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#マンガ感想文 記事まとめ

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マンガ感想文や、おすすめのマンガの紹介について書かれた記事をまとめた公式マガジンです。
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2023年9月の記事一覧

2023年9月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。 新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。 ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売され

2023年9月の本棚

9月に読んだマンガをまとめていきます。 ゆうやけトリップ 2 / ともひ(芳文社) 新聞部員の茜は町の心霊スポット取材を通して、仲良しの雨村さんと二人だけの放課後を過ごしていく。ノスタルジックほんわかホラー。 怪談の正体はどれも単なる枯れ尾花ですが、それがそうだとわかった後に流れる優しい時間や消えてなくなってしまいそうな町の情景、二人の心地良い会話、いつまでも読んでいたい。 約2年半ぶりの待ちに待っていた新刊。1巻と比べてだいぶ分厚かった(1巻137ページ、2巻201

思い出なんかいらん論【#マンガの話がしたい】

大好きなバレーボールマンガ『ハイキュー!!』の作中に「思い出なんかいらん」という言葉があります。 最近、この言葉を改めて反芻していて、やっぱり良い言葉だな〜、としみじみ感じたので、自分のマンガ体験における「思い出なんかいらん論」について考えていきたいと思います。 ▲ 今さら説明するまでもないですが、『ハイキュー!!』とは、週刊少年ジャンプにて2012年2月から2020年7月まで8年半にわたって連載された、バレーボールに懸ける高校生たちの熱い青春ドラマを描いた作品です。コ

【#WJ43】週刊少年ジャンプ2023年43号感想【寿司いくら】

アンケ1:暗号学園 2:アスミカケル 3:ツーオンアイス ジャンプ歴20年Vtuber寿司いくらのジャンプ感想です。 毎週火・水曜22時からの配信でも感想を語ってますのでそちらもよろしければどうぞ! ↓配信アーカイブ 【#wj43】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ43号の感想を語り合おうぜ!前半戦!【ご、五条悟……ッッッ!!?】 【#wj43】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ43号の感想を語り合おうぜ!後半戦!【暗号学園、まさかの華衣さん】 ●ツーオンアイス

君は見たか 葦名の地で落ち武者の凄絶な死合を描く「SEKIRO外伝 死なず半兵衛」

 アーマードコア6が発売してはや一ヶ月。今をときめくゲーム会社フロムソフトウェア、そのARPGの傑作のひとつとしてエルデンリング・ソウルシリーズやブラッドボーンに並びSEKIROが有名だ。  Steamでも高評価を受けており、すでに押しも押されぬ名高い剣戟アクションではあるが実はSEKIROにスピンオフ作品があることは意外と知られていない。  最近はフロムもコミカライズに力を入れており、ブラッドボーンのアメコミ化などマンガ展開を積極的に行っている印象がある。ニキイチ先生のエ

『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス9 宇宙船製造法』 : 「少し不思議」な物語たち

書評:『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス9 宇宙船製造法』(小学館) 「藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス」第9巻は、全10巻のうち第7〜10巻の「少年SF短編」シリーズの3冊目にあたり、1979年に、少年誌である『週刊少年サンデー』『こどもの光』『マンガ少年』の各誌に発表された、計8作品を収録。 したがって、内容的には「子供向け」が強く意識されている。 収録作品は、次のとおり。 また、巻末には、藤子のエッセイ「ぼくにとってのSFを考えてみ

黄泉のツガイ 1巻 【ネタバレあり読書感想文】 今度は和風のダークファンタジー

★★★★☆ Amazonでレビューしたものです。 例によってまだ掲載されません →掲載されましたー 1.荒川先生大丈夫ですか? 「鋼の錬金術師」「銀の匙」「百姓貴族」とアニメ化実写化映画化をされた、超人気漫画家荒川弘先生の最新作。 現在も「アルスラーン戦記」作画連載中であり、「百姓貴族」は続いております。 そこへきて、 次の連載開始、、、?! 「銀の匙」等の連載が中断していたのは、ご家族が病気だったりしたと聞いていたのですが。難病だとか。 3つ目の作品になりますけど、

読んだ本・マンガのレビュー・感想 2023.9.11~9.20

評価の目安 ★3.0 ふつう。心が動かされなかった。 ★3.5 良い。読んでよかった。 ★4.0 すごく良い。何度も読みたい。 ★4.5 最高に良い。出会えてよかった。 いじめるアイツが悪いのか、いじめられた僕が悪いのか? 1巻 ★3.3★3.3 過去にいじめられた人が教師になって、いじめっ子の子供にうらみをはらそうとする話。 こう立体感がないというか‥‥いまひとつ。 賭博堕天録 カイジ 24億脱出編 24巻 ★3.8★3.8 会話と想像だけで話はほぼ進まず。 次巻で出て

