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#デザイン 記事まとめ

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デザイン系の記事を収集してまとめるマガジン。ハッシュタグ #デザイン のついた記事などをチェックしています。広告プロモーションがメインのものは、基本的にはNGの方向で運用します。
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#コラム

ヘルベチカはそんなこと言わない

「書体を使いこなすためには、その歴史や背景を知らなければならない」って、誰に言われたのか思い出せないけど、重みのあるアドバイスとして素直に受け止めてきた。実際、多くの人から愛されている書体にはそれなりの歩みがあり、造形の美しさもさることながら、物語としても楽しい。制作された経緯を知れば、使う際の参考にもなる。 学生の頃は純粋に文字を楽しむ人として、書体にまつわる物語に触れていたのだけど、デザイナーとして仕事をしていると、蓄えた知識が邪魔に思えることがある。いっそ何も知らずに

AIにデザインはできるのか? ─ AI画像生成 Midjourneyを使って感じたこと

8月に入ってからTwitterで、よく目にするようになった 「Midjourney」というタグ。“神絵を描くAI”と紹介されることが多く、作画された絵もたしかに美しいものばかりです。画像生成AIは、以前から存在していましたが、誰もが気軽に使うことはできませんでした。 文章から画像を生成するAIってなんだろう?その点MidjourneyはUIがとてもシンプル。無料で25枚前後の生成ができると聞き、早速トライしてみました。その際に参考にしたのがこのサイト。無料登録の仕方から、基

セカンドホームに帰る。新しい日常のかたち

新しいかたち・場所で「集まって住む」「つながって住む」ことで、より豊かに暮らすための「新しい住まいのかたち」を構想するMUJI VILLAGE プロジェクト。 今回は、「Live with nature. / 自然と共に生きる。」をテーマに、人と自然が共生する社会の実現を目指すライフスタイルブランド『SANU』を立ち上げたおふたりにお話をうかがいます。自然とともに生きることで、彼らの目指す新しい日常とは。 本間 貴裕(写真中央) 株式会社Sanuファウンダー兼ブランドディ

Design&Art|デザインを覗く 〈08.自然と空想〉

夕日は微笑み、雲は自由に空を散歩する ——。 私たちの生きるこの惑星には空があり、光があり、風があり、そして生命たちは絶えずうつろいでいます。時に、光は微笑むような表情をつくり、風は呼吸をするように行き交い、そして雲は散歩をするように空を流れています。 このように、自然物を含めた万物に生命が宿っていると考えることを「アニミズム(animism)」と言います。これは、人類学者のエドワード・B.タイラーが提唱したもので、元を辿ると霊魂を意味するラテン語のanimaに由来します

「デザインとは何か?」と問い続けることを決めた——designing事業移管によせて

本日、designingは運営元をinquireへ移管する旨を発表した。 本記事では、事業責任者/編集長 小山の視点からメッセージを記す。 デザインの可能性は、ビジネスに限るのか?2017年12月、designingは「ビジネスとデザインの距離を近づける」を掲げスタートした。それから3年強の月日が過ぎ、デザインを取り巻く社会環境は、筆者の意図とは関係なく大きく変化してきた。 その傍らdesigningは先述のテーマに軸足を据えつつ、デザインを中心とする領域に携わる多様な

プロジェクトが失敗した時こそ重要な3つのこと

はじめまして。web制作会社ベイジでマネージャー兼ディレクターをしている今西と申します。 普段からTwitterや会社のブログで情報発信をしていますが、noteでは仕事の振り返りや考え事などを中心に、コンパクトかつ定期的に更新をしていこうと思っています。 ****** 一般的に、プロジェクトは失敗しない方がいいと言われている。 ベイジでも、プロジェクトを円滑に進めるためにワークフローを整備しているし、ミスを減らすための仕組み作りにも力を入れている自負がある。 当然だ

もう文字詰めなんてしないなんて、言わないよ絶対

まるごと一冊レタースペーシングについて書かれた本が出版されるらしい。グラフィックデザインの教科書的な本ではだいたい一見開きか片ページで済ませられるこの息の詰まるような地道な作業、その奥深さについて語る本って今までなかったかも。これを楽しみにしているデザイナーが多いようなので、この波に便乗して私なりにレータースペーシングについての思いの丈を書き連ねてみようと思う。 念のため説明しておくと、文字を用いてデザインする際に文字と文字の間のアキを調整する作業のことをレタースペーシング

