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#最近の学び 記事まとめ

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「#最近の学び」への投稿をまとめました
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#文献抄読

“ながらスマホ” の危険性

📖 文献情報 と 抄録和訳歩行中のスマートフォン使用は歩行周期変動の正の持続性を減少させる [背景・目的] 歩きスマホや前抱えリュックサックは歩行中の転倒リスクを増大させることが知られている。スマホ画面注視や前抱えリュックによる足元や周辺視覚情報の損失が、段差や障害物等(外因性の要因)による躓きを誘発することでリスクが増大するとされている。ここでは、歩きスマホに伴う内因性の要因(歩行者自身の歩行安定性の低下)が、歩行の安定性を低下させるかを検討した。 [方法] 具体的には

新規要介護認定者の疾患パターン分類

📖 文献情報 と 抄録和訳日本における介護開始高齢者の臨床的サブタイプと予後との関連:データ駆動型クラスター分析 [背景・目的] 日本における介護開始者の臨床的サブタイプを同定し、予後との関連を検討することを目的とした。 [方法] 大都市の医療保険請求データと要介護認定調査データをリンクさせ、新規要介護認定者を同定した。ファジーc平均クラスタリングを用いて、過去6ヵ月間に記録された22の疾患に基づいてグループ化し、クラスタと2年以内の死亡または要介護度悪化との縦断的関連を

歩隔の科学。歩行, 走行への影響

📖 文献情報 と 抄録和訳典型的な運動活動における歩隔のバイオメカニクス的影響:系統的レビュー [背景・目的] 歩隔は前額面における空間変数であり、初期接触時の両足の踵(スプリント時は前足部)間の内外側距離として定義される。歩隔の変動は下肢のバイオメカニクスに影響を及ぼす可能性がある。このシステマティックレビューでは、歩隔の急性変化がロコモーションのバイオメカニクスに及ぼす影響を明らかにするために、発表されている知見を総合し、傷害予防やスポーツパフォーマンス向上への示唆を与

TKA後の遷延痛。痛みの性質で予後予測が可能かも

📖 文献情報 と 抄録和訳人工膝関節全置換術後の持続性疼痛に関する記述 [背景・目的] 人工膝関節全置換術 (total knee arthroplasty, TKA)後、患者の約20%が持続的な術後疼痛(persistent postoperative pain, PPP)を経験する。術前・術後の痛みの強さは関連因子であるが、臨床状態に応じた具体的な介入戦略を決定するためには、より詳細な痛みの記述が必要である。本研究では、術前・術後の痛みの記述とPPPとの関連を明らかに

回復期リハ病棟スタッフの疾患/病態の用語認知度

📖 文献情報 と 抄録和訳リハビリテーション医療スタッフにおける機能障害と筋肉の健康に関する用語の認知度調査 [背景・目的] 高齢者のリハビリテーションでは、機能的および栄養的な障害がしばしば問題となる。栄養リハビリテーションは虚弱、栄養失調、サルコペニアに対する重要な対策として注目されており、リハビリテーションと栄養ケアの組み合わせが身体機能や日常生活活動の改善に寄与する。しかし、機能障害を表す用語は医療従事者によって十分に認識されておらず、その認識度を調査することが本

車椅子使用者の転倒

📖 文献情報 と 抄録和訳長期療養環境における車椅子使用者の転倒の特徴と結果 [背景・目的] 本研究の目的は、長期療養環境において車椅子を使用している人の転倒の特徴と結果を理解することである。 [方法] 研究計画:長期介護における実際の転倒の観察分析。設定および参加者カナダのブリティッシュ・コロンビア州にある2つの長期介護施設で車椅子を使用している入所者(n = 32人、平均年齢 = 84.7歳、女性12人)。方法:車椅子からの転倒の原因的側面、行動的側面、環境的側面を

視力低下と転倒リスク

📖 文献情報 と 抄録和訳一般的に健康で活動的な高齢者における視力と将来の転倒リスクとの関連:3年間のDO-HEALTH研究 [背景・目的] 加齢は視力(visual acuity, VA)と転倒に強い影響を及ぼすが、一般的に健康な高齢者における両者の相互作用は十分に研究されていない。本研究の目的は、一般的に健康な地域在住の高齢者において、ベースラインのVAが3年間の全転倒および傷害を伴う転倒のリスク増加と関連するかどうか、またどの程度関連するかを検討することである。

