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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2019年2月の記事一覧

ソビエト・ロシアのアニメ

 日本におけるソビエト・ロシアアニメの代名詞的存在は、「カワイイ」の最高峰・チェブラーシカと、手塚治虫や宮崎駿にも影響を与えたユーリー・ノルシュテインであろう。しかしもちろん、ソビエト・ロシアアニメの世界は非常に多様で特殊で、そして未だ、ロシア国外では未知な部分の多い、隠れた宝庫だ。  強力な全体主義国家でありながら、ソビエトにおけるアニメーションにはプロパガンダ色は薄く、意外にものびのびした広がりを見せている。  シリーズアニメが少なく、その代わりに作家性が存分に発揮さ

誰かをうらやましいと思う気持ちを昇華させたい

人間の厄介な感情コレクションのひとつは、誰かを「うらやましい」と感じる気持ちだと思う。直接この言葉を口にしなくても、なんとなく芽生えるモヤっとした気持ちだとか、SNSで見えるみんなの活躍からつい目を逸らしたくなってしまうこととか。全然よくある。別に恨んでいるわけでもなければ、その人の不幸を望んだりするようなカゲキな感情ではないのだけど、ただただ今の自分と比べてしまって「モヤッ」とするのだ。 そういうときに相手を批判することで優位に立とうとするのはイケてないけれど、かといって

人生初ピューロで僕が見たもの~ミラクルギフトパレードとキティちゃんという存在~

注:今回ミラクルギフトパレードのネタバレすっごいあります。 ------------------------------------------------------------------ 人生初のピューロランド。目的であるキャラクター大賞は存分に楽しめた。だがもうひとつ、ピューロランドに来たのなら絶対に外せないショー。 ミラクルギフトパレード。 ピューロランド開園25周年を記念して2015年から開催しているショーである。「かわいい」「なかよく」「思いやり」をテー

代表的な「お守り本」

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。  世の中には、「お守り本」というジャンルがあると思う。  読むかどうかにかかわらず、持っているだけでご利益がある本である。  批評家の小林秀雄が、代表作の『本居宣長』を刊行した際、講演で聴衆に向かって、「買ってくれさえすれば、読まなくてもいいんです」と言って笑わせている。  冗談のようだが、案外本質を衝いている。ある種の本(特に古典)は、読まなくても、手元にあって、常に意識の片隅に

評判という遠景の山々を気にしておいた方が良い。

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。  「評判」というのは、集合知の集積のようなものだから、無視することなく、参考にした方が良い。  例えば、アインシュタインの一般相対性理論を理解している人は人口の何%いるかわからないが、アインシュタインが天才で、相対性理論が凄い理論であるという「評判」はあるだろう。  同様に、ジェームズ・ジョイスの作品、例えば「ユリシーズ」や「フィネガンズウェイク」が20世紀の小説の中の最高峰という「

忙しさの功罪

最近、文章が書けない。ライターや記者という仕事をしているにも関わらず、書くことが怖くなる。 不特定多数が目を通すし、結果も求められる。不意に誰かを傷つけてしまうこともあるし、自分より優れた書き手もたくさんいる。不安要素はあげればキリがないけれど、今抱えている問題は少し違う。 「自分ごときがインタビューなどをして良いのだろうか? 文章など書いてよいのだろうか?」という不安が日々積もり、それが一定値を超えた。 「自分ごときが」というのは、頭に常駐している厄介な思考だ。

【日記】会社の同期が死んでからのこと

注:本記事は人の死をテーマにした記事です。表現には最大限配慮していますが、人によっては何某かの影響を受けることも考えられます。内容が受け付けられない時は、迷わずホームにお戻りください。 ※登場人物の氏名は、全て仮名に変えています。 * 人間の死体という物は、ザリザリザリザリザリザリしていて眼球をギリギリっと擦ってくるので目で見ることができるが、決して、捉えることはできない。長細い白い板切れをバキバキに折って、四つに組んで箱にして、みっちり白くやたらテカテカ光る布を敷き詰め

