mumin

これは私的大渡海 日々のなかで見聞きした言葉が繰り返し思い出される時、それは既にわたし…

mumin

これは私的大渡海 日々のなかで見聞きした言葉が繰り返し思い出される時、それは既にわたしを捉えているでしょう ラッキーカラーは透明 ラッキーナンバーはiでしょう

マガジン

  • 旅と音楽

    これは私が留学していた時の、所々で覚えているつもりの記憶と、その頃聴いていたグッドミュージックを意味なく広大なネットの海に放つ試みです。 週1更新、全12エピソード予定。 https://anchor.fm/musicandjourney

  • 日歌

    日々の短歌をまとめました。

  • 編歌 2023

    2023年に詠んだなかから10の歌を編みました。

最近の記事

  • 固定された記事

Something Best in 2023

歳の瀬、会う人会う人のベストバイを聞いている。 久しぶりの人でもよく会う人でも、その人の1年の、印象深いいくつかの出来事が垣間見えてたのしい。嬉しい。 私のベストバイは 1. Louis PoulsenのPH5 mini 2. DENONのヘッドホン 3. Barbourのビデイルジャケット です。 あなたのベストバイはなんですか。 さて本題。 今年も沢山のグッドミュージックに出会えた。 悲しみの淵に尚 そこにある音楽がどれだけ心強かったか。 人の手の軌跡を何度もなぞ

    • #3 明け方、ナイルエクスプレスの汚れた窓の話

      エジプトと聞くと、何をイメージしますか。 それは、砂色ではありませんか? 冬になろうとするその秋、 留学先の授業の一環でエジプト旅行に行った。 Hassan Fathyという建築家の作品を主目的として、カイロとルクソールという街を回った。 カイロからルクソールに移動するため、 ナイル・エクスプレスという夜行列車に乗る。 夜の駅舎は始めから不穏で、 埃っぽい空気と水たまりの中、 溢れかえる現地人の隙間で西洋人と東洋人、 つまり外国人の我々は心もとない面持ち。 併設のカフ

      • #2 人生で一番美味しかった飲み物の話

        人生で一番、美味しい!!!!と思った飲み物の話をする。 時は恐らく12月、すごくすごく寒くて痛い冬の日だった。 場所はスイスとイタリアの国境近く、コモという街。 クリスマスが近く、街は屋台が沢山出て、教会のファサードにはプロジェクションマッピングが投影され、にぎやかな雰囲気だった。 友人2人と建築を見に来たはずが閉まっていて、 帰りの電車の時間までぶらぶらしようとしたけれど、めちゃくちゃ寒い。 風が痛くて耳が痛い。手が凍るくらい。 でもレストランで食べる程の時間の余裕はな

        • #1 スイスの山はいつもそこにある話

          昔、スイスに1年留学していた。 スイスの山はあまりに大きい。 遠くにあるから透明度が40%くらいのレイヤーに見えるけれど、 大きいからはっきり見える。山の凹凸に沿って走っている雪の筋もよく見える。 それがなんだか、はりぼてみたいに見えたのだった。 というか、平面的なUSJの背景のように見えた。 本物を模した絵のように本物を見てしまう。 自分の目を信じ切れない距離感覚。 駅で電車を待つ間、家の窓を開ける時、自転車で学校から帰る時、 いつもそこに山の絵がそびえていた。 いつ

        • 固定された記事

        Something Best in 2023

        マガジン

        • 旅と音楽
          3本
        • 日歌
          26本
        • 編歌 2023
          10本

        記事

          #0 人生は映画みたい

          spotify for podcastersにて「旅と音楽」というpodcastを始めてみました。 これは 私が留学していた時の、 所々で覚えているつもりの記憶と その頃聴いていたグッドミュージックを 意味なく広大なネットの海に放つ試みです。 誰かが拾ってくれるかもしれないし、 いつまでもただ波間を漂っているかもしれない。 日々生きているあなたにしても、 1日のうち数分だけでも 意味の重圧から解放される時間があってもいいと思います。 この12片の記憶のかけらは、pod

          #0 人生は映画みたい

          喫茶店 流れる話 耳に入れ 出てくるなみだとコーヒーを飲む

          喫茶店 流れる話 耳に入れ 出てくるなみだとコーヒーを飲む

          食べること本を読むこと歌うこと 写真撮ること全部生きること

          食べること本を読むこと歌うこと 写真撮ること全部生きること

          旅をする 一枚一枚剥がれてく 空のことばも作りわらいも

          旅をする 一枚一枚剥がれてく 空のことばも作りわらいも

          東京がきらいなわたしが好きな東京の部分は神田-神保町の街並み 昔ながらの喫茶店やご飯処、書店、歴史の重みはどうせいつか消えてしまうのだろうと投げやりに思うけれど、文化が成熟に達している今 そういうお店に出会えることはせめてもの幸せかもしれないとか 思ったりする。胸がぎゅっとなるよ

          東京がきらいなわたしが好きな東京の部分は神田-神保町の街並み 昔ながらの喫茶店やご飯処、書店、歴史の重みはどうせいつか消えてしまうのだろうと投げやりに思うけれど、文化が成熟に達している今 そういうお店に出会えることはせめてもの幸せかもしれないとか 思ったりする。胸がぎゅっとなるよ

          なんとなく歩いて帰る雨上がり きょうの花束 あしたの生活

          なんとなく歩いて帰る雨上がり きょうの花束 あしたの生活

          桜の木 ただ手伸ばして何望む 蕾が今か待つ春ぞかし

          桜の木 ただ手伸ばして何望む 蕾が今か待つ春ぞかし

          春風を連れて改札抜ける人 花束抱えて歩いてく

          春風を連れて改札抜ける人 花束抱えて歩いてく

          茶を喫する場所

          喫茶店がすきです。 その年季は本当に積まれた日々だから。 塩ビタイルやメラミン化粧板ではなく。 たくさんの人が踏んでへこんだ、軋む木の床や、 黒ずんで丸くなったタイルがその歳月を物語っている。 沈んだ暗がりに歴史と誇りを感じたりする。 私にとって喫茶店で過ごす時間というのは 呆然とする時間であり、 思考する時間であり、 遅くなってもいいからとにかく自分の言葉で話す時間であると最近思うようになった。 喫茶店に一人でいる人は皆自分勝手モードだ。 皆自分のことをしている。それ

          茶を喫する場所

          裸木の寂しくみえる指さきに蕾がともるどうやら春らしい

          裸木の寂しくみえる指さきに蕾がともるどうやら春らしい

          この先も光あつめてシャッターを切るとき探す29歳

          この先も光あつめてシャッターを切るとき探す29歳

          窓の外 降り続ける雪音もなく 厚く積もってそっと肩たたく

          窓の外 降り続ける雪音もなく 厚く積もってそっと肩たたく