疼痛に関連する苦しみ。111論文のレビューからの定義

📖 文献情報 と 抄録和訳痛みにおける苦しみの定義:自然言語処理を用いた痛みに関連する苦しみに関する系統的レビュー [背景・目的] 痛みに関連した苦しみを理解し、測定し、緩和することは、臨床ケアと痛みの研究の双方にとって重要な課題である。しかし、痛みに関連する苦しみの概念に何が含まれるのかについてのコンセンサスは得られておらず、実証研究においても正確に運用されていないことが多い。ここでは、(1)既存文献における痛み関連の苦しみの概念化を系統的にレビューし、(2)定義と概念

運動神経を活性化させるシートが開発される

📖 文献情報 と 抄録和訳健康な若年成人男性における局所振動が運動単位の発火行動と筋力に及ぼす即時効果 [背景・目的] 本研究の目的は、健康な若年成人男性において、振動が運動単位(MU)の発火行動および拮抗筋の運動能力に及ぼす影響を検討することである。 [方法] 14名の男性(年齢=24.3±3.6歳)を対象とした。大腿二頭筋の遠位腱に80Hzの振動を30秒間与える条件と、コントロール条件(振動なし)の2つを設定した。 振動刺激前後に、膝を伸ばす最大筋力と運動神経活動

最大意図速度で筋トレ。8週間の自宅運動の介入効果

📖 文献情報 と 抄録和訳高速または低速で行うホームベースのレジスタンストレーニングは高齢者のパワー出力を改善する [背景・目的] 我々は、高齢者を対象に、速い収縮速度または遅い収縮速度で実施した、監視なしの、体格に応じたホームベースのレジスタンストレーニングプログラムが、膝伸筋の筋力、筋容積、筋組織、および疲労抵抗の変化に及ぼす影響について検討した。 [方法] 男性高齢者32名(65~88歳)を、1)高速運動群(Fast-group)、2)低速運動群(Slow-gro

脳卒中後の疼痛。痛みの性質で予後予測が可能かも

📖 文献情報 と 抄録和訳リハビリ中の脳卒中後の痛みの予後は痛みの質に依存する [背景・目的] 脳卒中後の痛みは日常生活やリハビリテーションの妨げとなる。本研究は、痛みの質に関するデータを用いて、脳卒中後の痛みを有する患者のサブグループにおける痛みの予後を明らかにすることを目的とした。 [方法] 本研究では、運動ベースのリハビリテーションを受けている脳卒中後の疼痛患者85名を対象とした。Neuropathic Pain Symptom Inventory(NPSI)の項

漢字の解剖学的意味

📖 文献情報 と 抄録和訳漢字は解剖学的に特別な意味を持つ [レビュー概要] 解剖学の領域では、解剖学用語の漢字の中には独特の形態学的意味を持つものがある。漢字は絵文字から発展したもので、絵文字の中には古代の人々が自分の体の構造に基づいて作ったものもある。このことは、漢字が誕生した当初から、人体の構造を理解し、表現することが不可欠であったことを意味し、その知識は漢字の継続的な継承を通じて受け継がれ、発展してきた。今日でも、人体構造を反映する外観を持つ文字がある。椎骨、頭蓋

椎体圧迫骨折患者の歩行自立の臨床予測ルール

📖 文献情報 と 抄録和訳椎体圧迫骨折を有する入院高齢者における歩行自立の臨床的予測ルールの開発と検証 [背景・目的] 椎体圧迫骨折(vertebral compression fractures, VCF)患者の歩行自立に関連する因子やClinical prediction rules(CPR)に関する報告はない。また、疫学的な歩行自立率に関するエビデンスも乏しい。ここでは、(i)入院中の椎体圧迫骨折患者が歩行自立を達成する確率に関する疫学的データを得ること、(ii)退

脳卒中後の膝関節過伸展4つのパターンとその要因

📖 文献情報 と 抄録和訳慢性脳卒中患者の片麻痺歩行における膝過伸展パターンの分類と関連障害の検討 [背景・目的] 脳卒中後の片麻痺歩行では、動作パターンや筋活動にかなりのばらつきが見られ、特に立脚相における膝の過伸展が顕著である。既存の研究では、主に関節角度やモーメントに求心性がある。しかし、その根本的な原因は不明なままである。そこで、膝関節過伸展の原因について、時間的・持続的要因に基づく新たな視点から検討した。 ■ 研究課題:膝関節過伸展の有無の時間的・持続的な差は、