197.しあわせの黄色いハンカチ
愛を感じた若者たちの物語
男は苦しかった・・。
男は悲しかった・・。
その男は自分の未来を信じることができなかった・・。
その男は6年3ヶ月の長き時を地上の世界に居ることが出来なかった。
いつのまにか人生の半ばを超え、人はこの男のことを中年男と呼ぶ。
男はあてもなく北海道の網走から夕張にゆっくりと足を向けた。
彼の名は勇作という。
もう一人の男がいた。その男は失恋し会社をやめ自暴し、退職金を叩いて新車を購入してあてもない北海道に旅に出た。網走に着くと寂しさからか手当たりしだい女性に声をかける。しかし誰もその男を相手にしない、誰からも相手にされない・・。
まだ若き20代後半の男。彼も未来を信じることができず、人生に挫折していた。
彼の名は欽也という。
彼女はあてもなく網走に立寄った。1人旅である。まだ年若い彼女は失恋し、男を信用できなくなっていた。これから何を信じ、何を求め、どう生きていけばいいのだろうか・・。もしかすると彼女は死を決意していたのだろうか?
彼女の名は朱里という。
3人はそれぞれの問題を抱えながら網走で偶然の出会いをした。
彼らの共通点はみな人を信用することができないことだった。
しかし、3人は不思議な出会いの中で一緒に旅をすることとなる。
やがて、刑期を終え出所したばかりの勇作の重い沈痛の顔、暗い過去の出来事、長い刑務所生活の事情を知り、欽也と朱里はなかなか煮え切らない勇作を連れて夕張の町に向かうことになる。
勇作にはある約束があった。しかし今となってはその約束が守られるはずがない、と考えていたからだ。その約束とは愛する妻光枝のことだった。あの事件から6年が過ぎてしまった・・。俺は犯罪者だ。さらに光枝を大切にすることが出来なかった、という悔しさと悲しさが彼の心と身体を縛る。彼の脳裏をまたかすめた。その約束とは、
「もし、まだ待っててくれるのなら、黄色いハンカチをぶらさげてくれ・・駄目ならそのまま消え去る・・」
もしかすると光枝はその約束を覚えているかもしれない・・。
もしかすると光枝はその約束を覚えていないかもしれない・・。
もしかするともうすでに新しい家庭を築いているかもしれない・・。
こんな犯罪者のたわごとを信じてもらえるわけがない。
あれだけ酷い仕打ちをしておいて許すわけがない。
勇作は現実を見ることを恐れていた。
この世の中でたったひとり愛した人。
この世の中でたったひとり信じた人。
そう、もう時間は戻らない・・。
苦しむ勇作の姿を見ていた欽也と朱里も恐れた。
今の時代にそんな純愛などありえない、そう想っていた。
しかし、2人は自分の人生と当てはめて勇作の話に耳を傾けた。
もしかするとその女性は待っててくれているのではないだろうか?
もしかするとその女性が本当に待っててくれたらどうすれば良いのだろう?
2人は勇作にそっと希望を託してみた。
そして3人の旅の終わりが夕張で訪れた。
勇作はその場所に目を向けることができない。
なぜなら勇作の人生のすべての答えがそこにあるからだ。
もし、黄色いハンカチがぶら下がっていなかったら・・。
欽也と朱里もたまらず顔を背けていたが、思い切って見に行くことにした・・。
ただ静寂が続く・・。音も何もなくまるですべての時間が止まってしまったかのような時が過ぎる。
「あ!黄色いハンカチがあった!!あった!あった!・・」
その幸せの黄色いハンカチは鯉のぼりのように風に揺れ、まるで3人を待っていたかのように何かを語りかけていた。そのハンカチの数は一枚ではなく青い空に向かいパタパタと何十枚もが揺れていた・・・。
そしてその幸せの黄色いハンカチは多くの者に語りかけていた。
「永遠の愛もある」
「人はみな優しい心を持っている」
「人はみな美しい心を持っている」
「人生はまだまだ捨てたものではない」
「もっともっと信じてみよう、自分の未来を」
「もっともっと人を愛してみよう」
きっとそう語りかけていたに違いない。
この物語は昭和52年10月1日公開された日本映画「幸せの黄色いハンカチ」原作ピート・ハミル、山田洋次監督作品で高倉健、倍賞智恵子、武田鉄也、桃井かおり主演の映画で第1回日本アカデミー賞、キネマ旬報ベストワンなど昭和52年度の映画賞を総ナメした山田監督の代表作です。
この本文は特に原作はなくcoucouさんの映画を見た勝手な想い出の妄想です。
coucouです、みなさん、ごきげんよう!
coucouさんが企画する毎年恒例の大イベントがあります。毎年、観客動員数約50万人という規模で、昨年は567がわずかに沈静化していたため、42年目、第42回目(497,000人の観客動員数)を開催しました。このイベント全体会場において「しあわせの黄色いハンカチ」をcoucouさんの故郷の地に復活させています。
今回のお話は「しあわせの黄色いハンカチ」に優しさを感じ、愛を感じた若者たちの物語でした。
黄色いハンカチには夢や希望、しあわせを表す意味があります。
あれから33年を超えて、ハリウッドでこの黄色いハンカチが映画公開されました。
そして、33年たった今、「しあわせの黄色いハンカチ」が再び蘇りました。
これは、coucouさんが提唱し続けている「YES運動」と新しく「しあわせ運動」として始めたものです。
多くの人たちにこの「しあわせの黄色いハンカチ」を街中に飾ってもらい、手に持ってもらい、あらゆる会場が黄色いハンカチに包まれるというイベントとして登場しました(動書の著作権及びネーミングの商標登録は当会に帰属しています)
幸せな人たちは黄色いハンカチをイベントの当日に玄関や出窓、車のウインドウ、自転車や学校のカバンなど、バンダナ、タオルで町中を黄色く染めるのです。もちろん、街道のイチョウの葉が色づく11月に行っています。
さて、毎年、しあわせな人たちがいっぱい増え続けています。
みなさんも来年の11月の黄葉に合わせて家の周りに黄色いハンカチはいかがですか?
皆さまにしあわせを差し上げます。
今日も、最後まで読んでくれて
みんな~
ありがとう~
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