岩下 智

本業はアートディレクター兼デザイナーです。写真を撮ったり、イラストやマンガを描いたり、本を書いたりしています。https://satoruiwashita.design

岩下 智

本業はアートディレクター兼デザイナーです。写真を撮ったり、イラストやマンガを描いたり、本を書いたりしています。https://satoruiwashita.design

マガジン

  • デザイン精神論

    デザインは、小手先のテクニックばかり学んでも、残念ながらなかなか上手になりません。デザインの上達に必要なのは、哲学というほどでもない、精神論くらいの「ちょっとした心構え」なのかもしれません。

  • 本を書いています。

    「面白いとは何か」ということをテーマに、本を書いています。文章を書く中で気づいたことや、書くことの面白さについてなど、つらつらと。

  • ご覧のスポンサーの提供でお送りします

    CMの手法あるあるに「擬人化」と「抽象空間」というものがあります。これを用いれば、どんなモノでもCMっぽくなってしまうという法則があるとかないとか…このマンガはその実験でもあります。

  • 原始人A

    原始時代と比べて、現代人はどれくらい進歩したのでしょうか。科学やテクノロジーは確実に進歩していますが、人間そのものは、実はそれほど大きくは変わっていないような気もします。そんなことを考えながら、ふだん気づいたことや感じたことなどを題材に描いてみたいと思っています。本業はサラリーマンですので、不定期にゆるーく進めようと思います。はじめてちゃんと(?)マンガを描くのですが、マンガ自体もプリミティブで、どこかホンワカした感じにしたいと思っています。よろしくお願いします。

  • bayfm

    SAZAE RADIOの仕事をきっかけに、bayfmさんのポスターやグッズなど、色々作らせて頂いています。

最近の記事

デザイナーと健康について

久しぶりの書き込みです。というのも、ちょっとだけ調子を崩していた時期があり…。そのことについても、このあと書いていければと思います。 突然ですが、デザイナーにとって日々重要な心がけって何でしょうか。デザイン・スキルの向上?情報収集などのインプット?知名度を上げるための発信? 人によって考え方は様々だと思いますが、私が今いちばん重要だと思うのは「健康」です。 少し長くなりますが、今回は私がここ1年半くらいで経験したことを通して、デザイナーのフィジカル面とメンタル面の健康に

    • ぼくの自由研究 - NFTアートがひとつ売れるまでの記録 その1

      巷で話題のNFTアート。ここ1年くらいで日本でもポツポツ話に聞くようになり、日本のVRアーティストの作品が1300万で売れたとか、クリスティーズでデジタルアートが75億円で売れたとか、何やら景気の良さそうなニュースを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。 NFTアート、というかNFTとは何か、といった話はちょっと検索すればいくらでも出てくるので詳しくは触れませんが、「非代替性トークン」と言われても、いまいちピンとこないのではないでしょうか。 ましてや変動が大きく、

      • デザインの習得は競争ではない。

        これはデザインのみならずクリエイティブなこと全般に言えることなのですが、モノを作ることは誰かと競争することではない。と思っています。 どんな形であれ創作活動というものは、自分の内面から表現したアウトプットが如実に現れるため、その出来・不出来を他人と比較してしまったり、自分の作ったものを恥ずかしく思ってしまったりしがちです。 コンペやアワードなどの存在が、特にそう感じさせるのかもしれません。実際のデザインの現場では、まるで何かのレースに参加しているかのように感じてしまうよう

        • デザインを科目に例えるなら。

          絵が描ければデザインはできるのか大人になると、学校の勉強なんて何か役に立っているのかな、と思うことばかりですが、仕事としてデザインをやっていると、それなりに役立つこともあったりします。 デザインというものは、学校で習う科目では「美術」に分類されますが、実際にはそれだけを勉強していても、できるものではありません。 当然、デザインをやる上では絵を描けるに越したことはありません。それは単純に「画力」ということだけではなく、「自分の中でOKの線」や「美しいプロポーション」などを見

        マガジン

        • デザイン精神論
          6本
        • 本を書いています。
          58本
        • ご覧のスポンサーの提供でお送りします
          10本
        • 原始人A
          14本
        • bayfm
          4本
        • 何でもない絵。
          5本

