見出し画像

374.最近は、珍しいことだけど、写真や映像を撮るのが怖い…、と言う人もいる。

「表現の自由」「報道の自由」「撮る自由」と言えるの?撮るという責任がある。

©NPО japan copyright association


最近は、珍しいことだけど、写真や映像を撮るのが怖い…、と言う人もいる。
珍しいという言い方をしたのは、ほとんどの人が写真や映像を撮ることに対して躊躇なく、迷いなく、怖いなんて考えずに撮っている人たちが多いからだ。
そして、ほとんどの人は「撮る自由」を主張している。
問題は撮ることではなくて「撮り方」にある。

ただ、撮ることは何も問題はないのだが、ただし、人に不快を与えたり、あらかさまに人を傷つける行為のことをいう。
それでは、現実的に「撮る自由」がなくなると文句をいう人もいるが、「撮る自由」のために人を傷つける行為は認められるものではない。

例えば、見も知らぬ人からカメラを向けられる。理由はわからないが何枚も、何枚も勝手に撮る。撮られる側の立場に立てば嫌な気持ち、不快感を与えている。逆に、自分が見知らぬ人から写真を撮られたとしたら嬉しいだろうか?嬉しいなんて思う人はいない気がする。

じゃあ、何のためにカメラがあるのか?なんのためにスマホにはカメラが搭載されているのか?誰もが自由に写真や映像を撮ったりできるようになっているじゃあないか?
犯罪や、事件、事故などの証拠写真となるし、災害のときだっていち早く状況を伝えることができる。そのおかげで人だって助かる場合もある。

おつしゃる通り。
その変り、その写真や映像で危険を知らせたり、なにかの証拠として残せるものを否定しているわけではない。
問題は「使い方」「撮り方」にある。

最初に「使い方」だが、災害現場や事故現場の映像、怪我や災害で苦しんでいる人たちの写真や映像のほとんどは公開すればプライバシー侵害はもちろん、肖像権侵害となる。
霞が関のサリン事件は有名だが、当時の撮影は「報道の自由」というニュース性があり、霞が関駅構内、改札口、駅前にたくさんの人たちが苦しみ喘いでいた。駅員さんや消防士、警察の人たちも被害を受けて亡くなった方々もいた。たった今も、後遺症で苦しんでいる人たちも存在している。

当時、の写真や映像のほとんどは、路上で苦しんでいる人たちの姿が報道されていた。そして、その報道はほとんどのテレビ局が放送し続けた。それだけかつてない大事件だった。
しかし、いつまでも同じ写真や映像がテレビに流れ続けた。そこには自分の父や母の姿、子どもたち、友人、知人の苦しみ喘いでいる姿が映し出され続けていた。その姿を見るたびに家族の人たちはどれだけの嫌な不快な思いと、深い傷を負ったのだろう。

これが「表現の自由」「報道の自由」「撮る自由」と言えるのだろうか?やがて、様々なクレームが続き、テレビ、雑誌関係は写真や映像に「ぼかし」を入れるようになった。当時のマスコミはのほとんどが「報道の自由」という名を借りた暴力団と化していた。

※地下鉄サリン事件は、1995年3月20日に日本の東京都で発生した同時多発テロ事件である。警察庁による正式名称は、地下鉄駅構内毒物使用...-Wikipedia

今から29年前の事件だ。今でこそスマホやデジカメが普及している時代だが、この当時には存在していなかった...。また、肖像権という独立した法律はなく、人権侵害、名誉棄損等のプライバシー権などだった。

また、誰もが知っている写真誌フォーカス、フライデーといった許可なく芸能人や有名人のプライバシーなどを撮影し、社会問題となっていく。当時は裁判で訴えられても「撮ったもん勝ち」、というスクープ合戦、競争の時代でもあった。

写真や映像はその利用方法によっていつでも凶器と化す。
ポケットにカッターを忍ばせて使わなかったとしても、そのカッターはいつでも凶器となる。そう、「使い方」にある。


13人が犠牲に・・・オウム地下鉄サリン事件から19年(14/03/20)

【NNNドキュメント】松本サリン事件 犯人視された河野さんが語る妻の存在 長野 NNNセレクション


©NPО japan copyright association


※本内容は、しばらく「肖像権」シリーズとなります。
我が国、1億数千万人、すべてがスマホを持つ、一億総カメラマン時代。
現在、様々な場所でこの写真、映像の問題がトラブルとなっています。写真や映像を撮影した者には「著作権」があり、写された者には「肖像権」があります。「撮る側」には「撮る権利」があるといいますが、撮られる側には「撮られたくない権利」というものがあります。
もっとも大切なことは「撮る側」は人を傷つけてはならないという最低限度のルールやマナーが必要になります。
撮っただけであくまでも「個人的利用」「私的使用の範囲」だという人もいますが、たとえ、公表し、使用しなかったとしても、「隠し撮り」「盗撮」のような、悪質なものもあります。「撮る行為」というのは利用の仕方によっては「暴力」と化します。あまりにも安易に写真や映像が簡単に撮れる時代だからこそ、注意と配慮が望まれます。

本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
                    特定非営利活動法人著作権協会


                    特定非営利活動法人著作権協会


「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)


↓著作権noteマガジン


Production / copyright©NPО japan copyright Association
Character design©NPО japan copyright association Hikaru

        


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?