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韓国流の人付き合い

 昨年の終わりにTwitterをやめ、Instagramも見る回数を減らし、よく見ていたブログアプリもスマホから削除したら、目にする情報量が一気に減りました。会ったこともないのに知り合いのように思っていた人たちの近況が途端にわからなくなり、ネット上で話題になっていることや、人々の関心事もさっぱり。今まで自分がどれだけSNSに頼って生活していたのか、じわじわと思い知る毎日です。

 でも、良いこともありました。スマホを見る時間が減ったからか、目が疲れにくい。それから、見知らぬ誰かの近況や、必要としていない物の広告を目にする機会がぐっと減り、知らぬ間にたまりがちだったストレスが軽減されました。

 今、家と職場と保育園、たまにスーパーや公園に行くだけの毎日を過ごす私には、昔からの友人知人と会う機会はおろか、新しい人と知り合う機会もほぼありません。移住前は、自ら西へ東へと動き回っていた私の性格上、韓国での暮らしは寂しさを感じる日々でもありました。だからSNSを通じて人とつながれることは楽しくもあり、世界が広がるようでもあり、ありがたいものでもあった。それは確かです。

だけど、外から次々とやってくる刺激を減らし、寂しさに浸って暮らすというのも、悪くないものです。誰かと久々に再会できた時の喜びは倍になりますし、同じような寂しさを味わってきた人と出会えれば、よき親友になれるかもしれません。

私は今年、寂しさを逆手にとって、自分のことにもっと集中しようとしています。実際には、家のことや仕事、子どものことが中心で、自分のために割ける時間はほとんどありませんが、それでも意識は「自分に集中」。SNSを通して、会ったこともない誰かの日常に思いをはせ、指を加えて見ているだけだったその時間を自分のために使うことにしたのです。そしたら、結構楽しい。楽しくなると、同じような趣味や関心を持つ人たちに出会いたくなります。なので今年は、本当にそうできるかは謎ですが、自分の好きなことを通して、新しい人たちや仲間に出会っていけたらいいなと思っています。

というわけで、今回はこんなエッセイを書きました。アメリカから戻ってきた韓国人女性たちの話を聞いて、考えたことをあれこれと。


WEBマガジン『Stay Salty』不定期連載エッセイ
ーオンマと呼ばれる日々ー

第8回『韓国流の人付き合い』


文章を書く時も、今年は自分が慣れ親しんできた型や枠をこえて、もっといろんな表現ができるよう、試行錯誤する年にしたいです。

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