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映画 記事まとめ

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映画の感想文や、おすすめ映画について書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#映画」「#映画感想文」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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2022年11月の記事一覧

映画『窓辺にて』、結婚ってなんなのよ。

稲垣吾郎と言われ浮かぶイメージは人それぞれだろう。そして多くの人が抱くであろうイメージがひょっとしたらこの物語の主人公・市川茂巳のような人物かも知れない。 個人的には最後まで市川茂巳という人物は謎のままだった。でもこれはこれでおおいに納得してしまう。中性的で、透明感があり、不思議なくらい嫌味がない。でもつかみどころがないのがまさに稲垣吾郎でもあるのだから。 妻が新人作家の荒川と浮気をしていることを知り、怒りの感情がわかないと悩む市川に失礼ながら「知らんがな」と思いつつ、あ

映画すずめの戸締まりと私の戸締まり

【注意ネタバレあります】 なんだろう? なぜだろう? 近しい人たちが観に行き、感動のコメントをしている。 映画アプリを観ても、2回3回観に行きたい、すでに観たという感想が多い。 低評価もあるが、私が目にしたのは一部だ。 だが。 映画鑑賞中も、終わった後も、 涙も出ないし、大きく心も動かない。 観ている時も観た後も、私の内側は無風状態なのだ。 東日本大震災が起こった時、大阪で暮らしていた私は、揺れも恐怖も不安も体感していない。近しい人たちの話、ニュースなどの情報から、心

【宣伝編】こんなコピーじゃ全然ダメだ #週刊MONDAYS #映画MONDAYS

また月曜日がやってきました。年末進行の大波が見えてくるこの時期、しんどい気持ちになりつつも「年末年始のお休みも近づいてきてるのでちょっと嬉しい…」と複雑な気分になりますね。ともに乗り越えていきましょう。 映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』をご覧いただき、本当にありがとうございます。 予算の小さな作品だったゆえにパンフレットを作ることが叶わなかったのですが、この#週刊MONDAYS で少しでも制作の裏話をお届けできればと思い、特別連載を

¥300

今更ながら自己紹介。 #いいねの数だけ映画好きが答える

既にnoteを何本か投稿しているのですが、まだ自己紹介をしていないことに気付いたので、このタイミングでさせてもらいます! 『#いいねの数だけ映画好きが答える』画像の質問に沿って進めていきたいと思います。 ① 好きな映画のジャンルは? これは断然ホラー映画!中でもスラッシャー映画(殺人鬼モノ)は、小さな頃から好んで観ている気がする。 さらに言うと、ティーン・エイジャーが主人公の作品群が大好きで、若い男女の悲鳴でしか得られない栄養素、…刺激があると思っている。 殺人鬼た

奇跡的なシンクロが起こってヴェネチア国際映画祭に参加できた話。

映画「kingyo」主演で2009年ヴェネチア国際映画祭に参加した時の写真が出てきた。 監督は「ムーンライト・シャドウ」のエドモンド・ヨウさん。 大きなスーツケースに振袖を詰めて、ヴェネチアの石畳を歩いたのを思い出す。たったひとり夜中の2時に現地に着いて、ホテルが見つからず、その辺のイタリア人に道を尋ねるもみんな違う方向を指差し、半泣きになりながら1時間くらい迷ってようやくホテルに辿り着いた。 普段から着物は着ていたものの振袖の着付けが初めてだったので、狭いホテルで悪戦

映画『蜘蛛巣城』 写実と様式。野心を描いた野心作(ネタバレ感想文 )

「午前十時の映画祭」で4Kデジタルリマスター版を鑑賞。 恥ずかしながら初鑑賞。 この映画は、シェイクスピア作品を日本の戦国時代に置き換えたというよりも、シェイクスピア劇を能に翻案したという印象です。 三船と山田五十鈴の顔はまるで能面でしたもん。 冒頭、「昔々、蜘蛛巣城というお城がありました」ということを映像だけで見せるんですね。 今時の作品なら台詞や字幕で処理しているところです。 映画は画面で語る。今の作品は安易に台詞に頼りすぎ。 この冒頭は後々、「兵どもが夢の跡」的な

「ザ・メニュー」美食とは無縁の、資本主義のハイエナども

どうも、安部スナヲです。 公開前、映画館に貼られたこのポスタービジュアルを見た時から、絶対観にに行くと決めてました。 料理の皿を前に頬杖をつくアニャ・テイラー=ジョイ。その後ろに尊師様みたいな風体で佇むレイフ・ファインズ。 そしてタイトルが「ザ・メニュー」 このビジュアル、このキャスティング、このタイトルから、どんな映画なのかはあらまし想像がつくのですが、きっとそれが狙いで、私なんかの想像をキレイサッパリ裏切る展開が待っているにちがいない!と期待に胸を膨らませ、そして