        記事

          面倒なことにこそ価値がある

          デザイン精神論と言いながら、これまではあまり精神論っぽくなかったかもしれません。しかし今回は、かなり精神論です。 突然ですが、みなさんはデザインをしているときに、つい「面倒くさいなぁ」と思ってしまうことはないでしょうか。 私はあります。結構あります。 ただ、それを乗り越えない限りはゴールにたどり着けないのが分かっているから、気合いを入れてやるしかない。そんなことが日常茶飯事だったりします。 考えてもみれば、デザインなんて、そもそも面倒なものなんです。だって、そんなこと

          面倒なことにこそ価値がある

          デザインに必要な3つの力

          前回、「デザインとは関係の構築である」という精神論を書いた所、たくさんの反響をいただきました。ありがとうございました。 その冒頭で、デザインに必要なのは技術だけではないと書きました。じゃあ技術以外に何があればいいのか、という話を今回はお伝えできればと思います。もちろん、私の考える精神論ですので、諸説ありという前提でお願いします。 私は、常々デザインに必要なものは3つあると思っています。まず一つ目は、当然「技術=Technic」ということになります。これはもう疑いようがなく

          デザインに必要な3つの力

          デザインとは、関係の構築であるという話。

          本屋さんに行って、だいたい隅っこの方にあるデザイン書のコーナーを見てみると「Illustratorの使い方」のような本がたくさん出版されています。また、WebやSNSを見渡すと、毎日のようにデザインのTips的な情報がたくさん飛び交っています。 このように、世の中はデザインの「技術論」であふれています。もちろん、デザインにおいて技術は大事です。私も、Tips的な記事にはいつもお世話になっています。 でも残念なことに、小手先のテクニックばかり勉強していても、なかなか上手にな

          デザインとは、関係の構築であるという話。

          STUDIO DESIGN AWARD 受賞への感謝と、STUDIOがもたらす新しい価値への期待

          ノーコードでWebサイトを作成できるツール「STUDIO」の10万ユーザー突破を記念して、2月15日〜19日の5夜連続で開催された「STUDIO感謝祭」。その中で、昨年中にSTUDIOを使って作られたサイトを讃える「STUDIO DESIGN AWARD」の発表が連日行われた。 このアワードは今回が第1回だったのだが、まずは応募作品の中から選ばれたノミネート作品の発表があり、それらの作品に「いいね」で応援ができるというオープンな仕組みも取り入れており、STUDIOコミュニテ

          STUDIO DESIGN AWARD 受賞への感謝と、STUDIOがもたらす新しい価値への期待

          Clubhouseを面白いと感じる理由を、コミュニケーションの歴史から考察してみた仮説

          ここ数日、突如として話題沸騰しているClubhouse。Clubhouseとは何か、ということについては、既に様々なところで語り尽くされているのでここでは詳しい話は割愛するが… 要は「音声によるSNS」で、徹底的に削ぎ落とされたUI、各界の著名人の生の声が聞けること、場合によっては自分もそこに参加できること、完全招待制であることなど、それぞれの体験が新しく、現時点では情報感度の高い人たちを中心に、爆発的なスピードで広がっている。 私も3〜4日ほど前から参加しているのだが、

          Clubhouseを面白いと感じる理由を、コミュニケーションの歴史から考察してみた仮説

          【一行文庫】 オリジナルの一行作品を募集します!

          昨年の6月に公開以来、じわじわと更新を続けている「一行文庫」、おかげさまで様々な方からご好評や問い合わせなどをいただいています。ありがとうございます。 これまでは過去の名作文学と、田丸雅智さんのショートショートを中心に掲載させていただいていましたが、新年ということもあり、新たにオリジナル作品の募集を始めました。 これは公開直後から検討していたことなのですが、何件かご要望もいただいており、ぜひとも実現したいと思っていた企画です。 なぜオリジナル作品を募集するのか上記の通り

          【一行文庫】 オリジナルの一行作品を募集します!