人生初ピューロで僕が見たもの~サンリオキャラクター大賞2018~

【あらすじ】初めてのピューロランドで予想以上の人の数にてんやわんやでてんてこまいのファラオさんだったが、持ち前の細長い体型を生かし何とかそれなりに見やすい場所を確保することに成功。いよいよ年に一度のお祭り、サンリオキャラクター大賞2018が始まろうとしていた。果たしてファラオさんはどうなってしまうのか!? というわけでサンリオキャラクター大賞2018、開始まであとわずかというところだが、その間ピューロビレッジの大モニターではランキング100位~21位までのキャラクターが紹介

縁を大切にして、面白さの閾値を超えるまで、つきあってみればよい。

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。  あることを学び始めて、面白くないなあと思っても、しばらく我慢してやっていると、だんだん点と点がつながて、線となり、面となり、やがて「面白さの閾値」を超えることがある。  ここを超えればしめたもので、あとは、勝手に脳が興味を持って学び始めてくれる。  自転車と同じで、漕ぎ始めがいちばん大変で、スピードがつくとすいすい行き始める。  あるいは、お米を噛んでいると、最初は味の印象が薄いけ

新日本プロレス歴2年

2年ぐらい前から新日本プロレスを見ています。 それまでプロレスとは全く縁の無い人生でした。小学生の頃、駄菓子屋に行くとプロレス選手をキャラクターにしたお菓子なんかもたくさん売ってましたし、プロレス好きの友達もいましたが、私は全く興味がありませんでした。総合格闘技が流行り、大晦日にテレビで放送されるようになっても、私は全く興味がありませんでした。そもそも、格闘技自体を全然見ないのです。人が戦ってるのが好きじゃないんだと思います。 そんな私を新日本プロレスに誘ってくれたのは天

人生そのものが、「一糸乱れぬ高貴なる野蛮さを見せる演奏」となり得る

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。  見落とされがちなことは、世の中のすべてのことは「アスリート」的な視点でとらえられるということで、陸上やサッカーなどのスポーツだけがアスリートなのではない。  ゲーテが、かつて、「君、行動の天才というのもいるんだね」とナポレオンのことを評したとされるが、朝起きてから夜眠るまで、私たちは自分の行動、判断、選択をアスリート的な視点からとらえて評価することができる。  朝から晩まで「フロー

私は旅が好き。東京も好き。

九州男児、京女、から生まれし、ささいな笹。 生まれは京都、育ちは大阪、アイデンティティ、その真ん中。 第二の故郷、G.i.f.u、揖斐長良木曽の清流、みんなでsay ho! 気づけばサイレントヒル、食べるわさわやか。 嗅ぎ分け社会の人並み、生き抜け世界の人波。 叫べ、脈打つたこ焼き共和国、立てば、芍薬はんなり共和国。 私の自己紹介ってこんな感じです。 フィーリング・マイプロフィール。 東京なんて、よもや、暮らしたことも住んだことも全く! だけど、旅することが私の人生の衝動に

美しさという光

久しぶりのNoteを書いている。 思いがままに、何かを書くことは、とても勇気がいることだ。 そこそこブロガーとして認識されたいま、思うがままに、どうしようもないコンテンツを出した時に、皆にがっかりされてしまうんじゃないかなという、恐怖心に苛まれる。 竹村さんのこのツイートを読んで、ハッとした。 こんな風に、失敗を恐れて縮こまっている、わたしはわたしらしくない。ミャンマーのヤンゴンに滞在している今、友人から「今月16日に、しくじり先生のイベントをやるから、こうみくに登壇

貧乏家庭で育った僕は、大人になって裕福な人間になれたのかもしれない。

ずっとずっと、裕福な家庭環境に憧れていた。 最新のサッカーシューズを諦め、型落ちしたセール品を与えられる度に、貧乏な家庭に生まれたことを呪った。 PlayStationが進化する度に、貧乏な家庭に生まれたことを呪った。 家族での旅行や、流行りの洋服、新品の真っ白い体操着やYシャツ。僕の倍のスピードで変わっていく友達のナイキのスニーカー。与えられるお小遣いの金額。 目に映るすべてを自分と比較した。 貧乏な家庭に生まれてしまったことを一生呪い続けるだろうと、ずっとずっと