マニアック/空の入れ物に入るもの

※「マニアック(1980)」のネタバレを含みます。  1980年公開の「マニアック」を見たので、他作品との奇妙な符合について考えた。  「マニアック」は主役のジョー・スピネルが製作総指揮、原案、脚本、主演を務めた渾身の作品だ。鬱屈した男の日常や目を背けたくなるような暴力描写が共通することから、同じ時代にスピネルがタクシー会社の受付役で出演した「タクシードライバー」と血を分けた兄弟のような作品にも思える。 ただし、デ・ニーロ演じるトラヴィス・ビックルとは違い、スピネルの扮す

【映画】鉄の意志を持つ少女「トゥルーグリッド」

 コーエン兄弟が、巨匠スティーブン・スピルバーグと初コンビを組み、1969年の西部劇「勇気ある追跡」をリメイクした作品として2010年に公開した。ぜひ、みなさんに紹介したい映画です✨ 同じくコーエン兄弟の作品で、↓ の「ビッグ・リボウスキ」という映画のレビューもしたが、主演男優のジェフ・ブリッジスがこの映画にも出演(コグバーン保安官)しており、圧倒的な存在感を放っている。 この映画は当時、女性が発言権を持たなかったアメリカで、しかも少女であるマティー・ロスが「この世で代償

【最新作云々㊳】"測り難きは人心"他人が羨む経歴にこそ闇がある... 令和版のサラリーマン"蒸発"物語の映画『ある男』

 結論から言おう・・・・・・こんにちは。(♡´ω`♡)  スーパーガンダムは素体のガンダムMk-IIが黒いティターンズカラーのほうが断然カッコよかったのに…と思ってる、O次郎です。  今回は邦画の最新映画『ある男』です。  とある女性が再婚するもその相手と数年後に死別。告別式にて初めて対面した親族の証言で彼が全くの別人で名を騙っていたことが解り、彼女が知人の弁護士と共に彼の正体を探っていく中でその入り組んだ複雑な事情と人間模様が明らかになっていくミステリー。  数々の文学賞

2022年11月に観た映画

ループせず日々は続いているので、気付けば今年もあと1ヶ月。 窓辺にて 今泉力哉の新作は完全オリジナル脚本とのことで、監督の世界観を存分に味わうことができる、純文学を1ページずつ丁寧に読んでいるような気持ちにさせる極上の作品となっている。 「結局、人を愛するって、好きになるって何?」ということを描き続けている作家である。 この物語に出てくる人はみな「正しさ」で生きているわけではない。 そんな人たちが悩んで、もがいている様は現実の私達そのものだろう。 どこかズレた人と人の出

私は母性を想像することしかできないけど

私は女性で、既婚者。年齢は30代前半。 パートナーは男性で、籍を入れて4年経つ。 一緒に暮らし始めたのは、それより少し前だ。 子どもはいない。 宿したことも、ない。 母は映画を見るのが好き。私は本を読むのが好き。 会った時にはよく互いが見たり読んだりした作品や、 今気になっている作品について話す。 ある日、母が「CMで見る『母性』見たいんだよね」と言った。 私はまだ原作を読んだことがなかった。 主演である女優二人の演技は実力派だし、 原作を執筆した作家の他作品は過去拝読し

12/3(土)『泣いたり笑ったり』トークイベント開催決定!@YEBISU GARDEN CINEMA

12/2(金)より全国公開の『泣いたり笑ったり』待望の日本劇場公開を記念して、12/3(土)にYEBISU GARDEN CINEMAにて、ゲストに映画コメンテーターのLiLiCoさんと、映画ライターのよしひろまさみちさんをお迎えしたトークイベント開催決定!皆さまのご来場を心よりお待ちしております。 ●日時:2022年12月3日(土) 11:30の回上映後 13:20~13:50 ●会場:YEBISU GARDEN CINEMA (東京都渋谷区恵比寿4丁目20−2) ●ゲス

映画「天使のくれた時間」は一度だけの人生の選択を考えさせられる史上最高のヒューマン&ロマンス&ファミリー映画‼️

切なさが心のど真ん中を貫くラストが忘れられない。 寒くなると必ず見たくなる最高の映画だ。 「天使のくれた時間」映画レビュー「天使のくれた時間」は一度だけの人生の選択を考えさせられる史上最高のヒューマン&ロマンス&ファミリー映画‼️ もしあの時、YESとこたえていたら? もしあの時、別の選択をしていたら? 今、ふたりはどうなっていたのだろう。 名作「素晴らしき哉、人生!」を大胆にアレンジした作品だけど、私にとっては名作を超えてかなり人生に影響を与えた大切な映画の一本