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GK設計の各世代デザイナーの立場からのデザインや世の中に対する考えのコラムです。
デザインをテーマとした話題、 GKデザイングループの手がけた様々なデザインプロジェクトを紹介しています。 このマガジンでは、環境デザイン・パブリックデザインをメインとするGK設計スタッフが寄稿したコラムをまとめたもので、順次更新していきます。 GKReport:GKデザイングループが毎年2回発行する広報誌。 http://www.gk-design.co.jp/archives/gk-report/
1.QUESTION 誕生 京都信用金庫は1923年に有限責任京都繁栄信用組合として設立した京都・滋賀・北大阪を営業地域とする協同組織金融機関です。地域社会の発展に寄与することを基本理念とする京都信用金庫は、2020年11月にその旗艦店とも言える QUESTIONビルを、京都市の中心市街、河原町御池の角にオープンしました。 この新施設においてGK京都は、GK設計と協働し、空間構想プロデュースにはじまり、インテリア・サインなどの環境エレメントの計画・設計からVI計画や照明計画
1. 人々の都市における行動変容 我々は、人々の都市における行動変容として、テレワークの普及や緊急事態宣言により急速に生活半径が自宅中心に変化した点に着目します。 出典:カオナビHRテクノロジー「リモートワーク実態調査」(2020)、Tmediaビジネスオンライン 日本を変える「テレワーク」(2019) これまでの「beforコロナ」 の時期は自宅とオフィスを直線で結んだ線的な行動スタイルでした。そして、新型コロナウイルス感染症の台頭による緊急事態宣言時、人は自宅に留めら
1.自ずから蹊を成す 桃李成蹊(桃李不言下自成蹊)という言葉がある。桃李もの言わざれども下自ずから蹊(みち)を成すと訳され、人徳のある人間には自然に人が集まってくるという史記に引用された格言だが、私はそうした意味合いよりも「自ずから蹊を成す」という部分に環境デザインのをエッセンスを見いだしたい。我々が例えば道をデザインするということは、道の姿形を造形するというよりも、「自ずから道を成す」ように企てることだと思えてならない。 「自ずから美しくなる」あるいは「自然に美しくなる」
1. 新たな都市の幕開けの象徴東京BRTが走り出す。 高層ビル、ビルとビルの狭間の意匠を凝らした町家、都市の発展を支えてきた運河や橋梁と、リズムよく変化する街並み、沿道の公園で遊ぶ子どもたち。テーマパークのような、しかし、生き生きとした江戸東京のまちの風景が目の前に映し出されていきます。 勝どき、晴海、豊洲、臨海副都心などの臨海地域は、国際的な観光や経済活動を担う地域として、都心近接の住宅地として、また東京オリンピック・パラリンピック大会後の選手村のまちづくりも控え、今
■ 新型コロナウィルス感染症対策・災害時の避難所・医療現場に対応 QS-P は折畳み可能で軽量な樹脂製パネルモジュールを連結して空間を仕切ることができる自立型簡易パーティションシステムです。 2011 年の東日本大震災で使用された緊急災害用快適仮設空間「QS72®」のシリーズとして、熊本赤十字病院、株式会社 GK 設計、川上産業株式会社が共同で開発をおこないました。 新型コロナウイルスの感染対策やプライバシー確保の目的で、公共空間や医療現場、避難所などで仮設型のパー
1. 都市デザインのトップランナー 大阪 GKデザインは1970年に開催された前回の大阪万博において、屋外環境デザイン全般を担当(※注1)した実績を通して「都市環境の道具システム化・新機能主義の道具による新風景の創出」を理念とした「道具環境論」を確立した。また、これを原点として都市環境デザイン領域を軸足としたGK設計が産声を上げることができた。 「道具(※注2)」は単位の集合によるシステム性、個体としての機能的完結性、改変可能な仮設性、場所を選ばぬ可動性、複製可能な量産
