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『バンオウ-盤王-』第37話「銀色の巨人」感想 滝川さんあまりにもあざといな実にあざとい


◆サムネリニューアル

9月22日(金)に『バンオウ-盤王-』の最新第37話が配信された。

↑のリンクの時点でなんかもうおかしいが、本編の前にまずこちらを見て頂きたい。

サムネが変わなんでお兄ちゃんなんだよ!?おかしい!!

ジャンプラ連載作品はサムネをリニューアルするケースが稀によくあるのだが、これまでの1巻表紙の月山さんから一転して3巻表紙のお兄ちゃんに変更となった。3巻表紙の時点で危うかったが、こうしてサムネにも起用されるとますます将棋漫画の形をしていない謎漫画にしか見えなくなった。

なんか、小規模なエイプリルフールがはじまったみたいだ。
お兄ちゃんも四月馬鹿当日はジャンプラジャックしてそうだもんな。月山さん推しだからサムネ全部月山さんにしそうだもんな。

ただ、これはこれで何の漫画なのか新規読者への興味を示させる(PVを高める商戦)には良いかもしれない。案外サムネって興味を持たせるうえで大事だからな。まあ、金曜配信組の中ではいつも上位に位置しているのだが、個人的にもっと評価されるべき漫画なのでどんどん増えていけばいいと思うし、単行本も買っていただけると幸いである。下にAmazonリンク貼ったから買ってね。(媚を売る)

◆新キャラ・滝川さん

~前回のあらすじ~

月山さんの次の対戦相手は滝川さん。どうやらアマチュアの登場にはあまり好意的ではないようだが…?

うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんもう好きになってしまった。

もう1ページ目からバンオウ特有のおもしれー男センサーがビンビンで、そこから期待に応えてくれる予感しかなかったのだが(この漫画は信頼度がでかいからね)、いざ蓋を開けばあざとかわいいランキング上位に一気に上り詰めてきた。
先週ラストの時点で「なんかピリピリしているけど、例によって好きなキャラになれるでしょう」と特に心配していなかったし、それは計画通りだったのだが、まさかこんなおもしれー男になるとは読めなんだよ!

闇の世界の住人…?

月山さんって子供たちからも親しまれているんだよね…
だがまあ、滝川さんのように何も知らない人からすれば月山さんは闇世界のブローカーとか見間違えられても無理はないだろう。将棋で賭博なんてのも有り得なくなさそうだからな。月山さんはイケメンだし顔が良いのだが、やはり勘違いされかねない外見こそ重要だとわからせてくれる。結果的に月山さんも滝川さんもギャップ萌え全振りなんだけど。
滝川さんはこれから月山さんのことを知っていき距離を縮めそうだが、綿引先生のことだから面白おかしくイジりそうだなあ。月山さんが将棋教室で子供たちに気さくに指導しているのを見て「エエッー!?」となっている姿も想像できるし、ワルの吸血鬼っぽくスッポンの血を飲んでいる姿で「やはり闇の世界出身じゃん!?」とアンジャッシュさせるのも面白そうだ。

◆絹ごし豆腐メンタル

死体蹴り上等の精神で言いすぎじゃねえかな!!
まあいちおう「滝川八段は強い!!しかし弱い、だから応援したくなる!!」とフォローされていたけど!でも強いのか弱いのかどっちなんだい!

今回便所に籠っていたくらい胃を悪くしていた滝川さんは正念場に弱いタイプの棋士。真面目にリアルに考えると、滝川さんの心境が手に取るようにわかる。将棋以外なら、練習ならヘーキだけど本番にはすごぶる弱い。そう書くとものすごく分かる。

今回、鬼つええダークホースとして進軍しつつある月山さんを脅威と見做すのも無理はない。プレッシャーが半端ない状況になってもいい。そりゃあ嫌ですよ。
月山さんのことを変なアンジャッシュしてしまったのだから、ますます胃が悪化する変なデバフがかかってしまったのではなかろうか。そこを乗り越えられる名勝負となってくれるだろうか。ハードルは極めて高いが。

でも、このメンタルで八段まで上り詰められたなら上出来なのでは?
これで辞めずに続けられるのもすごいと思うのだが。別のベクトルでのメンタルは強靭なのでは?たぶん、これまでひとつひとつ昇段していったときは相当解放感に包まれていたんだろうなあ。
もちろんそういうのはぼくの勝手な想像であるが、そういう想像をしたくなったくらい滝川さんの人物像がハッキリ明確に描かれたのはスゴイ。この漫画はそういう魅力的なネームドを幾度も輩出してきたが、今回も例に漏れずだった。

◆銀

ここまでおふざけ要素が大半を占めていたが、最後はきっちり決めるこの漫画。
天草先生曰く、滝川さんは「ゴリゴリの力戦派」「誰にも真似できない将棋」「月山さんが最も苦手なタイプ」「天敵」。あの天草先生が言うのだから間違いない事実だ。具体的にどのような戦況を繰り広げるのかは分からないが、月山さんの体力をガッツリ消耗させるのが嫌でも想像できてしまった。ただでさえ連戦続きで体調を心配してしまうんだよな…

滝川さんは月山さんの戦法を研究してくれているし、何気に月島さんのことをさん付けしてくれたし、今回の観戦記者が仲田さん(恐らく彼の知人)で負けられない気持ちを露わにしてくれたのも応援したくなる要因だ。仲田さんは将棋の楽しさを教えてくれた恩人だったりするのだろうか?滝川さんは部屋にダンベルがあったので、将棋を指す前はソレとは無縁の道を志していた可能性も想像できる。

今週サブタイ「銀色の巨人」は滝川さんへの示唆なのは間違いない。
そんな滝川さんは今週中盤にてシルバーコレクターと呼ばれていた。11回もタイトル戦に出場した上で、一回もタイトルを取れていないとのこと。オリンピックでいうなら、金メダル未獲得でありながら銀メダルは大量に手にしていたポジションなのだろう。

吸血鬼にとって定番の毒のひとつである「銀」。
故に、月山さんにとって「天敵」と呼ばれているのが面白い。それでいて、この表現から無理矢理なクサさを感じられないのもポイント高い。

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