脱フュージョン
目的:不快な思考を取り除くことではなく、思考は単なる物語であることに気づき、それと格闘することをやめること アクセプタンス(受容)の戦略で、我慢することでも耐えることでもなく、「差し出されたものを受け取る」こと。 感情のコントロールではなく、「単に受容すること」と言われています。
生活していると、人間はな何かしらの思考をします。
それに気づいていても気づいていなくても常に何かを考えています。
それは決していいことばかりではなく、「自分はダメな人間だ」「どうせ自分がやったって」「また無駄なことをして」「そんなことより明日の〇〇を考えないと」などその時に必要のない思考まで出てきます。
それに気づいて対処ができればいいのですが、ついついその思考に囚われてしまいネガティブな方向へ考えが進んでしまうことがしばしばあるかと思います。
脱フュージョンとは、それらの思考と距離を置いて、「それが自分の人生の役に立つのか」と言った視点で捉えます。
そして、自分の人生に必要のない思考は、ある方法で整理をしていきます。
それではもう少し中身を見ていきましょう。
その思考は自分の役に立っているのか
自分はダメなやつ
自分にはどうせできない
こんなことをしているから自分がダメなんだ
自分は意志が弱いんだ
これらの思考は自分の人生にとって役に立つ思考でしょうか。
役に立つのであれば、そのままにしておいても構いません。
ネガティブな思考が、ハングリー精神を引き出して前に進めるのであればそれはそれで良いのです。
ただ、そのようなことは殆どないのでは?と思います。
こう考えてみよう
それらのような思考が浮かんだら、以下のように考えてみましょう。
その思考は自分の人生を向上させるための効果的な行動を起こしてくれるだろうか
私がなりたい自分になるための手助けになるか
求めている人間関係の助けになるか
自分の価値をおいていることとの結びつきを強めてくれるか
長い目で見て意味ある人生に導いてくれるか
以上のように、ACTでは、思考が真実か否か、深刻か馬鹿げているか、ポジティブかネガティブかなどはあまり関係がなく、自分自身にとってプラスになるかどうかが大切です。
それらの思考が自分の人生に良い影響を与えないと思ったら、以下の方法で思考を落ち着かせていきましょう。
「私は〇〇といった思考を持っている」
自分はどうせダメなんだ。 →私は「自分はどうせダメなんだ」という思考を持っている。
今からやることは結局失敗に終わる →私は「今からやることは結局失敗に終わる」という思考を持っている。
あの人に嫌われている →私は「あの人に嫌われている」という思考を持っている
どうでしょうか。このように考えると、思考と自分の間に少し距離ができることがわかるかと思います。
〇〇という物語か、心よありがとう!という
自分はどうせダメなんだ。 →自分はどうせダメなんだの物語か、心よありがとう!
今からやることは結局失敗に終わる →今からやることは結局失敗に終わるの物語か、心よありがとう!
あの人に嫌われている →あの人に嫌われている物語か、心よありがとう!
どうでしょうか。
また少し、思考と距離ができるのがわかるかと思います。
ハッピーバースデーのメロディに合わせて歌う
自分はどうせダメなんだをハッピーバースデーのメロディに合わせて歌ってみてください。
少し馬鹿らしいと思いますが、メロディにのせて歌うことで、自分が感じていた感情とはまた違うものを感じられるはずです。
そうなんです、思考はただの言葉でしかないと思うはずです。
以上のように、思考とは距離を置いて接することが大切なのです。 思考に必要以上に振り回される必要はありません。 それらの思考が本当に有益なものなのかを考えます。 有益なものでないのであれば、その思考とは距離を置くことが必要です。 そうすることで今の自分に本当に必要なことに対して、時間を割くことができます。
最後に私が感銘を受けた言葉を紹介します。
平静の祈り
私が参考にしているラスハリス先生の書籍には以下の文が載っていました。
● 解決可能な問題を解決する勇気を持ちなさい
● 解決不可能な問題を受け入れる平穏な心を持ちなさい
● そして、その2つの違いを理解する知恵を育てなさい
(元々はアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーさんの祈りの言葉のようですが、ラスハリスバージョンとなっています。)
非常にいい言葉だなと感じました。
自分たちには解決できない問題も山ほどあります。ただ、それに悲観的になるのではなく、その事実を受け入れた上で、自分にできること、必要なことを続ける。そういったあり方が大切なのだと思います。
<大事なこと>
「その思考は自分の人生を豊かなものにするために役に立つのか」
ポジティブなのかネガティブなのか、楽観的か悲観的か。 そんなことではありません。 その思考が自分の人生の役に立つのか。その視点は忘れずに過ごしたいと思います。
脱フュージョンは学べば学ぶほど深い領域なので、少しずつ学んでいき深めていきたいと思います。
それでは!!
Naoki
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