第1章:現在の判断は正しいのか ⑪

 そのため、このような人材はアルバイトなどの社会経験を積むのではなく、犯罪行為に手を染めることや両親などから経済的な支援を受けることを前提としたライフプランを立てることを選択するケースなど本人が解決する必要のある内容であっても本人の中で解決する手段が見つからないことから、解決方法を“自力”から“他力”に転換してしまうおそれや“企業不信”や“組織不信”といった企業からの離れ方によって起こりうる本人の心身的な変化が思考や判断力などに作用することもある。


 特に現在は組織を1度離れてしまうと次のチャンスが訪れる可能性が低くなる可能性があることや個人の最終学歴や経歴で就職差別が発生するおそれもあることから、仮に資格等を持っていてもブランクが長い等の理由で採用を見送るケースやブランクは短いのだが、企業側が採用基準としているポイントや観点で条件を満たさず、その後も条件を満たす可能性が低いことから、採用を見送るというケースなど現在は以前に比べると採用基準と実状が乖離する、矛盾する状況が継続的に発生しているのだ。


 私はこれらの状況を改善するためには”どこに接点を持っていくか“など本人の社会復帰を進める上で必要なポイントをどのように強化していくかという部分に関する議論が進むことが望ましいと思う。


 その理由として、現在は社会復帰が困難になっている人材をきちんと掘り起こして、企業に必要とされている人材に関しては就職活動や転職活動などを経て元の場所へきちんと戻すことやなかなか内定や採用が得られない人材に関しては別の方法で社会復帰や社会との接点を作ることで本人の自己肯定感を高めるということも必要になってくる。


 ただ、この方法にはある課題がある。


 それは“長期のブランクを抱えている人材”だ。


 現在は長期のブランクを抱えている人材の場合は“学歴社会”でかつ“即戦力”が主流となっている現代においては社会復帰が見込めないおそれや社会復帰出来たとしても不安定になってしまうおそれがあるのだ。


 そのため、このような人材が増えていくことで日本社会における“人手不足”と“人材不足”を加速させるおそれがあるのだ。


 このような状況を改善するためにも長期ブランクとならないように守秘義務を活用しながら本人とコンタクトを取っていくことも必要になってくると思う。


 その理由として、長期ブランクが発生することで本人が就職をすることに対して後ろ向きになるおそれや職を失った理由によっては精神的に追い詰められてしまうことで治療や療養が必要になることから、トラウマやフラッシュバックが発生している状態になり、ブランクが長期化しやすくなることから、本人が定期的にストレスを吐き出せる、悩みを打ち明けられる環境をカウンセラーさんと共に構築していくことも大事だろう。


 そのうえ、若い年代が解雇や就職失敗などで引きこもりや自殺未遂などに追い詰められるケースも増えていることから、このような状況が慢性化しないように対策を進めていかなくてはいけないのだが、問題はこのような人材が再び“就職”を選択出来る状態まで回復するのか、ブランクの長さが社会復帰後に影響をもたらさないようにフォロー体制や支援体制を一定期間維持出来るかという問題も出てくることから、復帰を希望している人が1人でも多く所得を上げられる手段を考えていかなくてはいけないと思う。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。