今回は、富山駅路面電車軌道空間の安全設備のデザインを題材にGK設計の環境デザインの視点についてご紹介致します。 1. GK設計のデザインの視点 日本と西欧の交通環境は安心・安全の面で考え方の違いがあります。 大雑把に言って西欧は個人の自由を尊重する国柄として、規制されたり禁止されたりするのを非常に嫌がります。その視点はデザインにも反映され、柵もなく、注意喚起の設備も最小限で見た目にも非常にスッキリした印象になります。反面、安心・安全は基本的に自己責任となり、たとえ
今回はGKデザイン特集として、GKがこれまでデザインした、災害に対し「備え・伝え・学び・守るデザイン」の一部をご紹介いたします。 1. 緊急時に こころを守り 環境を整える デザイン災害時被災者の多くは日常生活から切り離され、不自由でプライバシーの無い避難生活を余儀なくされている現状があります。GKでは、周辺環境をコントロールし被災者の心のサポートをするための、日頃から使え非常にも転用できる空間装置や発電装置など環境を整えるデザインを手掛けています。 ■ QS-P(高
1. ネットワーク型コンパクトシティとLRT 栃木県宇都宮市は、1993年度に新交通システムの検討を開始し、2007年度に「ネットワーク型コンパクトシティ」の都市構想を掲げました。このネットワーク型コンパクトシティの形成に向けた取り組みの基軸として、東西基幹公共交通LRT(Light Rail Transit)整備を位置付けています。 LRTを宇都宮市における東西の基幹交通とし、沿線の結節点(トランジットセンター)でバスや地域内交通などと接続することによって、面的な交通
GKデザイングループでは本質的価値の追求のため、継続的にデザイン研究活動を行なっています。本稿ではポストコロナの公共空間を考えることで見えてきた「マイクロパブリック(小さな公共空間)」という視点についてご紹介致します。 <マイクロパブリック(小さな公共空間)3つの特徴> 本稿では自宅周辺を主な生活圏としたライフスタイルに着目しています。生活圏の変容によって以下に挙げる3つの特徴をもつ公共空間が求められるというのが基本的な考え方です。 1. 近隣住民が日常的に使う公共
第54回日本サインデザイン賞において「富山駅路面電車南北接続開業記念事業のプロモーション・サイン」が金賞・諏訪光洋賞・高橋俊宏賞を受賞しました。 本稿では、サインデザインに留まらないGK設計が富山市のまちづくりに長年携わってきたトータルデザインの考え方を紹介致します。(GK Repot.37) 1. 富山市のまちづくりとGK 近年、日本各地で「コンパクトシティ」の実現に向けた都市施策が進められています。いわゆるスプロール化と呼ばれる低密度な市街地の拡散に歯止めをかけ、集
GKデザイングループでは、社員のデザイン研修の一環として例年海外視察を行っています。本稿では、GK設計スタッフの近藤がコロナ禍以前の2019年10月に参加した「欧州における公共交通調査団」(公益社団法人日本交通計画協会による視察ツアー)から欧州の公共交通の現状について報告致します。 欧州における公共交通調査団(公益社団法人日本交通計画協会) このツアーは、デザイナー以外にも研究者、都市コンサルタント、鉄道会社、電気設備・器具メーカーなど多彩な分野から集まっ
【お知らせ】GK設計は、株式会社LIXILと熊本赤十字病院との共同研究として、医療・防災環境における仮設空間-可動式アメニティブース「withCUBE」の利用検証開始。https://www.facebook.com/GKSekkei.inc/posts/839836310109396 【お知らせ】国際赤十字社会イノベーションセンター「Red Social Innovation」の情報共有サイトに、日本赤十字のオープンイノベーションの取組みとして、避難所で発熱した患者の感
第54回日本サインデザイン賞において「富山駅路面電車南北接続開業記念事業のプロモーション・サイン」が金賞・諏訪光洋賞・高橋俊宏賞を受賞しました。https://www.facebook.com/GKSekkei.inc/posts/833447697414924 GK設計はこれまで駅空間から街路空間、LRV車両デザインから電停、照明柱やベンチなどのストリートファニチャーに至るまで富山市路面電車南北接続事業においてトータールデザインの視点で長く関わってきました。 202