個人を守るために必要な支援と対策 第3章:多様性の進まない社会 ①

現在、日本においてはさまざまな価値観を持っている人が同じ社会の中で暮らしている。

 しかし、多様性(=ダイバーシティ構想)の認知が進んでも制度設計などは既存のまま変更されないなど表面的な部分に関しては変わってきたが、社会制度など社会で共存するために必要な部分は変わっていかない。

 その結果、社会における立場がかなり複雑化していき、現代社会に適応している人だけがさまざまな支援や権利などを行使出来ているという矛盾点がかなり多くなってきている。

 そのため、就労に関してもかなり個人差が顕著になり、場合によっては就労困難になり、引きこもりになってしまうなど生活に支障を来す事態に発展しており、社会との繋がっているという意識が薄れるなど個人の孤立を生むことも多い。

 また、企業においてもこれらの対応を進めなくてはいけないのだが、社会的理解が進まないことも影響し、社会的な立場においてかなり肩身の狭い思いをすることになるのだ。

 そして、多様性が進むと組織型の人と個人型の人に自然に分かれていき、これらの二極化が社会において個別イメージの構築が難しくなり、個人の価値観が社会と乖離していると企業などからも相手にされないなど社会的に難しい立ち位置を迫られるのだ。

 そのような人たちが活躍出来るフィールドはかなり少なく、個人で太刀打ち出来るような状態ではない部分も多い。

 ただ、そのような人たちは社会経験においてもかなり辛い経験や扱いをされてきていることも多く、これらの心理状態が社会に対する対抗心のような感情に繋がる事は言うまでもないだろう。

 私もかなり個性的だったこともあり、社会に対してなかなか適応出来ず、孤立していく日々が続いた。

 今も価値観が合わないことも多く、自分の感情を壊して、社会参加をすることも多い。

 私は多様性を進める事は問題ないと思うが、このような人たちの間で実際に起きている課題をどのように解決するのか、どのように支援し、自立させるのかをきちんと明確にする事が必要だと考えている。

 なぜなら、このような人たちは社会から孤立する可能性が高く、社会的信用も構築出来るのはわずかという事だ。

 特に、組織などに就職したものの、不当な扱いを受けたことで社会から追放されてしまったなど社会から価値観が異なっている人を排除し、類似する、容認出来る人だけが社会において生きていく権利を有するという事態にもなりかねない。

 これでは社会は変わっていかないし、そういう人を受け入れる事が難しいのなら海外に優秀な人材が流出してしまっても文句や批判は言ってはいけないだろう。


現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。