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57.僕、嬉しいんだ!とても嬉しいんだ!お母さんにソツクリだといわれたの。
笑う子
毎朝歩いている道があります。
するといつも通りすがりの少年が、「おはよ!」と笑顔いっぱいで挨拶します。
それは、毎朝、同じ時間、同じ場所でした。
最初、私は戸惑いました・・。
見知らぬ少年からの挨拶のため、どう対処してよいのか、どのような態度を取ればよいのか、正直面喰っていました・・。
しかし、面喰った私の顔を見ても、相変わらず、その子は笑顔で「おはよ!」と声かけてくれます。
私も気合を入れて今度こそ笑顔で返そうと思っていましたが、実際の私の顔は笑顔どころかひきっつていたような気がします。
知らない人に笑顔で接するのはむずかしいことです。
それに、私はその少年よりもはるか年上で、親子、いや孫の世代の少年です。
また、年上に「おはようございます」ならわかるが、「おはよう」でもなく、「おはよ!」です。最初は何か馬鹿にされているような気がしましたが、慣れてくると、その笑顔が可愛らしくて、嬉しく感じるようになりました。
私は何とかその子に自然な笑顔を見せたくて、鏡に向かって笑顔の練習をして見ましたが、自分のつまらない顔を見ると余計に笑顔など出ない・・。
笑顔ってむずかしいものですね。
(普段、笑顔が足りない証拠です)
しかし、せっかく笑顔で挨拶してくれるのですから、次こそ笑顔のお返しをしようと頑張ってみました。でも、少年にしてみれば、そんなことはおかまいなしで、いつもの笑顔で「おはよ!」といいます。
それにしてもいつも笑顔で歩きながら通りすがりの人達に挨拶する不思議な子に、ある日、私から訊ねてみました。
「あなたのお名前は?」
「イサクというんだ」
「なんだか凄い名前だね」
「うん…」
ある日、私が上手に笑顔を出せるようになった頃、彼が涙を流していました…。いつもの「おはよ!」の言葉も沈んでいるように思えました。
僕の名前はイサク
「イサクちゃん、何か哀しい事でもあったのかい」
「…」
「さあ、元気出して、さあ笑って・・」
「…」
「さあ、涙も拭いて…」
「いいんだよ、おじさん。ぼくうれしいんだ。とてもとても嬉しいんだ…」
「えっ、何かいいことでもあったのかい?」
「…」
「おじさんに教えて!」
「うん、僕褒められた・・」
「何を褒められたの?きっと良い事をしたんだね!」
「うん、……。ぼくお母さんにそっくりなんだって…」
話を聞いてみたら、彼の大好きなお母さんは、今年になって亡くなってしまっていたのです…。
お母さんの最期の言葉は、
「イサクちゃんの笑顔が大好き、だからママがいなくなっても、大きくなっても、ずうっとずうっとその笑顔のままでいてね。約束してね…。あなたの笑顔はとても素敵よ…、ずうっとそばにいるからね…」
この子の笑顔の秘密はお母さんとの約束だったのです。
そして、彼が泣いていたのは、大好きなお母さんの笑顔がとても素敵だった、イサクちゃんを見ているとその笑顔はそっくりだと褒められたというのです。それが嬉しくて、家の鏡を覗いて笑ってみたら、そこにお母さんがいた、というのです。
そう、お母さんはいつもそばにいて、こうして笑顔でいてくれたのでした。
その鏡は、彼が悲しめば哀しそうな顔をします。
怒っていれば、同じように怒ります。
彼はお母さんの笑顔を見たくて鏡を見るようになり、その鏡の中のお母さんに話しかけるようになりました。
彼は、毎日が楽しくて、嬉しくて笑顔でいっぱいになりました。
それが彼の笑顔の秘密でした。
それからしばらくして、イサクちゃんとは会えなくなってしまいました。
道行く、友達らしき子たちにイサクの事を訪ねてみました。
すると、「彼はもう、いない」といいます…。
どうやら、他の学校に転校してしまったようでした…。
私はなぜか涙が出てしまいました…。
やっと笑顔らしきことができるようになったので、彼に笑顔で挨拶をしたかったからです。
小さな少年が、ただ笑顔で挨拶する、見知らぬ人に「おはよ!」という。
とても小さな行いですが、その通りが、少しばかり暗くなったような気がします。
たかが、挨拶言葉、その言葉は通りを明るくしていたのですね…。
大きな明るさを失ったような気がします。
笑っていれば、苛められない…
笑っていれば、悲しい事が消えていく…
笑っていれば、幸せが来る
笑っていれば、嫌な事がなくなる
笑っていれば、みなも笑ってくれる
そう、お母さんに教わった…、
と彼はいっていたことを想い出しました…。
彼のお母さんは、とても素晴らしい「笑顔」という言葉を残したのですね。
©NPО japan copyright association Hiraki
coucouです。ごきげんよう!
私はカメラの前でどうしても緊張してしまいます。それだけ不細工だからかもしれませんが、つい表情に力が入ってしまいます。子どもの頃からの卒業写真なども怒った顔をしています。写真うつりはもちろんのことですが、自分の姿が嫌いなのかもしれません。楽しそうな笑顔の人は羨ましく思います。
とても素敵な女性がいました。誰が見ても美しく品があります。モデルさんになってもまったく遜色がありません。それだけきれいな女性でした。特に目がきれいな人でした。ある日、久しぶりにその女性を見かけたら顔が変わっていました。注意してみると目が違うのです。私の友だちがそのことを本人にに訊ねたら、「私は子どもの頃からこの目が、目のまわりが気に入らなかったの!この鼻の形も嫌い、また手術するの!」と言っていたそうです。
コンプレックスというのは私のような不細工でない人でもあるのですね。私は今までのあなたの方が好きでした。
私は今のままが本当の私なのだから、少しだけ好きになってあげて、愛してあげなくてはね!
そう、思いました。
毎日note。読んでくれてありがとう!
みんな、大好きだよ!
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