私。ところが、そのレシピをどこに書き残したかの記憶がない…!そこで、韓国語で検索したいくつかのレシピと自分の舌を頼りに、とっても適当に、感動の味を再現してみたのだった。

 材料は、ミニトマト、梅エキス、はちみつ、ローズマリー。

〈補足〉梅エキスは韓国で手作りしたり売られている調味料で、日本だと「梅シロップ」に近い感じ?韓国では同量の梅と砂糖を100日くらい漬けてから使うけれど、日本のレシピは1か月くらいと短めに書いていますね。

 作り方は、①ミニトマトの皮を湯むきする。②消毒済みの保存瓶に、キッチンタオルで水気を切ったミニトマトとローズマリーを入れる。③トマトがしっかり浸かる量の梅エキスを入れる。④甘くしたい場合ははちみつを入れる。④室温で3~4時間置いた後、冷蔵庫で1日冷やすと食べごろに。

 韓国語で検索したレシピには、はちみつを入れずにレモンを入れたり、ローズマリーの代わりにタイムを入れているものもあった。去年作った時は乾燥ローズマリーを使ったのだが、今年はベランダのプランターでローズマリーを育てているので、フレッシュなものを使ってみた。ハーブがなければ入れなくても大丈夫。でも入れると香りが豊かに、より爽やかになる。

 さあ、今年の味はいかに?!作った翌日、期待を胸に一口食べると...うむ、ちょっと酸っぱい。そこでハチミツを入れ、また少し寝かせてみた。

すると、今度はなかなかいい感じ!軟らかなトマトの果肉にまろやかな酸味と甘さのエキスがしっかりと染みわたり、ミニトマトというより、ちょっと手の込んだ果物が主役のスイーツを食べているような感覚。作って2週間ほど経つ今も、毎日前菜がわりに、食後の口直しに、夜食の代わりに、ちびちびと味わっている。

 でもさすがに夏だし、自家製ということもあって消費期限が気になり始めたので、一気に消費できる方法はないかと考えてみた。そこで思いついたのが、炭酸水で割ってドリンクにしてしまうこと。

 ワイングラスにミニトマトをいくつか入れ、そこへエキスを多めに注ぎ、冷やした炭酸水を入れてできあがり!あっという間に、のどごしスッキリの甘酸っぱいドリンクが完成した。

 この夏はいろんなことに疲れ果て、出前やテイクアウトのお世話になることも多かったのだけど、そんな日が続くと、四十を目前にした私の胃腸は、すぐ調子が悪くなってしまうのですねえ。今年は人生二度目の逆流性食道炎にもなっちゃったし(涙)。

しかーし。そんなボロッとした身体にこのドリンクをぐいっと流し込むと、あら不思議。みるみるやる気と元気がわいてくるではありませんか~!すごいね、ミニトマトの梅エキス漬け。季節はすでに立秋を迎え、夏から秋へ移り変わろうとしていますが、みなさまもどうかご自愛ください。

★梅エキスについては、過去記事「韓国の初夏、梅しごと」を参照

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