#12 その地に足をつけるために
私は1つのところに長く留まるのが苦手だ。
飽き性なので、すぐ新しい酸素がほしくなってしまう。
学生時代のアルバイトは半年から1年程で辞めていたし、
引越しもよくしている方だと思う。
何かを極めることもなく、そのくせ居場所を求めてふらふらしている。
そういう甲斐性のない私が
どうして留学に行ったかというと、
大学院にいるのが息苦しくて、あと自分が社会に出ても何の役にも立たなさそうで、
新しい街で、透明になりたかった。
この時の透明というのは、街に溶け込み日常を暮らすという意味