そもそもマンガは"整合性"に向いていない【#マンガの話がしたい】

さてさて。 この前バズっていたのはこんなツイート。 個別の作品にかんしては触れない方向でいきましょう。 アニメも無頼漢なので触れません。 しかしマンガに関していえば、そもそも「整合性」とか「メッセージ」を伝えるのは不向きなジャンルであり、バズり目的……つまり何よりもまず強いインパクトでひっぱる、ということはある意味マンガの正道なのではないかとわたしは思っているのです。 ここでいう「マンガ」は大手週刊誌で連載し、長期間連載されるような比較的大衆的な「マンガ」のことです。だ

【#WJ42】週刊少年ジャンプ2023年42号感想【寿司いくら】

アンケ1:暗号学園 2:アスミカケル 3:カグラバチ ジャンプ歴20年Vtuber寿司いくらのジャンプ感想です。 毎週火・水曜22時からの配信でも感想を語ってますのでそちらもよろしければどうぞ! ↓配信アーカイブ【#wj42】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ42号の感想を語り合おうぜ!前半戦!【カグラバチ、キメゴマ強ェ!】 【#wj42】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ42号の感想を語り合おうぜ!後半戦!【ドリトライ、癖が強ぇ最終回なのか…!?】 ●新連載

巨星を共同して輝かせること(石塚真一のマンガ『BLUE GIANT 』について)

 サックスの演奏には不可欠なリードと呼ばれる器具がアップで描かれた冒頭の1コマから、5つのコマを使って、詰め襟姿の男子高校生の演奏準備の様子が、印象深く描かれてゆく。石塚真一の長編コミック『BLUE GIANT』の最初の1ページの場面である。最終コマでは、サックスとサックスに添えられた高校生の左手が描かれた絵に、高校生自身の声が重なる。「世界一のジャズプレーヤーに、なる」。素朴すぎる決意表明に赤面しそうなものだが、そのような凡庸な反応を忘れさせてしまうところに、この作品の強さ

10万人の漫画家志望者が漫画家を目指して実際に漫画描いて食って行けるのは1人いるかいないか…は漫画に携わるものの実感なのか。

先般上梓された,とよ田みのる先生の「これ描いて死ね」第4巻で, 最も心に残ったのはプロ漫画家のへびちか先生の 「10万分の1理論」だった。 「漫画家志望者が10万人いたとして」 「漫画を描く,いつか描くと口先だけで描かない人が9割いて脱落」 「残りの子達の中で賞が取れるのが1割」 「その1割の中で読み切りを描かせて貰えるのが1割」 「その1割の中で連載を取れる子が1割弱」 「その1割弱の中で安定して連載が続けられるのが1人いるかいないか」 …とここまで生存競争の凄まじさを

『バンオウ-盤王-』第37話「銀色の巨人」感想 滝川さんあまりにもあざといな実にあざとい

◆サムネリニューアル9月22日(金)に『バンオウ-盤王-』の最新第37話が配信された。 ↑のリンクの時点でなんかもうおかしいが、本編の前にまずこちらを見て頂きたい。 サムネが変わなんでお兄ちゃんなんだよ!?おかしい!! ジャンプラ連載作品はサムネをリニューアルするケースが稀によくあるのだが、これまでの1巻表紙の月山さんから一転して3巻表紙のお兄ちゃんに変更となった。3巻表紙の時点で危うかったが、こうしてサムネにも起用されるとますます将棋漫画の形をしていない謎漫画にしか

「のあ先輩はともだち。」のスパイシーさと理人くんのアジリティに唸っている

 Ha郎♪(某ピエロリスペクト)  季節の変わり目だがお加減はいかがだろうか。おれは読書の秋に向かいつつあるのに一向に涼しくならない気温と戦いながら日々を過ごしています。  今日は密かに自分の中で熱くなりつつあるヤンジャン連載中のマンガ「のあ先輩はともだち。」の紹介をやっていこうと思っている。  とはいえ紹介と言っても7月から連載し始めた新作だしおれも最近読み始めたのでちゃんとこのマンガをわかっている自信がない。紹介をしながら自分の中で作品への理解を深めたいみたいなところ