          「一行文庫」のつくり方 〜便利すぎて教えたくない『STUDIO』でのNoCodeサイト制作〜

          「一行文庫」を公開してから、 約三ヶ月半ほど経ちました。公開当初に運よく少し話題になり、その後も細々と続けているのですが、日経新聞の記事で紹介されたり、毎日放送の人気番組「田村淳のコンテンツHolic」でも紹介されたりなど、おかげさまで色々なお問い合わせもいただいております。ありがとうございます。 そんな中で「あれって、どうやって作ってるんですか?」と聞かれることも、よくあります。Webサイトとしては見た目がちょっと特殊なので、かなり凝ったコーディングでもしているんじゃない

          「一行文庫」のつくり方 〜便利すぎて教えたくない『STUDIO』でのNoCodeサイト制作〜

          大人の自由研究 - デザイナーこそ学ぶべきNoCodeの世界②

          前回の投稿 https://note.com/ishuttle/n/n7587747cd7b4 前回の投稿では、ノーコードで作るWebサイトやアプリについて書いた。何かを作るたびに、もっと応用して新しいものを作ってみたくなるのも、ノーコードの魅力なのかもしれない。そんなわけで、今度はより遊べるものを作ってみたくなってきた。 ARもノーコードで作ってみる引き続きノーコード界隈を調べていると、Adobeから簡単にARを作ることができるAeroというアプリが昨年リリースされてい

          大人の自由研究 - デザイナーこそ学ぶべきNoCodeの世界②

          大人の自由研究 - デザイナーこそ学ぶべきNoCodeの世界①

          ArtかCodeか。これまでは永遠の問題のように思われてきたこの大きな壁は、いよいよ瓦解していくかもしれない。 特にここ最近よく聞くようになってきた「NoCode(ノーコード)」という言葉。要は言語を書かずにプログラムを構築することを指すのだが、私の知る限りだけでも、その歴史はまあまあ古い。 思えば90年代後半、デザイン業界ではDTPという言葉が一般的になってきた頃、当時のMacにデフォルトで「HyperCard」というソフトがインストールされていた。 HyperCar

          大人の自由研究 - デザイナーこそ学ぶべきNoCodeの世界①

          「文章を書くのが苦手」という息子のために、読書感想文の書き方を考えてみた話

          今年は例年より短い夏休みとなったが、恒例の読書感想文の季節がやってきた。 読書感想文といえば、昨年娘(当時小6)が書いた読書感想文について、ここに書いたのがちょうど一年前。 今年は、小4になった息子が読書感想文について悩んでいた。息子はどちらかというと理系気質で、理路整然と考えるのが得意なタイプ。算数や理科など「答えがある」科目の方が得意らしい。 そんな息子が今年、読書感想文に選んだのは「赤いカブトムシ(那須 正幹 作・見山 博 絵/日本標準)」という話。 あの「ズッ

          「文章を書くのが苦手」という息子のために、読書感想文の書き方を考えてみた話

          これはゲームではない。ジムである。

          遅ればせながら「リングフィット アドベンチャー」(以下リングフィット)を55日間かけて1周目クリアした、41歳中年の記録。もちろん個人の感想。 リングフィットについては色々なところで体験談が書かれているし、ソフト自体が品薄になるほどの人気商品なので、もはや説明はいらないだろう。 私がリングフィットを入手したのは6月12日頃。2月の下旬から在宅勤務が続き、運動不足をなんとか解消しなければと考えたためだ。 いちおう私の運動歴などを書いておくと、3歳から水泳を始め、小学校から

          これはゲームではない。ジムである。

          写真の新しい楽しみ方を考える

          写真を撮るのは楽しい。 これは、まぎれもない事実だ。気の向くままにシャッターを切り、振り返ってみて「いいな」と思うものが撮れたときには、何ともいえないカタルシスがある。 しかし「撮れた写真をどうするか」というのは、写真を撮る人にとって永遠の課題なのではないだろうか。 公募に出すほどでもなければプリントして飾るほどでもない、と思うような、でも自分としてはお気に入りの写真が、大容量でクラウドなりHDDなりにドンドン貯まっていく。 今日びデータの容量なんて気にすることもない

          写真の新しい楽しみ方を考える