マガジンのカバー画像

編歌 2023

10

本

2023年に詠んだなかから10の歌を編みました。

運営しているクリエイター: mumin

生ぬるい風を吹かせる終電の上にかがやく冬のオリオン

10か月前

喫茶店白いカップに湯気がたつ
思い思いに始める月曜

11か月前

シャッターを切る度延びていく余生
現像をするあとさきの日々

11か月前

撫でているようで温さに解けてく
猫の背中に置いた手のひら

1年前

道すがら冷えた空気に香りたつ金木犀に気付いたら秋

1年前

道半ば昨日の靴下行き倒れ
朝日を受けて柔らかな影

1年前

1

どしゃぶりの雨に歌えば聞こえないと思って好きに口ずさむ夜

お昼時馴染みの八百屋のお弁当の横のトマトがつやつやの初夏

1年前

人生は映画のような一瞬の構図に出遭う日々の連なり

1年前

1

初夏の阿蘇、緑野の赤牛揺れる尾は都会の秒針よりゆるやかに

1年前