第1章:現在の判断は正しいのか ⑧
現在はこのような雇用などがあまり表面化する事はないため、実際に発生している件数の実数把握が難しいのだが、このような状況に追い込まれてしまい、転職先や再就職先が決まらないことで自殺未遂や犯罪行為に手を染めるという最悪の結果を招いてしまうことも相当数報告されていることから、このような課題を企業だけが抱え込むのではなく、社会全体もしくは同業他社などからも支援体制が組めるようにする事も大事だろう。
その理由として、現在は“人手不足”に悩む企業や“人材不足”に悩む企業など企業ごとに事情は異なっているのだが、これらの事情に対する課題をどのように解決していくかが難しい状態になっていることから、これらの課題を早急に解決するために企業間連携を強化することやこれまでは認められてこなかった“同業間の就業”に関しても企業の“不正競争防止法”に抵触しない範囲で認めるなど“企業の潰し合い”を行うのではなく、どのように業界内の競争力を高めていけるのか、業界における人材確保につなげていくのかという育成領域よりも定着領域の関係性を示していくことが必要だろう。
その上、現在は多くの企業が同業間の転職を禁止していることから、1度業界を離れてしまった人材を一定期間経過したのちに再び戻せるかと言われるとかなり難しいと思う。
なぜなら、現在の社会構造として1度転職すると最低でも5年以上は当該業界へ戻ってくる可能性は低くなり、その間に異業種のスキルを学んでいることから、許の業界で輝ける人材ではなくなっている事も多い。
そのうえ、本人が業界を離れてしまった理由が企業側の問題であった場合には離職時の状況によっては取り返しの付かない問題に発展しかねないことから、離職時の対応を改善することも大事だろう。
これも企業ごとの認識で大きく異なっていることから、特定の企業を責めることは出来ないのだが、このような事例が多く存在している以上人材が育たなくなるおそれが出てくることは間違いないし、現代は“自分が企業から評価されている”と感じないと企業に長期定着するということは考えられないのだ。
そのうえ、前職で“不当解雇”や“違法解雇”などによる問題発生が確認された場合には当該人材はその業界だけでなく、異業界の企業に対しても不信感を持つおそれがあることから、企業としても対応ミスで人手不足や人材不足を招くことは避けたいというのが本音だろう。
私は“格差の必要性”を理解した上で“適正な格差の実行”や“必要な格差の発生”を形成していくことが必要だと思う。
これは現在の格差が発生している状況を見ると“個人事由”で発生している格差よりも“組織間格差”や“企業間格差”など個人よりも大きい枠で発生していることが多く、これらの状況が正しく構築されていないことから、問題が発生しやすいのではないかと感じるのだ。
これらの問題を分析すると“適正な格差”の範囲を超えているケースやインセンティブなど本人の評価につながる手当類の格差を除いた実数が格差の温床につながっていて、これらの格差により“搾取”という認識が出てきてしまっているケースなど初期段階では個人と組織で解決出来る範囲なのだが、次第にエスカレートするなどして企業や個人の単位では解決することが困難になっていることが多く、個人側もしくは組織側が第三者に仲介を頼むということも増えているのだ。
現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。