デザイン制作における「ググり力」の話。

最近、デザイナーを目指す人を、課題を通してサポートする機会(=トレーナー)が増えているのだけど、 このトレーナーと生徒さんの関係を通して、わからないことを自力で検索して解決する、という力はれっきとしたスキルなのだなと改めて感じている。 検索だけで生きてきた、初心者時代。僕は、大学でこそ実技や座学を通してデザインについて学んできたけど、 HTML/CSSなどのWeb関連の情報のそのほとんどは「ググって」身につけたものだ。 HTML/CSSについては、「自分のサイトに画像を設

デザインとは、関係の構築であるという話。

本屋さんに行って、だいたい隅っこの方にあるデザイン書のコーナーを見てみると「Illustratorの使い方」のような本がたくさん出版されています。また、WebやSNSを見渡すと、毎日のようにデザインのTips的な情報がたくさん飛び交っています。 このように、世の中はデザインの「技術論」であふれています。もちろん、デザインにおいて技術は大事です。私も、Tips的な記事にはいつもお世話になっています。 でも残念なことに、小手先のテクニックばかり勉強していても、なかなか上手にな

ひとりぽっちの効用

デザイナーの仕事現場とは孤独なモノです。 会社のデザイン部署で、他のデザイナーとデスクを並べて仕事をしていたらそうでもない時もあると思いますが、基本的に作業に集中している時は孤独なんですね。 頭の中に浮かんだレイアウトやフォントイメージを具現化してゆく作業は、コピペを繰り返して済むようなオートマチックな単純作業ではありません。 それはスキルというよりも、感性やセンスに近い能力が司る、パーソナルなクリエイトなので、対話や相談はすべて自問自答の中で展開されてゆくのです。 孤独

「名刺デザイン」の全能性。

こんにちは。 デザイナーのモンブランといいます。 最近、務めている会社の名刺リニューアルを担当しました(実はこれでもゴリゴリのインハウスデザイナーなのです) 内容はデザイン、フォーマット作成、30〜40名分の名刺を管理製造する、といったお仕事。 その名刺を制作している時に、ふとこんな事を思いました。 振り返ってみれば、デザインの勉強を始めてから今の今まで、ずっと名刺のお仕事をしているし、毎回学びがあるような…!? というわけで、今回は名刺をデザインを通して学んだり得

【社長コラム】2025年 日本国際博覧会に向けた日本の都市デザイン

1. 都市デザインのトップランナー 大阪  GKデザインは1970年に開催された前回の大阪万博において、屋外環境デザイン全般を担当(※注1)した実績を通して「都市環境の道具システム化・新機能主義の道具による新風景の創出」を理念とした「道具環境論」を確立した。また、これを原点として都市環境デザイン領域を軸足としたGK設計が産声を上げることができた。 「道具(※注2)」は単位の集合によるシステム性、個体としての機能的完結性、改変可能な仮設性、場所を選ばぬ可動性、複製可能な量産

技能を振り返る 〜デザインの秘伝01〜

会社勤めのデザイナーなら、この半期を通して何ができるようになったのか? 振り返りの面談が入りますよね。(四半期ごとの場合もある) ポートフォリオを見返しても、なかなか成長を実感できずにいたりしませんか? あと、ポートフォリオが思ったよりもコンパクトにまとまりすぎて…「果たして自分は何をしてきたのか」と、不意に焦りを感じたり、つい他人と比較してしまったりしていませんでしょうか。 もちろん、ポートフォリオが充実していることに越したことはありません。 しかし、目に見えるアウト

オルタネートな平成

改元して今日でちょうど1年が経過したが、平成生まれ、平成育ちの自分としては、古さの代名詞としての昭和(すみません)と、新しさの代名詞としての令和のはざまで未だに宙ぶらりんな気分でいる。それはともかく、今回はジャニーズのアイドルグループ、Hey! Say! JUMPにまつわるタイポグラフィの話をしたい。 以前勤務していたデザイン事務所でテレビ情報誌の表紙デザインを担当していた頃、2、3号に一度はHey! Say! JUMPが誌面に登場していた。といっても、デザインするのは表紙